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36.午前三時のルースター

 僕が尊敬してやまないインフルエンサー?トレーニー?のAKIOBLOGさんがYouTubeの動画内でおすすめしていたので読んでみました。

 AKIOBLOGさんは、上記の動画の中で小説を読むメリットとして「自分の中の宗教、WHYの思想がより色濃くなる」と表現していて、その言葉がどしんと胸に響きました。

言葉をうまく扱える人になりたい

 少し話が外れてしまいますが、僕自身が本を読む理由はこれです。
 「一日が24時間であること」、これは全員が平等に与えられている権利として、よく挙げられています。僕は「時間」だけではなく「言葉」も全員に与えられている権利であり、個々人の吸収と活用次第ではスキルとして向上させることも可能だと考えています。
 様々な記事や本、雑誌を読んでいると「誰が何をどのように言うか」が大事だと感じます。内容や話す主体と同様に「どのように」も大きな要素なのではないでしょうか。

 「どのように」の質向上には、アウトプット時のピンポイント言語化(気持ちや想いを寸分の狂いもなく表現すること)が求められると考えています。スポーツシーンにおいて、言語化の大切さをよく耳にしますが、言語化はスポーツだけではなく日常生活の中でも生かせる力です。そんな言語化能力を高めるための最適なソリューションが「読書」だと考えます。自身の考えをピンポイントで表現するには、四字熟語やことわざなどの言い回しや形容詞、横文字など、様々な知識が必要になります。読書は知識吸収、表現吸収という面で費用対効果が非常に高いと言えるのではないでしょうか。

 だから僕は読書をしています。

 話を本題に戻します。

『午前三時のルースター』は垣根涼介さんの処女作であり、2000年にサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞しました。
 旅行代理店に勤務するおれ(長瀬)が、得意先の社長の孫 慎一郎のベトナム旅行に付き添い、慎一郎の父親捜しを手伝うというストーリーです。ハッピーエンドで終わるわけではありませんが、読了後の何とも言えない爽快感は病みつきになりそうです。また、登場する人物(特に慎一郎の父親)のハングリー精神とバイタリティ溢れる考え方は自身に取り入れたいと感じました。そんな慎一郎の父親の言葉を載せておきます。

「動かせる明日が、ここにあるからだ。」

 慎一郎の「やがて父さんの今の生活も日本でのように色褪せて、虚しいものになってゆくとは思わないの」という質問に対して、父親は「そうはならない」と答え、その理由として発した言葉です。

 自分にとって、動かせる明日はたくさんあります。むしろ動かせない明日がなかなか思いつかないという恵まれた環境にいることに気付きました。
 就職活動を経て、来年度からは社会人として働きます。動かせる明日に希望を持ち、ハングリー精神とバイタリティ溢れる人間として生きていこうと思わされる本でした。

 読んでいただき、ありがとうございました。



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