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阪急のクロスシート車


 伝統的に、京都本線の特急列車は、原則クロスシート車両で運行されています。また、それ以外にもクロスシート車両が存在するのでそれについてご紹介してきたいと思います。

京都線の特急車両9300系


 この車両は、2003年の鉄道の日にデビューしました。なお、デビュー列車の種別は「通勤特急」でした。その後、2009年度に大増備がなされ、かつての特急車両であった6300系を代替置き換えしていきました。
 現在のダイヤでは、「特急」・「通勤特急」・「準特急」しか見ることができません。先般のダイヤ改正では、この特急に座席指定車両を導入するための準備という位置づけみたいです。かつては、「快速」「準急」「快速急行」「普通」にも入っていました。まあ、ほとんどの種別についていますね。(上の写真参照)
 

どんな車両?


 日立製作所のAトレインというアルミ車両の規格に準じて作られています。
 「3扉転換クロスシート」というのは、最近のJRでいうところの近郊車両の一般ですね。阪急の車両は、JRと違い、車体長が約1m短い19mほどです。扉の位置は通勤車両に合わせて作られています。(阪急は3扉通勤電車)このお陰で昨今のホームドアの位置とも合うようになっています。 連結部のの貫通路は自動扉です。一般用車両としては異例の間接照明を採用しています。扉間に4脚の座席が配置されていて、両端は固定で真ん中2脚が転換するクロスシートです。

座席に関して


 座り心地は固めで安定していてしっかり体をホールドするような形状です。ただ、扉間4脚で両端が固定という事は、座席の半数が向かい合わせのボックスシートになってしまうという事です。これが、やや残念です。
 シートピッチは、向い合わせを考慮してか970mmとかなり広めになっています。これは、特急電車などの普通車並みといえます。
 かなり窓が大きめに作られています。
 なお、折り返しの際には、一斉転換装置で座席の向きを変える装置があります。6300系ほど壮観ではありませんが、向きが変わるさまは見ていておもしろいです。
 この車両は、最終的にc#9300 8R~c#9310 8Rの8両編成11本が製造されました。

かつての京都線特急車両6300系


 昭和50年から、平成22年まで活躍した車両です。長らく大きな改造されずにほぼオリジナルのまま走り続けました。
 走るための装置は、建造当時に増備していた5300系通勤電車に準ずるものでした。車体は大きく異なり、今では阪急の新車の標準となっている上部に白い線を入れています。当初はこの特急車両をアピールするアクセントのような位置づけだったようです。運転台はT字型ワンハンドルを採用しています。扉は、車両両端に寄せられてできるだけ客室を大きくとるようなデザインです。窓は、さらに先代の特急車両、2800系に倣って座席2脚分をひとつに連窓になるようになっています。
 昭和53年までにc#63508R~c#63578Rまでの8本が製造されました。このあと、一般列車としては画期的な公衆電話が設置されました。昭和59年には、c#63308Rが増備され、6330系とも称されました。この車両は、ややグレードアップした車両で当時増備中だった7300系を基本にした足回りに変更されています。また、車内では座席の袖部もモケット仕上げになる、大阪方先頭車にパンタグラフがくるなど、外見上一目で区別のつくものでした。
 座席はすごく柔らかなもので、バネの利いた沈み込むようなイメージです。また、座面が低めですのでソファーに座っているような乗り心地で現行の9300系とは大きく異なるものでした。

京都本線撤退後は?


 c#6351~c#6353は8両編成から4両編成に短縮の上で、嵐山線専用に用いられることになりました。改造点としては、座席は、旧来のものから9300系のものに準じたものに交換されました。また、4列ではなく2列&1列の3列シートになりました。また、扉付近はロングシートに改造されました。なお、扉は今でも2扉のままです。


 程なくして、「京トレイン」としてc#6354が6両編成で大きく改造されて京都本線に帰ってきます。京都観光をテーマにした車両です。ただ一部車両には、かつてのオリジナルの座席も残っていてかつての乗り心地を楽しめました。なお、令和4年12月で惜しまれながら、引退しました。

8000系クロスシート


 c#80028R~c#80078Rに存在する、8両編成のうち神戸・宝塚方2両のみセミクロスシートという車両です。この車両は、特別な運用を組んでいるわけではないので、どこで運用されるかは運だけです。
 宝塚本線の特急「日生エクスプレス」が運行され始められたころはできるだけ、この8000系が就くように設定されていたようです。ラッシュ時のみの設定とはいえ、目玉の特急列車という事でかなり力が入り、アピールしたかったのでしょう。今では、そのような特段の配慮はないようです。本数も増えましたし。



 座席は、6300系のものが基本ですが、座席の高さはやや上げられているみたいです。また、シートの配置は9300系と同じで扉間4脚で両端は固定です。
 窓配置は、通勤電車と全く同じですので外観のみでは気づきにくいです。番号で要確認です。なお、最近は、リニューアル工事の進行とともにこの数を減らし始めています。c#8006とc#8007はロングシートに改造されてしまいました。このクロスシートは絶滅危惧種といえます。

京とれいん雅洛


 この車両は、純粋の通勤電車から観光電車に改造された車両です。かつては今津北線を走っていました。それを、大胆な改造で京風をアピールしています。なお、クロスシートといっても固定式のボックスシートです。ほとんどは土休日での活躍になります。

右端の丸い窓のところに箱庭があります


京風の車内


車内に箱庭があります。

今後


 京都線用の座席指定車両です。かなり注目の的です。1年~2年後のデビューです。さまざまな憶測が飛んでいます。新車になるのか、改造車両になるのか?楽しみです。

まとめ


・阪急のクロスシートは京都線中心
・今の、京都線特急車両は3扉転換クロスシート車両の9300系
嵐山線用6300系。かつての京都線特急用。
神戸・宝塚線用8000系(絶滅危惧
・土休日には、7000系「京とれいん雅洛」
・今後の座席指定車両

関西へお越しの鉄道ファンの方、是非阪急のクロスシートの旅をお楽しみください。


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