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ZOZOスーツから見る未来-合理的で多様な世界を生き抜く手段を考える-


このツイートをしたのはnoteを始める約2ヶ月前。

建築情報学とは、簡単には説明できませんが、テクノロジーがより進化した時に生まれる建築を目指す分野として最近生み出された学問です。


よくテクノロジーが進化すると合理的な世界に向かうと言われます。しかし僕がテクノロジーに出会った10年前に危惧したのは、テクノロジーは合理的でありながら多様な世界を生み出し得るという事実でした。

例えば建築で言えば、スタディー模型と呼ばれるお試し模型をたくさん作ったり、設計図を事細かに現場で調整するなど、職人に近いような作業を経て1つの建築物が完成します。

しかしテクノロジーが進化すると、そんな非合理的な作業をすっ飛ばして建築物を作ることが可能になる可能性があります。

僕が学生時代に衝撃を与えられた慶應義塾大学 環境情報学部 准教授の松川昌平先生は 人工知能建築家「アーキロイド」の開発に携わられています。

この人工知能建築家の説明の中に

人工知能建築家「アーキロイド」は、建築家の設計した住宅から独自の評価システムを用いて算出した定量データライブラリをもとに、深層強化学習を用いて住宅の設計を行うことで、住宅産業におけるマスカスタマイゼーションを実現する。これまでの”nLDK”といった空間の要求に加え、「安藤忠雄氏の“住吉の長屋”のような空間が欲しい」といったように、空間構成の特徴も要求することができるようになる。

さらに

データベースに登録された建築の空間構成データから、建築家独自の創造性を学習することで、建築家が設計するようなアクティビティを誘発する空間の生成を行う。最終的には、不動産会社のホームページで物件を検索するように新築住宅を検索するWEBサービスの提供への展開を目指す。


僕はこの世界を10年前にリアルとして感じ、これからの建築家やデザイナーの職能を創造する仕事を目指してきました。

冒頭のツイートにもあるように建築という分野に「絶望」を感じ、挑戦を決めました。

建築という世界を新しく創造しなければという思いでした。


ZOZOスーツは10年ぶりの衝撃


現在、KURA COCOLONOでは「アナログコンテンツ」「テクノロジー融合」「メディア」「日本的観光」「海外展開」をメインにメンバーで日々勉強し、これからの時代を仲間で生き抜いていく準備もしています。

その中でメンバーである香川芳樹(KAGAWAYOSHIKI / DESIGN)が ZOZOスーツで自分の体をデータ化してきました。

色々話を聞いているうちに、10年前にテクノロジーに出会った時と同じような衝撃を感じました。

自分という体をデータ化することで、合理的でしかも多様なデザインをユーザーは楽しむことができます。

大量に提供できるのに「あなただけのデザイン」を可能にするのです。

ZOZOスーツのことは噂には聞いていましたが、ちょっと武者震いしてしましました。


武者震いの理由


僕がオーナーを務める体験型実店舗「KURA COCOLONO」で展開しているコンテンツには「言葉にならない」「データしにくい」というテーマもあります。

そして非合理的だけど、テクノロジーにコンテンツを奪われないことも重要視してきました。


蔵をリノベーションする時のコンセプトにもレヴィストロース「野生の思考」をヒントに、なるべくその地域でしか手に入らない素材を使うことで、そこにしか存在しえない、データ化しにくい建築を目指しました。

KURA COCOLONO内部

「ここでしか」を意識しています。


現在はまだテクノロジーが進化したといっても、生産の技術的なことや実際に生産するための機械が追いついていなかったり、バランスがよくない状態だと考えています。

でも3Dプリンターなど技術的なことなどが解消されていくと、一気にものづくりの世界やサービスも含め世界は激変すると考えています。

ZOZOスーツはその激変した先の世界を具体的に見せてくれました。


例えばあなたの手がデータ化されたら・・・


どんなことが可能になるでしょうか。

現在3Dプリンターで陶芸の成型が可能になりました。

あなたの手をデータ化することで、あなたが最高に使いやすいコップ、お皿、お茶碗などを制作し、amazonで買い物をするように簡単に「あなただけの陶器」を購入することが可能になります。

そしてデザインはこれまでに作られてきた過去のデザインをデータから選び、あなたにお届けすることができるのです。

これは陶芸に限ったことではありません。

椅子、車、家に至るまでZOZOスーツの仕組みを使えば、あなただけなのに多様なデザインを供給することができるのです。

でも先ほど言ったように、まだ生産となると問題が山積みです。だから現実味がないかもしれませんが、明らかにコスト削減や消費者のストレスを減らすことを考えれば実現されると考えています。

以前、AR・VRがもたらす世界の記事にも書きましたが、消費者が持つストレスはテクノロジーでどんどん解消されていくと思います。


そんな時代を生き抜くために僕が目指すもの


僕はnoteでその「目指すべきもの」について多くの記事を書いてきました。

気になる方はぜひテクノロジー時代を生き抜く手段というマガジンをフォローしてください。


既視感のある言葉が並ぶかもしれませんが、テクノロジー時代を生き抜くために個人的に目指していることを箇条書きで書かせていただきます。理由は長くなるので他の記事で推察してください。


・仲間や家族を1つの個として考える
・普遍に近い自分だけの価値を持つ(ブランド化)
・データ化しにくいコンテンツを創造する
・地方に居場所を作る
・今の職能に囚われない
・海外を意識する
・ナショナリズム、日本の伝統文化を自分で咀嚼する
・オリジナリティを追求する
・変化を受け入れる(普遍と変化の融合を目指す)
・与えられてから創造する
・そこでしか、その人からしかできない体験を伴う

もっとある気がしますが、この辺で。


悲観すべき未来予測がたくさん存在しますが、僕は悲観すべきであればあるほどワクワクしています。

やれること、挑戦できることが多いということは楽しい人生だと思っています。


竹鼻良文/TAKEHANAKE代表

TAKEHANAKE design studio HP

TAKEHANAKE BRAND


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