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ロボットの社会受容性は思ったより高い。そして、年配のほうが高い!?

ロボットみたいな新しい感じの技術の社会実装に取り組んでいると、「社会受容性」という言葉をきくことがたまにあります。

ざっくりいえば、ユーザやユーザの周りにいる人が新しい技術を受け入れてくれないと、なかなか社会実装が進まないということが背景にあるんだと思います。

今週のnoteは、この社会受容性について調べた調査があったので、そちらを見てみます。意外とロボットの受容性は高い!!ということで、言い訳せずに頑張らないといけないですね。笑

科学技術に関する国民意識調査

大規模な調査をしていたのは、文部科学省 科学技術・学術政策研究所。
2020年に「科学技術に関する国民意識調査 - 新技術の社会受容性 -」という調査を行っています。

調査自体はコロナ前の2019年に10代から60代までの3000名にインターネットで調査をしたというものなので、コロナを経験した今は少し結果に変化が出ているのかもしれません。

新技術として調査対象になっているのが、ロボット系の話から携帯電話、ナノテク、ゲノム、自動運転、量子技術、遺伝子組み換え、小型モジュール炉、仮想通貨などということで幅は広い感じになっています。

結果を並べると、以下のような感じです。
グラフで囲われているものが統計的に差がある項目です。

男女による分析(引用:科学技術・学術政策研究所
年代による分析(引用:科学技術・学術政策研究所)
専攻分野による分析(引用:科学技術・学術政策研究所)
子供の有無による分析(引用:科学技術・学術政策研究所) 

切り口が性別、年齢、専攻分野、子供の有無というのが興味深いところがあるのですが、本題から外れるのでいったん置いておいて、結果をまとめると、
ロボット系の技術は、
・社会受容性は約80%と他の新技術と比べると高い(ロボット手術のみ50%と低め)
・社会受容性の男女の差はない。ただし、ロボット手術だけは男女で約20%くらいの差。
・世代による受容性の差は統計的にはない。ただし、ロボット支援、ドローン配送、ロボット介護は世代が上がるほど、受容性が上がっているような結果。
・受容性の専攻分野別の違いも基本的には少ないが、ロボット手術に関しては、自然科学・工学を専攻している人の受容性が高い
・子供の有無によって受容性の違いもない
というような結果になっています。

この中で意外だったのは、
・そもそもロボット系の技術の社会受容性は他と比べると高い!
そして、
・統計的な差はないももの、年を取った方のほうが、受容性が高そうになっている
の2点でした。

特に後者は意外で、勝手な印象として、年配の方のほうがロボット化に対してはネガティブで、若者ほうが受け入れているのかと思ってました。偏見でした。スイマセン!

配膳ロボットに関する消費者の意識調査

科学技術・学術政策研究所の調査ではありませんが、配膳ロボットの事業を行っている株式会社DFA Roboticsが2023年に「配膳ロボットに関する消費者の意識調査」をZ世代(18~26歳以下)、X・Y世代(27~58歳)、シニア世代(60歳以上)のそれぞれ111名に対して行っています。

調査対象が月に1回以上、単価7,000円以上の飲食店に行く人ということなので、若手には少し厳しい条件な気もしますが、科学技術・学術政策研究所の調査と同じように、配膳ロボットに「抵抗感がない」割合、Z世代は41.4%、X・Y世代は44.1%、シニア世代は49.5%と、年配の方のほうが受容性が高くなっています。

株式会社DFA Robotics「配膳ロボットに関する消費者の意識調査」

面白いな~と思ったのは、どの世代であっても、抵抗を感じない理由は、円滑な店舗の運営に必要という理由が最多になっていて、未来感とかそのあたりの理由よりも現実的な理由で抵抗を感じないということでした。

とは言いつつも、以下の回答をみると、本当は人による接客が良いということも本音のようで、年を重ね、社会の状況などを理解し、ロボットの活用も経済活動維持には必要なことは重々わかるけども、本当は人による接客が良いんだというのが本音ということになるのかもしれません。

株式会社DFA Robotics「配膳ロボットに関する消費者の意識調査」


というわけで、今回は社会受容性について書いてみました。

社会受容性を大事にすべきだという話もよく言われますし、逆に価値があるものができれば結果として社会に需要されるので、あまり意識しなくてもよいのでは?みたいな考え方も聞くことがあります。

鶏卵問題みたいな感じかもしれませんが、結果としてしっかり社会に入っていくように頑張っていきましょう~~

では、また来週~!!
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安藤健(@takecando)
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