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ダイアリー2024/04/04 ここに私はいます

2024年4月4日。待ちに待ったミュージカル「カムフロムアウェイ」の大阪公演初日。

普段ミュージカルを観た時は、自分の中で噛み砕いてから観劇レポとしてまとめている(まとめられているとは言うてない)のですが、とにかくこの初日の気持ちを書き留めておきたくて、今必死にスマホのキーボードを打ち込んでいます。

日本ミュージカル界のアベンジャーズと称される豪華なキャスト12人で織りなす、9.11テロのその後を描く100分ノンストップミュージカル。

プロモーションもよく、とにかく観る前から期待値が右肩上がりだったのですが、

ほんまによかった!!!!!


どれくらい楽しみだったかって、スマホのホーム画面とロック画面をカムフロムアウェイ仕様にし、部屋にクリアファイルを飾り、オリジナル版の音源を通勤で聴いて、観てもないのに追いチケするくらいに楽しみにしてたんです。

で、期待値を余裕で超えてきた。

細かい感想は追々したためたいのですが、当時の緊迫感、人の優しさと残酷さ、悲しみ、そのすべてがフラットに描かれていて、一般的にミュージカルのイメージとして根強い「エモーショナル感」は控えめなのに、心にズッとくる(グッとくるでも、ズシッ、ズキッでもなく、「ズッ」)。

展開も人物の入れ替わりも目まぐるしいですが、それゆえに100分間の集中力がとてつもない。
フィナーレ後も慣性の法則で心が前のめりになってしまうようでありつつ、ジワジワと余韻が染み出してくる(今これを書きながらまさにこの状態)。

全体的に楽しく温かい空気でありながら、観ている僕らを決してただの傍観者にはしてくれず、一瞬の振り向きざまに突き付けられるなにかがある。
我が敬愛する万里生くんが演じているということを抜きにしても、万里生くんのお役の一人・エジプト人(イスラム教徒)のアリの存在が目を惹いたのですが、彼が客席をゆっくり見て、「あなたには、分からない」と言うの、観客全員ハッとするはず。

ほらー僕の好みじゃないですかー!

キャスト12人全員が主役級ですが、それゆえに一人として浮かず、一人として悪目立ちせず、全員が主にも従にも一瞬で切り替わる。
だからこそこの物語がすんなりと入ってくるし、全部のセリフを聞き取れなくても頭と心に足跡を残してくれる。
ミュージカルが好きな人ほど、キャストの豪華さに目が惹かれてしまいがちですが、それすらもいっとき忘れさせる。

初見だったので、当然の如くマイフェアプリンス万里生くんにフォーカスはしていたんですが、それどころじゃなかった。いい意味で。万里生くんを含む全員が主と従を瞬時に切り替えて、そこで語られるメインの道筋に意識が向くように緻密に構成されているんですねえ。
この回はこの人を観る!と超絶強い意志で観ないと持っていかれます。

また2日後に観て、その1週間後にも観て、大阪千秋楽も観るのですが、観るたびに視点や気になるポイントが変わりそう。優秀な目を24個ください。できたら分身させてください。

はい、ここまで案の定まとまってないのですが、とにかく良かったという気持ちを残しておきたいだけのnoteです。

ここまで書き終えて、今僕のこころに浮かんでいるのは、

世界にやさしくあろう

ということです。

図らずも、先日の台湾旅行で色んな人に助けていただいたことも思い出します。特に空港でトランジットをミスったときの出来事は、この作品の舞台と同じ空港というシチュエーションもあって、リンクする(ほんまに空港のスタッフさんありがとう)。

僕はどちらかというと性悪説に基づく思想を根底に持っていますし、それが今回変わったということではないですが、世界には絶対に理解できないこともあって、相容れないものがある。だからこそ、やさしくあることが大切なんやなと。やさしい人って、強いんですよ。そうありたい。

僕は、2024年4月4日、あの瞬間Skyシアターにいて、ガンターにもいて、今は京都にいる。
今ここに、あの時あそこに、僕が、あなたが、誰かがいる。

たとえ互いに相容れずとも、ここにいる者同士、やさしくあれれば。

はぁぁぁぁぁ!!!!こころ、満たされた!!!

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