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新卒1年目で立ち上げた事業の撤退から学んだ8つのこと

こんにちは。サイバーエージェント AI事業本部の村田です!

タイトル通り新卒1年目に立ち上げを任せてもらったプロダクトを撤退することになりました。約半年間という短いチャレンジだったのですが、そこからの学びはとても濃かったです!

事業の振り返りを社内のステークホルダー向けに行い、チームwiki、日報でも共有しました。折角なので公開できる範囲でnoteに学びをまとめようと思います。

別事業部の社内の皆さん、最近ご無沙汰している社外の方、サイバーエージェントに興味のある方、学生の方に読んで頂ければ幸いです!

どういったプロダクト立ち上げをしていたのか?

ひとことでいうと「webマンガ(電子書籍)クライアント向けのアドテクプロダクト」の立ち上げをしていました。電子書籍向けなのでプロダクト名はシンプルに「eBook Ad」。

本当はモックを載せたいところなのですが、ほぼステルスで立ち上げしていたのと、コピーライト等の問題から差し控えます(泣)

プロダクトの立ち上げ背景としては事業部でプロダクトのアイデアがあり、僕が「新規事業やりたい、やりたい!!!」と言ってたので、有難いことに新規事業責任者として任せてもらった形になります。

新卒1年目に裁量を任せてくれるサイバーエージェントは、手前味噌ですがいい会社だと本当に思います(笑) 

僕は小学生の頃からマンガの神様・手塚治虫の作品を読みあさるほどのマンガ好き。マンガの広告表現を変えるんだ!と意気込んでのスタートでした。

どういった業務をしていたのか?

開発、クリエイティブ製作以外のプロダクトにまつわることは何でもしてました。

プロダクトの広告フォーマット決め、顧客・代理店への営業、開始案件準備、開始後の運用、クライアントとのアポ

新規プロダクト立ち上げ、テスト配信から顧客獲得、配信と運用の一連の流れを経験しました。

テスト配信で初めて世に広告が流れた瞬間はめちゃくちゃ嬉しかったです。自分たちが作ったものが世に出る喜びはプロダクト作りの醍醐味!

サイバーエージェントAI事業本部では事業責任者、PdMと呼び方様々ですが、プロダクトの中心にいる人はプロダクトサイド、営業サイドどちらにも責任を持ちます。

ただ、僕は営業サイドのところでまだまだスキルを伸ばさないといけないと思っています。広範囲にやってみて、強みと伸ばしどころが見つかって良かったです。

事業のフェーズ分解

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上記の図は振り返り会で使った資料を一部修正したものです。

立ち上げから撤退までの事業のフェーズを分解、事業自体のモチベーション(雰囲気が良いか悪いか)を図にして振り返りしました。

フェーズは以下の6段階に分けています。

①開発期間

②テスト配信期間

③別プロダクトへの移行

④営業開始

⑤A社本番配信

⑥B社本番配信

「もしそれぞれのタイミングに戻った時、クローズ経験を踏まえてどう行動するか?」という観点で振り返りを行いました。これはトレーナーからの指定で、この観点での振り返りはかなり効果的でした。

各フェーズ毎からの5つの学び

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各フェーズの学びは上記の5つ。それぞれ詳しく振り返ってみます。

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eBookAdは広告フォーマットに独自性と強みがあるプロダクトでした。ただし、これは社内でチャンスポイントあるんじゃないかという内向けの文脈で、本当に顧客が必要としてるかまでの深いリサーチができてませんでした

先方に用意とご協力してもらって成り立つ部分も大きく、実現性や準備のスケジュール感を見込めてなかった。それら踏まえてからプロダクトを作るようにしていきたいです。

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「開発が終わりいざテスト配信!」「実績も良い!」となってプロダクトの継続が決まったのですが、ここのテスト配信のやり切りが甘かった。

電子書籍サービスの課金形態はサブスクリプション型、都度課金型の大きく2つに分けられます。テスト配信では都度課金型のみ行い、サブスクリプション型も同様の結果だろうと実施しませんでした。

経験や知識のない業界でチャレンジする時は自分の結論で決めつけず、きちんと検証を行うことが大切だと学びました。

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テスト配信を終えたタイミングで、事業の拡大や目指す方向性から別のプロダクトに移行するのが事業部内で決定。

これは決定後に通達されたのでかなり面食らったのを覚えています(笑)しかも12月の最終営業日だったので、年末休み悶々としてました。

移行決定後の動き出しが遅く、移行した場合のプロダクトの方向性を描く解像度が荒かったと思います。

サイバーエージェントは社内での変化が大きい会社ですし、社内も市場もどちらの波も乗り切る力をつけていきたいですね。

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プロダクトセールスは他代理店様への営業も行います。ただし、ここの働きかけのパワーが弱く、少額からの持ち出し配信など実績作りを最短で行うアクションをすべきでした。

新規事業責立ち上げに固定観念は捨てるべきで、「とにかく市場に出してプロダクトの認知を行う」ことが重要です。

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本番配信が決まり始めたものの、テスト配信ほどの結果が出ず。

プロダクトが真のパフォーマンスを発揮できる条件を顧客と最後まで握れなかったのが原因

先方のリソース事情からできなかった施策もありますが、一番は僕の提案の実力不足。ここは提案をどうするかを社内の人をより巻き込んでいくべきでした。

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事業全体を通しての学び

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各フェーズを通して分かったのですが、全体を通してこのような動きをしていれば良かったという学びも見つかりました。

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サイバーエージェントは若手に任せてくれる会社ですが、任された側もきちんと説明責任を果たす。それが大切だということを痛感しました。

半年間自由にやらせてもらったのですが、先輩を巻き込む時には時すでに遅し、、、。

事業もホウレンソウをしっかりして、経験ある先輩たちにフィードバックをもらい、客観的にプロダクトが置かれている状況を見つめる機会を作るべきでした。

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新規事業はとにかく最速を目指す。「この期間でこれとこれをこう準備して~」のスケジュールを引くのは大切ですが、最速を目指すマインド・アクションの両方が必要

結果を出すサイクルが早ければ取るアクションの手数も増えますし、撤退の場合も痛みを減らせられる。

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プロダクトの中心に立つべき人は納得感のあるストーリーをステークホルダーに語れる力が求められます。

「これならいけそう」「応援したい」「このチャンスポイントに向かって突っ走るんだ」と伝える技術。これは意識して伸ばさないといけないポイントですね!

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最後に

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引用:https://thebridge.jp/2014/09/top-20-reasons-why-startups-fail-report-pickupnews

改めて振り返ると、1番の失敗の原因は「市場ニーズがなかった」だと思います。最初のプロダクト作りのリサーチで顧客KPIや真の課題を明らかにすべきでした。

ただし、市場がない場合は市場を作りに行く・啓蒙しにいくアクションも取れたわけで、この動きが早ければ、、、とも思います。

何はともあれ、新卒1年目で新規事業の立ち上げを行い、クローズまで経験できたのは本当に良かったです。この経験を活かし次の新規事業にチャレンジしたいです!

今回のチャレンジができたのは社内の皆さん、社外の皆さんの周りの人たちのおかげ。皆さんが作ってくださった環境が僕を育ててくれたと思います。本当に有難うございます。

市場にも社内にもきちんと事業貢献できるよう成長したいと思います!

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