意外な盲点、塩には正しい使い方があった
Kindleで本を読んだりAmazonで本を購入するとき、「おすすめ」に上がる本が気になることはないだろうか。今日紹介するのもそんな本。試しに買ったらめっぽう面白かった。調味料が最小限でも、使い方次第で無限の美味しさが引き出せるという内容だ。
「白崎裕子必要最低限レシピ ──料理は身軽に」 著者 白崎裕子
「塩だけで味は無限に広がります」──こんなことが書いてある。
これは塩を入れるタイミングと量によるものだという。
例えばスープや煮物だが、野菜を煮崩さずにごろっと残したい献立と、トロトロに煮崩したい献立の両方がある。
それが塩の使い方一つで、簡単に使い分けができるというのだ。
これは化学の分野、浸透圧を利用した考え。キュウリに塩を振ると、表面に水分が出てくるのがいい例だ。
塩分濃度が高くなった表面を調整しようと、中から水分が滲み出てくる。
塩には野菜の水分を抜く作用もあるのだ。
この性質を利用することで、
・うまみが引き出される。
・素材から余計な水分を抜く。
・素材から臭みをとる。
浸透圧を利用した塩の使い方について、本の中から一部分を表にまとめた。
普段何気なくやっていることだが、意味を考えると納得がいく。知っていると十分応用出来そうだ。
他にもこの本には、
・塩の使い方別の具体的レシピの紹介
・塩以外の調味料の効果的な使い方とレシピ例
・素材の味を生かす鉄フライパンとせいろの使い方
などが書かれている。
知っているだけで、普段料理の底上げがグンとできそうな内容なのだ。
さてトップ写真のスープ、これはお湯に塩を溶かしただけのものだ。
本で紹介している、味付けは塩だけの「海塩スープ」を半信半疑で試してみた。
こんなスープ、美味しいのか?
・お湯150ミリリットル
・塩ふたつまみ(私はひとつまみにした)
・焼き海苔 少々
・ごま油 少々
・胡椒 少々
「海塩スープ」は、味覚を取り戻すための訓練だという。
塩と一緒に加えた調味料の味をどれだけ感じられるのか。
結果は・・・驚き! 信じられないくらいの味わいだった。
出汁がなくても味わえるレベルだ。
海苔とごま油の風味が香ばしく、胡椒もぴりっとすべての味が引き立っている。
私はお気に入り「ゲランドの塩」で試した。
数種類の塩をストックしている方は、お好みの塩でぜひ試して欲しい。
最初はしょっぱさしか感じなくても、徐々に塩の味わいを感じ出すという。
私は最初からうまみを感じたので、このスープはお助けレシピのラインナップに加えるつもりだ。