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読書感想文⑦

読書感想文第7弾は、『THE TEAM 5つの法則』について書きます。

本を読む前は、「チーム」を励ます熱い言葉など、精神論中心の本かなと思っていましたが、10ページも読まないうちにいい意味で覆されました。
思っていた内容とは違ったけど、学生、経営者、主婦、誰にとっても参考になる本だと感じました。なぜなら、誰しもがチーム(チームの定義は下にかいてあります)に所属する機会があるからです。
今の生活に不満がある人は「チームの法則」に則ることで改善できることもあると思います、ぜひ読んでみてください。今の生活に不満がない人も、さらにチームをよくするためにも、ぜひ読んでみてください。

この本では前提として、チーム『共通の目的を持った2人以上の集団』と定義しています。共通の目的を持たない集団は、グループだとしています。
そしてチームをそれぞれの特徴(環境の変化度合い、人材の連携度合い)によって4つのタイプに分類し、タイプごとの最適解を提示しています。成功した一例を取り上げて絶対解を提示しているわけではないので、読者一人一人が自分の所属しているチームに当てはめて、活用できるよう工夫されているなと感じました。また、この本では「5つの法則」はリーダーだけが実践すべきものではなく、チームに関わるすべての人が実践すべきルールであるとしています。

また、チームを「精神論」や「経験則」ではなく、学術的背景を紹介するなど、理論的かつ体系的な法則で解き明かしていることで、再現性をもって活用できる内容になっています。確かな学術論文が紹介されていることで説得力もあるので安心して読み進められるし、とても読みやすい内容だったと思います。

構成は、
はじめに 売上、時価総額を10倍にした「チームの法則」
第1章 Aim(目標設定)の法則 『旗を立てろ』
・第2章 Boarding(人員選定)の法則 『戦える仲間を選べ』
・第3章 Communication(意思疎通)の法則 『最高の空間を作れ』
・第4章 Decision(意思決定)の法則 『進むべき道を示せ』
・第5章 Engagement(共感創造)の法則 『力を出し切れ』
最終章 チームから組織へ
終わりに
となっています。第1~5章は、method(法則)、episode(具体的事例)、Action checklist(チェックリスト)から構成されており、巻末にはTheory(学術的背景)が紹介されています。理解→イメージ→実践が分けて書かれているため、理解しやすい構成になっていると感じました。

本を読んでみて、チームにはABCDE(Aim Boarding Communication Decision Engagement)に関する5つの法則はどれも重要だと感じたので、第1~5章でそれぞれ印象に残ったことを書いていこうと思います。

印象に残ったこと(Aim) 意義目標の重要性

行動目標→振り返り評価
   ↓
成果目標→MBO(Management By Objectives)
   ↓
意義目標→OKR(Objectives and Key Results)
チームにおいて設定する目標には3段階あり、ビジネスにおける目標設定は行動→成果→意義と、時代とともに重視される目標が変化してきた。現在重視されているのは、意義目標に基づく「OKR(創出すべき成果と実現すべき目的や意義)」である。意義目標を持つことで、メンバーは自ら生むべき成果や、取るべき行動について意思を持つことができる。

といったことが書かれています。また、「目標を確実に達成する」ことも大切だけど、「目標を適切に設定する」ことも大切だとも書かれていました。本当に共感することができました。
大小問わず、今までに設定してきた目標は、思い付きや一時の感情の起伏に影響されていたことに気づきました。深く考えずに思いつく目標は、行動、成果(数字など)レベルだと思います。
無鉄砲な目標に向かってがむしゃらに頑張ることも時には必要かもしれないけど、自分の能力、時間、周りの環境などを踏まえて、深く考えたうえで、まず意義目標を設定する必要があると気づきました。

印象に残ったこと(Boarding) 採用はYシャツの第一ボタン

これは、「採用がうまくいく→他がうまくいくかわからない
     採用がうまくいかない他がうまくいくはずがない」ということをYシャツの第一ボタンに例えたものです。ここでは、チームをその特徴(環境の変化度合い、人材の連携度合い)で4つのタイプに分類し、どのようなメンバーを採用したらよいか最適解を提示しています。
現在は、人を集めてチームを作るという機会は滅多になく、活かすのは難しい状況です。でも、このまま順調にいけば2年後には所属している部活の中で主務になるはずなのでその時に存分に生かしたいと思います。難しいとは言ったものの、小さなチーム(共通の目的を持った2人以上の集団)は工夫すれば、作ることができると思うので小さなところからチャレンジしていきたいと思います。

印象に残ったこと(Communication) 効果的な連携にはコミュニケーションが不可欠

ここでは、「チーム内のコミュニケーションは簡潔なほうがいい」という誤解を解き明かしています。ネガティブな感情を持っている人に対して「何を」伝えるか工夫しても意味がないという事です。つまり、コミュニケーションのおいては「感情」が重要な要素になるのです。コミュニケーションがうまくいかないときには、「何を」ではなく、「誰が」「どのような立場で」伝えるかを工夫する必要があるとしています。心理的安全な場で、理解されている人とのコミュニケーションがベストなのです。
大手の企業でも心理的安全を配慮したコミュニケーションが行われているそうです。それほど重要なのだと思います。心理的安全に支障をきたす原因として無知、無能、邪魔、批判的だと思われる不安があると紹介されていました。今僕が作れるような小さなチームでは構成するメンバーが互いを理解し、少し工夫するだけでも効果はあると思うので本に載っていた具体的な対処法を試してみたいと思います。

印象に残ったこと(Decision) 「正しい独裁」はチームを幸せにする

意思決定の方法には、合議、多数決、独裁がある。注意しなければいけないのは、独裁とは必要な意見と情報を聞いたうえで決めることであるという点である。独裁で大切なのは、決定者が孤独を恐れず強く速い意思決定をすること、メンバーが決定を理解して成功にしようと実行することだ。
影響力の源泉は、専門性、返報性、魅了性、厳格性、一貫性である。

といったことが書かれています。「独裁」と聞くと、民主主義国家である日本で育ったためか悪いイメージを持つ人も多いかと思います。自分もこの部分を読むまではそう思っていました。しかし、独裁をすることで時間を短縮できたりいいこともあるのです。決定後の行動が重要になるので、決定自体は、正しい・良いよりも強い・速いを意識すればいいという内容でしたが、合議や多数決のほうがいい場合もあるので、バランスが大切だと思います。

印象に残ったこと(Engagement) 今の人は『感情報酬』で動く 

現在、多くの人は給料をもらうためだけに働いているわけではなく、精神的な豊かさを求めているという事です。企業はエンゲージ(直訳は婚約、この本ではチームに貢献しようとするモチベーションを指す)を高める軸を絞ることで明確にし、魅力を高める必要があるとしています。
働き方が刻々と変化している現在、人を集めるには、いくつかのほどほどの魅力より、1つの他社を圧倒するほどの魅力が必要だと書かれていましたが、就職活動においては逆も言えると思います。すべての能力をほどほどに持っていることよりも、他の能力も最低限は持ったうえで1つの秀でた能力を持つ人材が必要とされるようになると思います。なぜなら、この本の第2章にも書かれていた通り、ビジネスの短サイクル化、ソフト化によって駅伝型(均質、固定的なメンバーで構成)よりサッカー型(多様、流動的なメンバーで構成)のチームが求められているからです。

とても長くなってしまいましたが、読んでくださりありがとうございました。本当に面白くてお勧めしたい本なのでぜひ読んでみてください。

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