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息子のことば。


新入社員の時、先輩から
「いいか、まず3日頑張れ。次は3週間、3ヶ月、3年…
3を区切りにして乗り越え続けていけば、一人前になれるからな」
と言われた。

1回目

2回目


そして、今3回目のnoteを書き進めている。
この荒波を乗り切れば一人前のnoteの住人になれるはずだ。
早く私もネット界隈でチヤホヤされたい。

これらの文章を気に入ってくれた奇特な方がいた。
かつて私がたまに足を運んでいた札幌の飲食店のOさんだ。
彼女は面白がってFacebookでシェアしてくれた。
その投稿にOさんの友だち、私とは面識ない方が反応している。
なんかnoteが引き起こした化学反応ぽい!
これが芋づる式に石油王とかまでつながって、
「キミ、なかなか面白いから油田をあげよう」
と言われるシーンが目に浮かぶ。
人生の勝利だ。

しかし、冷静にそこでのやりとりを見ていると、
当のOさんも私について、
「正直ここまで面白いと思ってなかったんですけどσ(゚∀゚ )ケケッ」
と書いていた(原文ママ)。
まあ、そうだろう。
超常連ならいざ知らず、
たまに来るような男が突然ワイングラス片手に
「最近オムツ替えていたらね…ウ●コを浴びたんですよ…」
とか低い声で語っていたら。
そんな客がいる店は嫌だ。
何よりOさんはそういう客をすぐ出禁にしそうだ。

また、Oさんは友人からの
「このnote書いているのは、どんな人なの?」という質問に対して
「見た目はマッチ棒w」と回答していた(原文ママ)。
ショックだ。
みんな、私のことをそういう目で見ていたのか。
いや、待てよ。
確かに15年くらい前、会社の先輩から
「東井は、美容院に行ったらマッチ棒取り出して、
『これと同じにしてください』って言うんだろ」
というパワハラを受けたことを思い出した。
あれ・・・、15年前からずっと私はマッチ棒だったのか。

良くも悪くもそんなリアクションがあるくらいに
2回目のnoteで出し切った感がある。
そう、内容通り出し切った。
2回目にしていきなり下ネタに走ったのはそういうことだし、
今回の前置きが長いのもその証拠だ。
もう期待しないでほしい。
この後は出がらしみたいなnoteになるだろう。
出がらしでも良ければ、どうぞ飲んでいってください。


さて、コピーライターに子どもが生まれると
真っ先にプレッシャーがかかるのはネーミング、いや命名だ。
産まれる前から、
「コピーライターだから、子どもの名前、
さぞやいい名前つけるんでしょ?」
と会う人、会う人みんなから半笑いで言われた。
なぜみんな半笑いなんだ。

フリーとしてそこそこの物量の仕事をこなしてきたので、
どのような類の案件でも
平均点以上を出すスキルは養ってきたつもりだった。
それがプロというものだ。
が、ここまでプレッシャーがかかる案件はあっただろうか。
周囲の期待に応えるのはもちろん。
何より巨大な壁を越えなければならない。
そう、妻という恐ろしい巨壁だ。
多くの登山家の挑戦を跳ね除けてきた
スイスの名峰マッターホルンのアイガー北壁ばりに踏破は困難だ。

そこで私は本気を出した。
結果的におよそ50案(正確には52案)を考え、
keynote(macのプレゼンテーションアプリ)にまとめ、
1案ずつ妻にプレゼンした。

結果はというと、
「この漢字はこういう別の読み方ができるから、
この案とこの案を組み合わせるといいんじゃないか」

という至極もっともな指摘を受け、案が決定。
クライアントから的確すぎる指摘を受けて
「ですよね〜!わかります、わかりますぅ〜!」
といって案を修正するコピーライターみたいな、
一番ダサいことになった。
まあ、結果として良い名前にはなったと思う。
色んな意味を含んでいるし、キラキラしていないし(大事)、
シンプルで覚えやすい。
何より50案考えたというプロセスが重要だった。
その誠意こそが、巨壁を動かしたに違いない。
(名前が気になる方は直接お尋ねください)

コピーライターとして次なる興味は、
息子が何を話すのかということだ。
言葉を徐々に習得していくプロセスを
間近で見られる機会はなかなかない。
どんな言葉が口から出てくるのだろう。

一歳過ぎたらあたりからそれは始まった。
妻を指して「マンマ!」と言い始めた。
さすがコピーライターの息子、
いきなりのダブルミーニングだ。
母であるマンマと、ごはんであるマンマを意味している。
(当時まだ卒乳していなかった)
もし息子がコピーライターになったらプロフィールには
「1歳からレトリックを駆使したという伝説がある」
と記載されるはずだ。

発した言葉が妻に向けられたものだったことについては、
「まあ、そうだよな。
まず習得すべき言葉としては順当だ。
お母さん大好きっ子だし。
自分の原点である母への感謝を示したということだろう。
素晴らしい!」
と思った。
そして、次は私の番かと期待が膨らむ。

やがて発せられた新たな言葉は、

「ニャーニャー!」

知る人ぞ知る、東井家の愛猫「みつ」のことだ。
ちなみに「みつ」の名前は、
フランスの香水ゲランのmitsukoから来ている。
みんなから褒められる小粋な名前だが、
これも妻による案だ。
東井家にコピーライターの居場所はない。
そんなみつは女性であり、息子の“お姉さん”にあたるわけだ。
「うんうん、そうかそうか。
動物を愛するその気持ち、素晴らしいな。
先輩後輩という上下関係をわきまえて、
先輩をきちんと立てる。
世渡りにおける的確なポジショニング、末恐ろしい!」
と思った。

そして、いよいよ、
いよいよ来たるべき時が訪れようとしている。
「『パパ』ってのはちょっと何ていうか
チャラい感じがしてアレだな。
『父さん』とかかな。
いや初めは『とーと』とか言われるのか。
成長に合わせて、パパ、父さん、オヤジ、とか呼び方変わるのかな。
それはそれで趣深いな…」
と感慨に浸っていた。

「マンマ」「ニャーニャー」の次に息子の口をついて出たのは、










「だいこん!!!」

彼の大好きな野菜の名前だった。

なお、本日時点で
父を指すであろう言葉はいまだ確認されていない。
心なしか、私を指して、
その白く太い野菜の名前を連呼することがある。
なぜだ。

そんな私の気持ちを慮って、
今回もイラストレーターの前田麦氏が挿絵を描いてくれた。
息子が私のことを呼ぶ念願の瞬間を切り取った一枚だ。









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ありそうで、怖い。

さあ、また1日が始まる。
今日こそは私を呼んでくれ、息子よ。



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