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”なぜあの人の依頼には、全員がきっちり対応するのか?” 3つのポイント - 見える化 -

エピソード

組織で働いていると、”立場の異なる多くの人”に何かを依頼し、実行してもらわなければならない時がある。そんな時、期日までに全員にきっちり対応してもらえる人”と”対応してもらえない人”がいる。観察していると両者には決定的な3つの違いがあった。一番のポイントは「見える化」だと思う。

”全員にきっちり対応してもらえる人”
に共通する3つのポイント

1.定期的に状況を見える化している

”全員にきっちり対応してもらえる人”は、依頼した後、対応状況を全員が見えるようにしている。例えば、対象50人ほどに、何かの書類提出、進捗報告などを依頼したとして、その実行状況を可視化し、メールや掲示板などで定期的に全員にその状況を共有するようにしている。
問題というのは、何が問題かがわかれば半分は解決している。子供の口の周りが汚い時、何度も”拭きなさい”と言わなくても、鏡を置いておけば解決する。よく営業成績が棒グラフで貼りだされているのもその1つ。良かれ悪かれ”全員”に各人の実行状況を共有している。たとえ試合で負けていても、スコアボードに文句を言う人はいない。淡々とスコアボードになり切る。仕組みとして、できるだけ簡易的に、かつリアルタイムに状況を見える化(見せる化)するようにしている。
一方、”対応してもらえない人”は、依頼した後、期限が来るまでそのまま放置していることが多い。中には、1人1人個別にフォローして回ったり、リマインドして回っていることもあるが、結局もぐらたたき状態で追い付かず、期日が来ても”全員完了”にはなっていない。

2.目的や期日を明確に伝えている

”全員にきっちり対応してもらえる人”は、依頼の背景や目的を明確に伝えている。いくら状況が見える化されても、やる意義が伝わっていなければやらされ感になり効果が薄れることを知っているからだと思う。
一方、”対応してもらえない人”は、目的や期日が相手に伝わっていない。期日のない仕事は永遠に着手されない。

3.メリット・デメリットが伝わる状態にしている

”全員にきっちり対応してもらえる人”は、やるメリット/やらないデメリットが相手に伝わるように工夫している。上記1の見える化もその1つで、きっちり対応することにより相手の自尊心を満たしたり、相手の上司にもきっちり対応していることが伝わるようにしている(逆にやらなかった場合に、全員に恥をさらしてしまう状況を作っている)。

そんなことを考えていたら、以前読んだ「とにかく仕組み化」(安藤 広大著)に、以下の興味深いことが書かれていたことを思い出した。

どうせ、みんな「心の中」で比較し合っている
「競争があると、職場が殺伐とする」よく言われることです。しかし、果たして本当でしょうか。
人間は、つねに物事を比較して価値を認識します。
たとえば、どこかでラーメンを食べておいしいなと思うときは、いままで食べたラーメンと比較して今回のラーメンの味を認識します。誰か人を好きになるときも、これまで会ってきた人たちと比較して、その人の価値を認識しています。つねに人は比較し、比較されている生き物です。その前提に立って、仕組みをつくったほうがいい。心の中で比べているのに、「表向きは競争をさせない」というほうが事実に反します。

「成長したい人」を基準に据える
人の上に立つ人は、人と比べるための「仕組み」を整えないといけません。たとえば、営業であれば売上の数字をオープンにします。それはもちろん、それぞれが自分の相対的な位置を知るためです。それにより「当たり前」の基準があがります。事実をハッキリと直視することによって、危機感が出ます。「人と比べても仕方ない」「私は人と比べることなんてしない」と、誰もが口では言います。しかし、気にならないわけがありません。その前提に立ち、人と比べないように「隠すような忖度」はしないほうがいいのです。そうしてしまうと、頑張っている人が頑張らなくなります。逆に、頑張っていない人は、安心材料を得て、危機感がなくなります。いかなるときも、「成長したい人」を基準に判断しましょう。「成長する機会」を奪わないことです。「人と比べたくない」という下からの反発に負けると、その判断軸がブレます。人の上に立つ人は、ここまでの「責任と権限」と「危機感」の考え方を押さえ、つねに「競争環境」を整えるようにしましょう。

安藤広大.とにかく仕組み化――人の上に立ち続けるための思考法
ダイヤモンド社

参考になった書籍

まとめ

  • ”全員にきっちり対応してもらえる人”は、常に状況を見える化し、期日までに定期的にその状況を”全員”に共有している

  • そのためにできるだけ簡易的に、かつリアルタイムに情報を把握できるようにしている

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