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指導を入れる準備の準備

学校は、きちんとしたところです。
社会適応的な行動がとれるように、規律や規範に従って自分で行動をコントロールできることが求められます。

僕たちが関わっている子たちは、そこになかなか乗れないことが多いのですが、そうすると様々な問題が発生してきます。

指導するかどうかと、指導が入るかどうか

教員の先生たちはもちろん、指導をします。
あるべき姿、正しいことについて話をします。それはもちろん子どものレベルに合わせて「この年齢ならこの伝え方で分かって欲しい」という水準のものです。
しかし子どもたちを見ていると、そのメッセージを受け取る準備ができていない子がたくさんいます。

受け取る準備の準備

知的に困難があって理解が追いつかない場合は仕方ないのですが、能力に問題がないのにコンディションが調整できていないために指導が入らない子がかなり多いように思います。イライラしている、不安が強い、自己肯定感が低いなど様々な理由で集中できていない。そうすると、まず子どもを落ち着かせて、あるいは安心させてから指導するしかなくなります。

僕の勤める学校で、自分ができないと思うことに取り組めない高学年の子がいます。能力自体は高いのですが、学習が積みあがってきてないのと、親が厳しいため、失敗することを過度に恐れているふしがあります。そうすると、授業に参加したりテストを受けたりすることが難しくなり、教室適応が悪くなります。
先日は僕がたまたま通りかかったときに担任と二人で(専科をサボって)教室でやりとりをしていたので、僕もそこに参加しました。なんとかなだめすかしてテストを受けさせたのですが、その間もポジティブな声かけをしながら面白く関わっていかないと、取り組みが続きませんでした。

指導の理想と現実

もちろんそのような関わりを全ての困っている子にできるほど、学校現場は人が充分に配置されていません。そもそも担任の先生は1人対30-40人で仕事を進めざるを得ません。また、学年が上がってくると「自分で自分の行動をコントロールする」ことが求められます。
そうなると、なかなか一人に対して懇切丁寧な関りを継続していくのは、現実的には難しくなってしまいます。
そういう点も含めて本人の自覚を促しながらやっていくしかないのですが、それでもできるだけ「受け取る準備の準備」を手伝ってあげたいと思っています。

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