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つなぐ、つたえる、のりこえる。架け橋としてのデザイン。

こんにちは。デザイナーの高橋拓也です。
この度、お世話になっていたデザイン・WEB制作会社を退職し、個人事業主として独立しました。
屋号は「BRIDGE DESIGN LAB」といいます。

BRIDGEには、
・誰かと誰かをつなぎ、価値や情報を伝達すること、
・問題を乗り越え、目指す先へ進む手助けをすること

といった想いを込めています。

これまで僕は、細かく数えれば6社ほどの会社で、ジャンルも業界も役割も立場も様々に10年近くデザインのお仕事をしてきました。
その中で、ただただ必要とされる役割に対して、「デザイン」というアプローチを使ってどう貢献できるか?を考えて続け、行動してきました。
僕の考えるデザインの役割は「問題解決」であり、自分の役割はデザインの知見をもとに求められた課題や目的を達成することにある、と強く信じていたからです。

しかし、その中で常に感じてきたことは、「デザイン」という言葉に対する人々の認識の曖昧さ、期待値のズレでした。

「デザイン」という言葉は、本来大変多くの意味を含む言葉です。
僕が学生時代はまだ、(学生の目から見れば)デザイナーの仕事が作家性を伴う審美的なものとして捉えられることが多い時代でした。そこから時代は進み、WEBやアプリといったデジタルを軸としたデバイスやサービスが世の中に浸透し、世の中にイノベーションを起こす企業が多く生まれていきました。その中で、UX、デザイン思考、デザイン経営、サービスデザインといった言葉が使われるようになり、デザインの意味は社会的にも大きく広がっていったように思います。

そうした変化もあってか、今でこそ多くのデザイナーは「デザインとは見た目を作ることではない」と当たり前に主張するようになりました。デジタルサービスを中心とした採用市場では、ビジネスへの理解があり視座が高く、成果にコミットできるようなデザイナーの市場価値の高まりも感じます。

それでもなお、僕が仕事を通じて関わってきた感覚で言えば、世の中の大多数の普通の企業、普通の人たちにとって「デザイン」は「見た目」という感覚的な概念のままなのではないかと思います。
かつてはそれに反発し、わかってもらえないことへの憤りも感じました。しかし今では、それも正解だと思っています。「見た目」の良し悪しがデザインのアウトプットとして重要である事実に変わりはなく、最もわかりやすく効果的に人の心を動かす要素であるからです。

問題なのは、「デザイン」に何をもとめるのか?「デザイン」をどう使うのか?が仕事に関係する人々やデザイナーの間でズレていることです。
自分の感覚でカッコ良いものを作って欲しいと考える経営者も多いですが、商材の価値を効果的に伝える情報設計を望む経営者もいます。制作物の意図や背景を深くヒアリングし、依頼者のインサイトを明らかにした上で、よりよい解決策としてのデザインを提案したいというデザイナーもいれば、依頼者の要求に忠実に、迅速に成果物を納品することを良しとするデザイナーもいます。

会社もそれぞれ、人もそれぞれ。役割も立場も違いますし、「デザイン」という言葉への解像度や捉え方が全く違うのですから、考えてみれば当たり前のこと。でも、あまりに皆が普通に「デザイン」という言葉を使うので、そのズレがないかを確認しないまま仕事が進み、ハレーションが起きたり、デザインの可能性が十二分に発揮されない結果に終わることは多いのではないでしょうか。


今回、BRIDGE DESIGN LABとして活動を始めるにあたり、新たに肩書きに「デザインストラテジスト」と入れることにしました。
簡単にまとめるとしたら、
「デザインを活用し、問題解決や価値創造を支援するデザイン戦略家」
といった感じです。

具体的には、
・デザインという広く深い概念に対する理解を深め、デザインに対する認識を合わせるための知見を提供すること
・デザインをどのように使えば抱えている問題の解決に役立てられるのか、あるいは、新たな価値の創造にアプローチできるのかといった、デザイン活用のための戦略をご提案すること。

といったコンサルテーションをサービスとしていきたいと思います。

また、さまざまな組織形態の中でのデザインチームのマネジメント、デザイン教育などの経験もありますので、組織の中でデザイナーが抱える問題に対しても力になれることがあるかもしれません。

詳しいサービス内容はまた別の記事でご紹介します。

個人事業ですのでリソースは限られていますが、そのぶんひとつひとつのお仕事にじっくりと丁寧に取り組めたらと思います。
よろしくお願いします。


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