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「11月9日は〇〇の日だった」の災難。

11月9日は119の語呂合わせで”良い靴の日”であった。

私はそんなことは露知らず、たまたまネットニュースを見ていたところ「11月9日はいい靴の日」という記事が目に入っただけなのだが、そんな記事を読みつつ、ふと、自分が履いている靴に目をやるとおぞましいほどに汚く、ボロボロになっていることに気が付いた。

その汚さたるや、ゲロ川に三日三晩漬けた後にウンコ山脈を一週間休まずに闊歩したような下品極まる汚さであった。

そういえば靴底の部分がガポガポしている。
このままでは、靴底が抜けるのは時間の問題であろう。

はて、この靴を買ったのは何年前だったか・・・。

「でも、まだ履けそうだし、新しく買うのもなあ・・・」

そんなことを思っていると、こんな言葉が脳裏に浮かんだ。

”オシャレは足元から”

今までこの言葉を目にする度に「いやいやww足元なんて誰も見てないからwwおつでーす」と思っていたのだが、どうやらこれは大きな間違いだったのかもしれない。
オシャレな洋服でいくら着飾ろうと、スキンケアをいくら頑張りツルスベ肌になろうと、女性達にいくら優しくしようと・・・結果的にモテなかったのはもしかしたら足元がオシャレでなかったからではないか?

そうだ、きっと、そうに違いない!

私に足りなかったのは・・・靴だ!

「ちゃんとした靴を履けば、モテる・・・モテるぞ!」

私は確信した。



さっそく某靴屋に行き、店員のお兄さんに相談すると「靴は休ませることが長持ちの秘訣」「2~3足を交互に使っていったほうがいい」ということを言われた。
そんなアドバイスもありつつ、履きやすさ、ブランド、デザインなどを考慮した結果、2足購入することにしたのだが、なんと2足で3万を楽々と超える金額となってしまったのである。

「く、靴で、さささ、3万・・・」

さすがに高すぎる。
もうお店の入り口の前のワゴンの中にある2000円くらいの聞いたこともないブランドのやつでいいのではないか?とすら思った、そのときであった。

まて、まつのじゃ、廻るよ。
一度、思考を巡らすのじゃ。
これで女子からモテるならば逆に安いものだろう?
しかも3万円もの大金なのじゃぞ?
そのリターンたるや恐ろしいほど絶大に決まっておる。
もしかしたらお前が憧れる川村文乃さんとお付き合いできるかもしれない。
もしかしたら明日にでもお前が心から愛する西野七瀬から求婚を迫られ、もうその日のうちにアハハウフフかもしれないんじゃぞ・・・。

そんな神の声が聞こえたのだ。

「買います」

私は購入を決めた。
川村文乃さんとお付き合いしたいし、西野七瀬さんとアハハウフフしたい。



あれからかれこれ1週間が経った。

しかし、残念なことにまったくモテてはない。
それもそのはずだ。
このときに購入した新品の靴ではなく、ボロボロの以前の靴を履いて今日の今日まで生活しているからである。


なぜ新しく買った靴を履かないのかと不思議に思うことだろうが、その理由として、1足1万円を超える靴を今まで履いたことがないため、「下手に汚したくない」となかなか使う決心がつかないのだ。

どうやら、私がモテるのはまだまだ先のようだ・・・。


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