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【保存会直伝】郡上踊り、覚えるときに意識したいポイント



こんにちは!高尾可奈子です。


先日、人生初の民俗芸能の講習会に伺う機会があり、、

それは関東圏のとある郡上踊りの保存会でした!



そこで、生き字引の保存会の方に、手取り足取りで振りの動きの意味から細かなポジションまで、教えていただくという、非常に価値のある時間をいただくことができました!



直伝していただいたい知識と動きを忘れてしまっては勿体無い!!!そう思い、断片的ではありますが、記録として踊り方のポイントをここに残ります!



口から口、目から目、動きから動きというように、無形で伝わる民俗芸能、風流踊り、盆踊り、郡上踊り。

なかなか文字にするのが難しく、表現の言葉の認識違いや、ミスもあるかと思いますので、あくまで絶対ではなく、1人の人間が習った健忘録としてお使い下さい。






全体を通しての動きについて


・手は腰から背中側にはやらない。流すときも、落とすときも、前側の見える範囲にとどめる。動作が流れるように意識する。

・手をたたく動作は、拝むという意味がある。
軽く流すのではなく、心を込めて前寄りに出してしっかりとたたく。

・身体の角度を45度90度正面と変えて、きちんと向きを見せることが大切。

・混雑していて場所が取れないときは、両手を開く動作はその幅を狭くして、高さは高くをキープする。

・足を上げるときは基本は、足裏はつま先を高く上げる意識。

・握った手を水平に広げる動作では、顔からの距離を遠くしたまま、見えるように強く拳をクロスさせて開く。

・楽器の奏でるリズムではなく、音頭取りの囃子に動きを合わせる→自ずと動きのタイミングが遅くなる(歌詞の意味に沿って動く)

・手を広げるときは、前の動作の高さで目線の高さに高く水平に。


①古調かわさき


田植えの時、先の長い履き物を履いて動く動作。

・足は外股で、前に滑らせる運び(フラップ)

・拳の手は、毎回肩より高く上げて下す。



②かわさき


郡上踊りのなかでも最もよく踊られる


・3回、かざしで進む動作
左足を進行方向に半歩真っ直ぐ出す→外回しで左手をかざす仰ぎ見ると同時に右足を「そのポジションで」強く「つま先」を置く→右足左足も繰り返す→左足右足も繰り返す

・3回、水平で手を左右する動作
右足をちょうど両足のポジションの真ん中円心向きに出す(手は水平右だけ曲げ)→左足を揃えて手は水平左だけ曲げ→左足を下げて手は水平右だけ曲げ

・右足を揃えて、手は目線の高さで45度の綺麗な山をつくる

・手をそのまま水平に高く広げて、左足を横に出す

・右足を浮かせて、顔の高さで2回手をたたく
⭐︎軽く「チョチョン」のリズムではなく、「トントン」としっかりたたく。

・浮かせた右足を右側に置いて、手は水平に高く広げる→左足を右足に添えて、お腹の位置で一回手をたたく

・叩いた流れそのままに(一連の踊りの流れをスムーズに)はじめのかざしから繰り返す


③げんげんばらばら


・浴衣の袂を手招く動作がポイント

・身体の向きが45度左右に綺麗に切り替わる

・前傾になるところでは後ろ足の蹴りの高さを高く


④春駒


馬の手綱を引く人と、馬自身両方の動きが組み合わさる。

・身体を円心から右「45度」の角度に向けて、顔前で拳をクロス→右足を斜め45度に出しながら拳も水平に開く×2回→身体を円心から左「45度」にして左も同様の手足の動き

・身体は左「45度」のまま、右足を身体前に踏み込む→身体をできるだけ前傾に倒して、左足を「高く」後ろに蹴り上げる→身体と足を戻して右足を浮かせて跳ねながら一回手をたたく

・身体を「円心向き」にして、左足踏み込みで上と左右反対の動作


⑤三百



・左足を横に広げて外股腰下げて両手田植えの動作

・前方で手を叩く→左足を下げながら手を水平に開く→右足を揃えて手を前方でたたく→右足を前に出しながら手を水平に開く→左足を揃えて手をたたく

・手をたたきそのまま左前下に流す、もう一度右上から左下に流す(足は左右左右と左へ進む)

・前方で手を叩く→左足を下げながら手を水平に開く→右足を揃えて手を前方でたたく→右足を前に出しながら手を水平に開く→左足を揃えて手を前方低めにたたく

・両手拳を腰前に添えて、左足を進行方向に出す→右足をスキーのように揃えて右拳を肩の高さに上げる→左右反対で繰り返す

・拳のまま2回左下に流す


⑥猫の子


・右足を円心に出して、左足を揃えて膝をしっかり「曲げて」前に手を叩く→左足を進行方向あたりに出して、右足を揃えて膝を「曲げて」前に手をたたく→もう一度右足叩くまで繰り返す

・3拍で左に横移動しながら、猫の招く手の拳の動作

・右手拳を肩上に上げながら右足を前上に滑らせる(フラップ)→左側も同様に繰り返す

・両手拳で左下へ流す×2回



⑦まつさか


・右足を円心に出す→左足を揃えながら、目の前高さで手を前方に叩いて高さそのまま水平に広げる
⭐︎このときできるだけ「低く」膝を曲げる

・左足を斜め後ろに引く→右足を揃えながら、手を叩いて左下へ流す

⭐︎右足はいったんしっかり「置く」場合と、置かずにそのまま前に出す場合と、二通りある。

・右足を前に出して左足を斜め後ろに置く(手は揃えて左下へ流す)





以上、全体を通しての意識したいポイントと、それぞれの囃子曲での動きのポイントでした!



様々な要素が出てきましたが、一番大切なことは、、何のために踊るのか。



これは、郡上踊りに限らず、日本の舞踊、世界の踊りにも通づるものです。


人が踊りを始めた古代、先史時代から、踊りは意味を伴っています。

現代の私たちは、伝統を知って受け継ぐんだという強い心意気の人もいれば、楽しいから何となく踊っているとか、仲間がいるからという理由もあるでしょう。


それでも、踊り続ければ、最終的には何のために踊るのかに行き着きます。


一ヶ月近くかけて長く行われる、郡上おどり。
お盆の時期には、徹夜で何日も踊られる。

なぜずっと続いているのか、何を願って踊られるのか、、そういう部分に思いを馳せて、地を踏み鳴らせば、きっとさらに素晴らしい踊りの世界をみることができるでしょう!!


以上、高尾可奈子でした!

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