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BCGが読む経営の論点2023⑨:決済の変化に対し、2023年にとるべきアクションとは?(+中国のゴマ信用の話を少々)

読書ノート(79日目)
さて、本日もこちらの本からです。

本書は、経営コンサルティング会社の
BCGが重要と考える10のトレンドを紹介。
また、未来を予測できない不確実な中でも
シナリオプランニングの手法で対応できる。
という内容です。

・BCGが重要と考える10の変化トレンド
 ①陸の移動の変化:EV普及による自動車産業の構造変化
 ②物流の変化:物流危機とデジタルサプライチェーン
 ③食の変化:食品・小売企業が主導する食糧システム変革
 ④医療の変化:ヘルスデータと医療システムの進化
 ⑤エネルギーサービスの変化
  カーボンニュートラルとエネルギー安全保障
 ⑥学びの在り方の変化:デジタル時代における企業/個人の学び
 ⑦通信と放送の変化:メディアの融合と分離
 ⑧決済の変化:ブロックチェーン、組み込み型金融、BaaSの進化
 ⑨都市空間の変化
  スマートシティをめぐる新たなプラットフォームエコシステム
 ⑩仮想空間の変化:メタバースを通じた新しい経済圏の台頭

今日はその8つ目である
決済の変化
 ブロックチェーン、組み込み型金融、
 BaaSの進化
についてです。

■トレンド1:現金が消滅する?
・日本のキャッシュレス比率は2021年で33%
・一方で米国は約80%、北欧では9割に達している
・銀行業は現金が不要となり銀行口座が必須ではない
 世界が到来すれば独占的な地位は脅かされる
 それはつまり、口座に紐づいた貸出しによる
 銀行業の信用創造の地位も脅かされるということ

・1994年にビル・ゲイツが言った
 「Banking is necessary, but banks are not.
 (銀行の機能は必要だが、銀行は必要ない)」
 という世界がキャッシュレスを突破口に実現する
 将来シナリオも考えられる

■トレンド2:新たな通貨の登場
・暗号通貨、ステーブルコイン、中央銀行デジタル通貨が
 法定通貨を代替しうる新たな通貨として注目されている
・この2、3年はステーブルコインが台頭し始めている。
・今後何が発展し衰退するかは不確実性が非常に高い

■トレンド3:非金融事業者が決済の主要プレーヤーに
・中国のアリペイがこのトレンドを牽引。
 2010年代後半に金融サービスを軸に
 独自のエコシステムを築いて成功した
・これを契機に世界各国でプラットフォーマーが
 決済サービスに参入し覇権争いを繰り広げている
・日本ではペイペイ、EC、通信事業者が
 コード決済事業に参入している

・もう一つのトレンドは消費者との密な接点を握る企業が
 金融サービスを提供する「組み込み型金融」
・スターバックスはアプリで支払いやチャージができたり、
 ECサイトで分割払いができるなど

・寡占型シナリオ vs 群雄割拠シナリオ
・最終的にどのような非金融プレイヤーが主導権を握るようになるか
・1つのアプリ上で多様なサービスをワンストップで利用し決済も行う
 プラットフォーマー寡占型シナリオ
・様々な事業者が個別アプリで決済など金融サービスを提供し、
 利用者が用途に合わせて使い分ける群雄割拠シナリオの両方がありえる
・どちらの方向になるかを決定づけるのは、
 消費者の選好国や地域によって最終形が変わる可能性
・米国ではプラットフォーマーが独占する事に対して
 人々の警戒感が強く規制する傾向があるため、
 群雄割拠シナリオになる可能性が高く、
 プラットフォーマーが経済を牽引している新興国などでは
 寡占型シナリオになるかもしれない

■2023年にとるべきアクション
・決済は日本において残された数少ない成長領域
・決済を入口に幅広い金融サービスに参入が可能で、
 そのポテンシャルは大きい
・決済を活用して手に入るデジタルの顧客接点と
 データは活用次第で本業に大きな競争優位をもたらす
・そのためには、既存の決済・金融サービスを
 圧倒的に凌駕する顧客体験を提供する事が必要

・キャッシュレス戦争がひと段落する中で、
 将来の決済サービスの主導権がプラットフォーマーへの移行か、
 より分散化された世界が到来するかの見立ても重要になる。
・中長期的には、新たな通貨の台頭による
 大きなディスラプション(破壊的変化)が起きる可能性がある
 それを将来シナリオに織り込み、デジタル通貨にも柔軟に
 対応できる想定をしておくべき

ということで今回は
「決済の変化」を紹介しました。

中国のアリペイが築いた
エコシステムの中でも有名なのは
「ゴマ信用」のサービスでしょうか

https://www.miraic.jp/online/8tips/category/tip06/9396.html

ユーザー個人の信用度がスコア化される
というもので、以下のような画面に
自分の信用スコアが表示されるというもの

https://www.univapay.com/column/alipay-zhima-credit/

5年ほど前に、僕も噂には聞いたことが
あるゴマ信用ですが、今でも
サービスは継続しているようです。

信用スコアが落ちるかもしれない行為
としては…

https://www.univapay.com/column/alipay-zhima-credit/

これらがあるのではないか?と
噂になっているようですが、
採点方法の詳細は不明とのこと

思想として「信用が低いと何もできないが、
信用が高ければ非常に暮らしやすい」社会を
意図的に構築する」
ということで、
良市民な行動を促進する意味では、
効果が大きそうですね。

信用スコアと聞くと、
いろいろな個人情報を企業がチェック
していると思い、あまり歓迎したくない…
という気持ちもありますが、
真面目で正直に生きている人が報われる
そんな世界に近づくのであれば
ゴマ信用のような信用スコアも
正しく運用してくれるなら
そのうち一般的になるのかも?

その背景には、群雄割拠シナリオではなく
プラットフォーマー型の寡占型シナリオ
になる、という条件はありそうです。

ということで、
以前は僕もゴマ信用の噂を聞いたときは
日本もいずれそうなるのでは?と
予想をしていましたが
日本で寡占型シナリオになる可能性は
今のところは低そうなのでは?
ということで、考え直しました。

余談ですが、ソニーが開発した
キャッシュレス技術のEdyは
EURO、DOLLAR、YENの頭文字
ということで、第4の通貨機軸を目指していた
名付けられたとのこと。

おサイフケータイなどに搭載され
便利な決済ですが、覇権を取るまでには
至らず…日本ではキャッシュレス市場は
いまだ群雄割拠な状態ですね…

日本にもプラットフォーマーとして
寡占型のシナリオが来るなら
どのような企業でしょうか…
今後数年は特に注目すべき業界ですね

ということで、
久々の更新になってしまいましたが
明日から週末ということで、
また読書ペースを取り戻していきたい
と思っています。

それではまた明日ー!😉

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