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ニュー シネマ パラダイス

22歳くらいのときに初めて観た「ニューシネマパラダイス」という映画を観なおした。

中年を迎えた映画監督が、映画に魅せられた少年時代の出来事と青年時代の恋愛を回想する物語。感傷と郷愁、映画への愛情が描かれた作品である。

僕が一番驚いたのは田舎の村で村唯一の娯楽だとは言え、赤子を連れたお母さん、はしゃぐ子ども、眠る人、二階席から必ずツバを吐く人、作品のセリフを先に言ってしまう人、などがおり、かつ皆で映画にリアクションし、死語も可で、現代の映画館からしたら考えられないほどの自由度と許容量だった。


おそらく映画産業が大きくなるにつれて、周りのお客様に配慮するように、ノイジーマイノリティの意見を採用してきた結果、今の無言でノーリアクションで映画を観る、というスタイルに行き着いたということなのだろう。

けれど、映画のフィルムが焼けたり、画面が水平でなかったり、隣の人のいびきがうるさかったりしても、一人一人違うみんなをお互いが許容しあい、一つの作品にみんなで笑い、泣き、喜ぶ。

一人一人違う人々が作品を通して感じるこの一体感こそが、映画の、映画館の良さなのではないですか?

そしてこのかつての映画館こそが、今の時代におけるニューシネマパラダイスなのではないですか?

と、言われているような気がしてならなかった。




今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。
現代だとワールドカップとかオリンピック、ハロウィンなんかが担っているのかな?



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