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サグラダファミリアを見て考えた、Chat GPTと仕事の未来

サグラダファミリアを見るといつも、「すげーなー、人間はなんでこんなモノを創ろうと思い立って、そしてそれを推し進めて、それが多くの人を惹きつけるんだろう」と思います。

今日は、サグラダファミリアを見て考えた、これからの働き方について考えてみます。

サグラダファミリアはそのストーリーや施工プロセスに価値がある

サグラダファミリアがこれだけ世界中から人を惹きつけるのは、その巨大さや雄大さ、完成度の高さだけが理由ではないはずです。

もし、今、人工知能を搭載した3Dプリンターにガウディの設計図を完全に読み込ませ、一晩にしてサグラダファミリアの完成版がどこかにできたとして、それは、本物のサグラダファミリアほど人を魅了するでしょうか?

おそらくNoでしょう。

サグラダファミリアの価値を高めているのは、100年以上続く建設プロセスや、スペイン内戦で失われた設計図を苦労してかき集めて、何世代にも渡って職人が建設しているという、その裏にあるストーリーのはずです。それが、サグラダファミリアの価値を唯一無二のものにしていると思います。

これは、サグラダファミリアだけでなく、他のものに関しても同じことがいえると思います。例えば洋服とかも、有名人が来た洋服は価値が高まるし、楽器も有名な人が弾いた楽器は価値が高まります。物理的には全く同じ洋服や楽器を作れたとしても、それは価値を高めません。

人工知能は、プロセスやストーリーを抜きにしたモノの生産はほぼ全てやってくれるようになる

さてすこし話が変わります。
おくれあそばせながらChat GPTを使ってみましたが、すごいですね。もう完全に自然言語を理解してますし、返答も極めて精緻です(少なくとも英語では)。身体の活動を伴わない学習とそのアウトプットは、もう人工知能の方が上手くやってくれる時代がすぐそこまで来てそうです。Chat GPTを触ったことがない人は試しに触ってみることをめちゃめちゃお勧めします。

「身体の活動を伴わない学習とそのアウトプット」と書くとなんだか小難しいですが、これ、学校や会社でやってることのほぼ全てではないでしょうか。何か公式を学んで、それを応用して、問題を解く。文章を読んでそれを要約する。会社の現状を踏まえて新しいプロジェクトの企画案を書く。仕様書を見てプログラムを書く。お客さんの要望を聞いて、提案を出す。などなど。

つまり、知的生産活動はほぼ全て人工知能がやってくれる時代が近い、ということです。(落合さんのこの動画とかを見てから、自分でもChat GPTを触ってみるとより実感がわきます)

・契約書の作成
・事業内容が適法かどうかの判断
・融資可能かどうかの意思決定
・マクロ経済分析に基づいた投資の意思決定
・アプリの裏で動いているプログラムの作成

などなどは、簡単なモノであれば今のChat GPTでできそうですし、複雑なモノも2,3年後にはすぐできるようになりそうです。

ここにロボットが加わると、ほとんどすべてのモノの生産は自動化されると思います。(もうされてるものもある。)

人間の衣食住を満たすために、
・(衣)AIが最新の流行を分析してデザインした服を自動ミシンが作り
・(食)自動運転トラクターで耕された土地に、AIドローンが種をまき、AIが最適なタイミングで水や肥料を与え、また自動運転トラクターが刈り取りを行う。これらすべてのプロセスはAIが制御する中央管理システムで統括される。
・(住)家は3Dプリンターで印刷

みたいな時代はもう近そうです。

アウトプットの質を求めるならAIにやらせた方がよい

Chat GPTはまだミスをするようですが、人間もミスをします。問題は、Chat GPTが完全かどうかではなく、人間より良いかどうか、でしょう。

AIはひたすら学習を高速で繰り返して昼夜働くので、そのうち精度も上がって、人間より質の高いアウトプットが出せるようになります。

なので、アウトプットの質を求めるならAIに仕事をやらせた方がよくなります。

新入社員時代に「仕事は結果がすべてだ。いくら頑張ってもいいアウトプットが出せなければ意味がない。」と言われた人も多いでしょう。でも、結果がすべてなら、全部AIにやらせた方が良い時代が来ると思います。

プロセスを楽しめない仕事は残らない

最初に話は戻ります。サグラダファミリアの価値を高めているのは、それを作るプロセスです。完成物ではないです。完成物が欲しいなら、さっさとAIと3Dプリンターにやらせましょう、という時代が来ています。

なので、最終的には、人がやる仕事は、やってて楽しい仕事しか残らないと思います。
サグラダファミリアを作っている職人は(全員ではないにしろ)多くの人が誇りをもって働いているはずです。

音楽とかもそうです。自分が好きな完璧な音楽(アウトプット)だけを求めるんであれば、自分の音楽的嗜好を全部AIに学ばせて、AIに作曲させれば、ほぼ自分の趣味にあった完璧な音楽が出来上がります。

でも、ライブでミュージシャンが楽しそうに演奏していたり(プロセスを楽しんでいる)、たまにセッションでミスをしたり(人間性が見える)して、その一連のプロセスが楽しいから、人の演奏を聞きに行くんでしょう。

今の働き方を考えよう

そんな時代が来ることを考慮にいれると、今の働き方も考える必要がありそうです。アウトプットの完璧さを上司から求められて、日々疲弊して人生を楽しめない、そんな仕事は辞めた方がいいかもしれません。その仕事は遅かれ早かれ消えるので。

僕も、極力、やってて楽しい仕事、ワクワクする仕事、知的好奇心を刺激される仕事、感動する仕事をやるようにしたいと思っています。

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