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読書感想文㉗

 今回の読書感想文は前回に引き続きオードリー若林さんの著書『ナナメの夕暮れ』について書きます。

 若林さんの本はこれで3冊目になりましたが全く飽きることなく、むしろ読み進めていくうちに「若林正恭」という人をどんどん理解できていくという感覚がありました。
 もちろん本に書かれているのは若林さんのほんの一部であって、本を読む程度では人間を理解できたことにならないことは分かっています。
 3冊に共通していたのは(あくまで僕の感覚ですが)若林さんの本音が書かれていたことです。「ラジオやテレビでは言えないが…」という文もありました。
 本音が親近感や理解に繋がったのだと思います。

 この読書感想文では、『ナナメの夕暮れ』の中で印象に残った部分2つについて書きます。

1、ナナメの殺し方

 若林さんは自身を「自意識過剰」と認識しています。

 誰も見ていないのは知っているけど、自分が見ているのだ

と書いており、ここでの「自分」は他人を心の内で散々バカにしてきた正真正銘のクソ野郎だとしています。他人をバカにすることで他人を価値下げして自分を肯定しようと画策していたのだと書かれています。

 誰かに“みっともない“と思われることが、怖くて仕方がないのである。
 そうなると、自分が好きなことも、他人の目が気になっておもいっきり楽しむことができなくなってしまう。(中略)
 他人への否定的な目線は、時間差で自分に返ってきて、人生の楽しみを奪う。

他人を価値下げして自己肯定する
 ↓
他人の目が気になって夢中になれない
 ↓
生きてても全然楽しくない
 ↓
他人を価値下げして自己肯定する
 という地獄のスパイラルに突入すると言います。

 このスパイラルから抜け出す方法として、若林さんは「好きなことを発見すること」を紹介しており、自分の好きなことが分かると他人が好きなことも尊重できるようになると書かれています。

好き=好きなことがある
 ↓
肯定=世界を肯定している
 ↓
世界が好き
 という三段論法が成立するそうです。

 ネガティブな時間から逃れられる人生の隠しコマンド、それが“没頭”である。僕のようなネイティブ・ネガティブが人生を生き抜くには、没頭できる仕事や趣味は命綱と同等の価値がある。

 以前に「ネガティブな気持ちは暇なときに生まれる」という事を学んでいたので、すっと理解することができました。
 去年から手帳に予定を書き込み始めているので、今年も手帳を買いました。まだまだ真っ白ですが、12月に振り返ったときに今年は没頭していて忙しかったといえるようにパンパンに埋めていきます。

 この章の最後には、次のように書かれています。

 世界の見え方は、どんな偉人でさえ、悪人であれ、思い込みに他ならない。肝心なのは“どう思い込むか”である。
 自分の生き辛さの原因のほとんどが、他人の否定的な目線への恐怖だった。その視線を殺すには、まず自分が“他人への否定的な目線”をやめるしかない。
 グランデという人を否定するのをやめれば、自分がグランデと言っても否定してくる人がこの世界からいなくなる。
 否定してくる人がいない世界なら、朝気持ちよく起きることも全然可能なのだ。

2、どう認識するか、どう思いこむか

 上記の通り、肝心なのは思い込みです。この本には「物事をどう認識するか、どう思いこむか」についても書かれています。

 ぼくは、世の中の成功者が書く啓発本の「挑戦しなさい!」という言葉は強者の論理感が強くて嫌いだ。
 でも、精神論ではなくてデータの総量の増大という意味での挑戦の大切さのことなら納得できる。
 それには“今”をデータの総量のお披露目の時期か、データの総量の採集の時期と認識するかで心持ちもだいぶ変わってくるだろう。
 これからはスベったら「データの総量の増大に繋がったな」と自分に言い聞かせて乗り越えることにする(仕事の総量は減るかもしれないけど)。

 僕は自分のことをネガティブな人間だとは思いません。ただ、ポジティブな人間でもないと思います。僕は「どっちかというとネガティブ」というぐらいの人間です。
 自身をネイティブ・ネガティブだとする若林さんの言うことにすべて納得できたわけではありませんが、人に対して否定的な目線を持つことはやめようと思います。
 僕もスタバでグランデを頼みたいので…

 まだデータの総量の採集の時期であることを意識して、今年も様々な挑戦をしていきます。

 読んでいただきありがとうございました。

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