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台湾雑記帳

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台湾で体験した愉快だったり愉快じゃなかったりする出来事をまとめたマガジン。いっぱいかけたらいつか同人誌にでもしようかな……
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チョコレートかミントか歯磨き粉か

チョコレートかミントか歯磨き粉か

チョコミントは人の食べるものではない、と言う人がいる。そうした方々のご意見としては、歯磨き粉の味がして食べる気がしない、と言うのを聞くことが多い気がする。他にも理由は色々あるだろうが、まず真っ先に聞くのがこの理由だと思う。

かく言う私はチョコミントが大好物だ。世の中にはチョコミン党と言う政治とは無関係の党派があり、私もそこに所属している党員の一人である。そして仮にチョコミン党を更に細かく派閥分け

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愉快な台湾生活

愉快な台湾生活

「櫻花妹」という言葉をご存知だろうか。
「櫻花」とは桜のこと、そして「妹」は文字通りの妹という意味ではなく、基本的には自分より年下の女の子のことを指していうものである。これは台湾では、日本人の女の子を指していう言葉だ。言うまでもなく、日本が桜の美しい場所として有名だからこそ、ついた名前である。一体誰が考えたものか、桜の花の女の子とは、なんとも美しい言い回しであることだ。

もうすでに葉桜もとっくに

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新年快樂(雑記)

 数日前のことである。冬休みに入り時間に自由がきくようになったので、久々に自分で料理でも作ろうと思い、近所のスーパーへ足を運んだ。
 新年前ということで、スーパーへ買い物に来る客はとても多い。入口の自動扉は、入っていく人あり、出てくる人あり。中もどうやら人でごった返しているようなのが、ガラス扉の向こうに見て取れた。その、スーパーの中へ自分も足を踏み入れようとしたその時である。自動扉が開いて中から出

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部外者の立場から(雑記)

【注意】政治に関する話です。
*まだまだ勉強中の身であるのと、あくまで人から聞いた話と個人的な考えを記録として残しているだけなので、全てが正しいわけではありません。
*人名の表記については直接表記したくなかったので本文の通りになりました。超適当です。
*台湾の政治について討論する目的で記載したものではありません。
*伝聞調の部分が多いです。
*以上のことをご確認の上お読みいただけますと幸いです。

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ある日本人のうちの黒猫(雑記)

ある日本人のうちの黒猫(雑記)

 吾輩のうちには猫がいる。名前は小福だ。
 なぜそんな名前をつけたかというと、本当はたくさん幸せが来るように大福と名前をつけたかったが大というほど大きくないのと、黒いのでいかにも大福という見た目ではないのと、あとは我が家の真横に設置してある洗濯機の裏で子猫を生んだ猫だから、洗濯機にちなんで「ふく」というのがいいんじゃないかというのと、まぁ諸々理由がある。それで結局「小福」という名前に落ち着いた。

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木瓜牛奶とスマイルゼロ円

木瓜牛奶とスマイルゼロ円

7月の暑い日の午後のことである。
私は板橋区にある中国語の先生の教室にお邪魔し、中国語と翻訳に関する勉強をしていた。下手くそ極まりない中国語と滅茶苦茶な日本語の翻訳を披露し、責任と擔當(担当)の違いは何かといったことについて議論したりして一時間半の授業を終えた。

先生の教室は昔ながらの台湾の雰囲気溢れる通りにあって、何を隠そう……いや隠すこともないが、私はその通りが好きである。通りのまん中あたり

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ごちそうさま・おそまつさま・趕快去

ごちそうさま・おそまつさま・趕快去

職場の隣におでん屋さんがある。日本風のおでん屋さんだ。お店の名前は、富惠關東煮という。

お値段は決して安くはないが(でも台湾で食べられるおいしい日本料理に見合った価格だと思う)、素材にちゃんとこだわっていて、老闆娘がお客さんにきちんとした料理を提供しているのを知っている。

絶対変なものを出されたりしないのが分かっているから、私は安心してこのお店にご飯を食べに行くことができる。なんなら週に2、3

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新北・早餐店

新北・早餐店

ここ3日間ほど、仕事関連でちょっと失敗したと思うことがあって、落ち込んでいた。

朝起きて、顔を洗おうとして鏡を覗き込むと、情けない顔の女がこちらを覗いている。そいつは徐に口を開いて、お前はダメだね、と言う。そうだね、と自分が答える。会話終了。あとは窓の外から聞こえる車の走行音を聞きながら、黙々と歯を磨いて顔を洗う。そんな遣り取りを、ここ3日間ほど繰り返していた。

落ち込んでいようがいまいが、明

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林口・初夏、一服の清涼剤

林口・初夏、一服の清涼剤

足下から、夏の暑さが立ちのぼる。
今は6月、明日から端午節の休みが始まる。三日間の休みを過ぎたら、本格的に夏の暑さがやってくる。午前中に知り合いからお裾分けして頂いた冷凍のちまきの入った袋が、ダラダラと汗をかいている。まるで暑くてたまらない、と泣き言が聞こえてくるようだ。
本日の最高気温は35度。これだけ暑いのにまだ夏が来てないの? と人に問うたら、こんなのまだまだ序の口だよ、と笑われてしまった。

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台北・北投温泉

台北・北投温泉

私が初めて北投へ行ったのは、2度目に台湾を訪れた時のことだった。もう5、6年ほども前のことになる。台北にも温泉地があると聞き、昼は遊びまわって夜は宿泊地の近くで温泉に入れたら最高じゃん! と安直に考えて、北投駅近くのホステルに宿をとった。恥ずかしながら、当時は北投に温泉があるというざっくりした情報以外のことは、ろくに調べもしなかった。北投は北投でも北投駅と新北投駅と、北投と名前のつく駅が二つあると

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台北・ゴミ拾い

台北・ゴミ拾い

「なぜそんなことをするの?」

台湾人の友達にゴミ拾い活動をするのだという話をしたら、すぐさま返ってきたのがこの質問だった。

「なぜ……と言われても。ただのボランティア活動だよ。最近、台湾の人に迷惑をかけるようなことをする日本人が多いから、少しは台湾人の役に立つことをしたいよねって話になって」

私がそう答えても、彼女は相変わらず腑に落ちない顔をしたままだった。

「だって、夜市にはそれぞれ組合

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