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「超・馬券のヒント」vol.6

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週刊Gallopにて連載中の「超・馬券のヒント」を全文掲載。馬券に関するテーマに沿って本命を導く、新しい予想型コラム。
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記事一覧

ヴィクトリアマイルは牡の古馬を相手に好走してきた女傑を狙うレース【超・馬券のヒント第60回】

ヴィクトリアマイルは牡の古馬を相手に好走してきた女傑を狙うレース【超・馬券のヒント第60回】

最近でこそ、調教技術やノウハウが向上したことに伴い、ウオッカやダイワスカーレット、ブエナビスタ、ジェンティルドンナなど、女傑と呼ばれる牝馬たちが一線級の牡馬に混じって好勝負を繰り広げ、ときには牡馬を圧倒する光景も見られるようになったが、やはり競走馬としての牝馬と牡馬の違いは歴然としてあると私は思う。性別を超越するほどの能力を秘めている一部の牝馬を別にして、牝馬と牡馬が一緒に走れば、総体的には前者に

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名馬は2度続けて負けない=同じ過ちを繰り返さない

名馬は2度続けて負けない=同じ過ちを繰り返さない

名馬とはどのような馬か?名馬の定義は様々であり、競馬にたずさわる者が10人いれば、10とおりの定義があるはずだ。競馬評論家の大川慶次郎氏は、「僕は、違う時代のどの馬が強いかって勝手に考えるのは、馬に対してちょっと気の毒なような気もするし、順番はつけにくいんだけど。ただ、馬は(中略)体調が悪くても、それを克服して、着外にならないのが強い馬だという考え方なんですよね。ですから、僕が選ぶのはシンボリルド

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ステイヤーは前哨戦の調子を本番でもそのまま維持できる【超・馬券のヒント】第58回

ステイヤーは前哨戦の調子を本番でもそのまま維持できる【超・馬券のヒント】第58回

阪神大賞典の勝ち馬と2着馬の、天皇賞・春における成績を比較してみると、明確な傾向が見て取れる(過去20年間)。

阪神大賞典1着馬の天皇賞・春での成績【7・0・4・8】

阪神大賞典2着馬の天皇賞・春での成績【0・3・1・13】

以下の2点が導き出せるだろう。 1)阪神大賞典の勝ち馬は、本番である天皇賞・春と結びつきが強い 2)阪神大賞典の2着馬が、本番で逆転する(巻き返す)ことは難しい

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一口馬主になることで馬券の見方も変わる【超・馬券のヒント】第57回

一口馬主になることで馬券の見方も変わる【超・馬券のヒント】第57回

私が競馬を始めてから20年以上の歳月が流れ、アウトサイダーとして競馬をたしなんできたからこそ、競馬の世界の移り変わりを外側から見つめ、競馬ファンの楽しみ方の変化を身体で感じるようになった。日本の競馬の世界は、馬券全盛だった時代から、(特にコアな競馬ファン層を中心として)一口馬主という独特の形を取って馬を所有して走らせる時代に移り変わりつつある。その流れはこれから加速し、さらにその中から生産にたずさ

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3強対決はモンティ・ホール問題で解決する。【超・馬券のヒント第56回】

3強対決はモンティ・ホール問題で解決する。【超・馬券のヒント第56回】

今年の牡馬クラシック戦線は非常にレベルが高く、特にサトノダイヤモンド、マカヒキ、リオンディーズの3頭の強さは傑出している。弥生賞でエアスピネルに騎乗した武豊騎手が、「負けている気はしないのに3着。今年は強いなぁ。いいレースをしていて、普通に勝っているレベルなのに」と嘆いたように、血統的にも実力的にも、普通の世代であれば頭ひとつ抜きん出ている存在の馬が何と3頭も、同世代のクラシック戦線に乗ってきたの

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速くて強い逃げ馬がいるときは、2着は穴を狙え【超・馬券のヒント第55回】

速くて強い逃げ馬がいるときは、2着は穴を狙え【超・馬券のヒント第55回】

馬単や3連単が全盛の時代において、もはや万馬券など珍しくなくなってしまったが、私が競馬を始めた頃は、万馬券という言葉には崇高な響きがあり、万馬券を獲ることはひとつのステータスであった。当然のことながら私も、万馬券に憑りつかれ、とにかく万馬券を当てることを目指して馬券を買っていた時期がある。後楽園ウインズに足繁く通っては、小さなモニターの画面を見上げながら、1日に1本出るか出ないか分からない万馬券を

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「どの騎手に乗り替わったか」と同じぐらい重要な「どの騎手から乗り替わったか」

「どの騎手に乗り替わったか」と同じぐらい重要な「どの騎手から乗り替わったか」

「あの騎手が乗ると馬が変わる」という競馬関係者の言葉を聞くことがある。他の騎手からの乗り替わりでその騎手が跨ると、まるで別馬のような走りを見せてレースで好走するという意味の“変わる”もあれば、その騎手がレースで騎乗したあと、普段の調教から実戦のレースに至るまで、馬が最後まで頑張るようになったり、上手に走れるようになったりするという意味での“変わる”もある。

前者の“変わる”については、かなり昔の

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出遅れという不運の中に眠っている幸運を見逃すな【超・馬券のヒント第53回】

出遅れという不運の中に眠っている幸運を見逃すな【超・馬券のヒント第53回】

出遅れにはどうしても悪いイメージがつきまとう。出遅れてしまって逃げられない、または出遅れてしまい最後に伸びてはいるが届かない等々。特にわずか1分そこそこのタイムで決着してしまうスプリント戦において、出遅れは致命的である。ただし、ごく稀なケースではあるが、例外的に出遅れがプラスに働くこともある。出遅れたことによって、馬の走るリズムが変わるのだ。

キンシャサノキセキは2010年の春、4連勝で高松宮記

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調教で動かないのはステイヤーの証【超・馬券のヒント第52回】

調教で動かないのはステイヤーの証【超・馬券のヒント第52回】

競馬を始めたばかりのころ、予想をするにあたって、この言葉が関係者から出てきたら買わないという自分の中でのNGワードがあった。たとえば、「前走は度外視」、「気性が難しい」などの言葉が出てくると、その馬は馬券の対象から外した。今思えば笑ってしまうぐらい初心者らしい予想法ではあるが、その中にもひとつだけ真実が含まれていた。それは「調教は動かない」というNGワードである。なぜかというと、それは調教において

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本番につながらないステップレースの狙い方【超・馬券のヒント第51回】

本番につながらないステップレースの狙い方【超・馬券のヒント第51回】

本番であるG1レースにつながるステップレースと、そうでないステップレースがある。たとえば今週行われるフィリーズレビューは、過去10年間において、ここを使って本番・桜花賞を制した馬はレジネッタのみ。1週間前に行われるチューリップ賞からは7頭の桜花賞馬(ダイワスカーレット、ブエナビスタ、アパパネ、ジェンティルドンナ、アユサン、ハープスター、レッツゴードンキ)が出ており、その差は歴然としている。チューリ

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