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コンテンツ表現のわかりやすさ、という条件


先日ツイッターのタイムラインにこんなツイートが流れてきました。

若者が選挙に行かないことが問題視されるようになり、ついに政党の選び方まで簡素化されたのか!と驚きました。若者の政治への興味の導入としてはかなり良いと思いますが、これを元に政党を選んで票を入れに行くのはおすすめはできません。

個人的な考えですが、このツイートから「もっと政治のことを調べよう!」と思った若者よりも「なるほど分かりやすい!」と感じ、そのままの知識で政党を選んでいる若者の方が多いのではないでしょうか。


中身は複雑、使い方は簡単

僕は学生時代、テクノロジー時代をどう生きるかを考える「NEO会」という会を立ち上げ、ほぼ毎日未来の社会やデザインについて議論を交わしていました。その中で議論になったのが多くの分野で「中身は複雑だけど使い方は簡単という仕組みが重要になる」という内容でした。

例えばパソコンはパソコンを構成する仕組みはとても複雑ですが、ユーザーにとってはとても使いやすく、今や多くの人の生きていくための必須道具となりました。さらに当時僕が例え話に出したのが、ホームページ制作がより簡単になっていくのではないかという予測でした。13年くらい前はプログラミングができなければホームページを作ることはできませんでしたが、今ではSTUDIOやWIXなど、誰でもある程度簡単にホームページを作ることが可能です。

中身は複雑だけど使い方は簡単という仕組み

こそが、どんな分野においても重要な要素になると予見していますし、その流れはもうきています。


13年前から今に至るまでの変化

僕が「中身は複雑だけど使い方は簡単という仕組み」の時代が来ると予測した13年前は「本やテレビの影響によって複雑に物事を考える世代」と「SNSによって簡単に物事を伝えたい世代」が混ざっているような社会だったと感じていました。当時はゲンロンが流行り始めた頃で、テレビ番組でも大阪を中心に放送されているそこまで言って委員会など、コメンテーターが難しい話をして、それに憧れた人たちが社会や国について議論するといった様子がよく見られていました。

僕が学んでいた建築分野でもその流れは顕著で、横文字を使って難しく建築を説明する建築分野に対して異論を唱える若い世代が出てき始めたのが10年くらい前からだと記憶しています。

その後、5年前くらいから「周りの友人たちは議論は一切しない」という20代前半の学生と出会うようになり始め、若い世代を中心に難しい話は人間関係を壊す可能性があるからしない社会へと移行したように感じています。

そして今、googleによって「あなたの興味」などが受動的に届くようになり、動画や音声のように勝手に情報が脳に入ってくる時代を迎えています。

この流れはSNSの普及により、多くの分野が混ざり合うことで、分野特有の説明の仕方や言葉に需要がなくなってきたことが要因かもしれませんし、円周率を3.14から約3にするような教育が少しは影響しているのかもしれません。

ナースあさみさんのこのツイートもよく理解できます。



YouTubeの変化とマンガの台頭

僕はYouTube歴12年なのですが、ここ数年で大きく変わったのが、YouTuberの多くが話した言葉に字幕を入れるようになったことです。音量が0でも何をやっているのか分かりますし、言葉を聞き取ろうとしなくても視覚で理解できます。ちなみに人間の視覚は感覚全体の7割を支配していると聞いたことがあります。

YouTubeもより分かりやすく、より伝わりやすく、が求められているのです。

noteでもマンガの記事は日に日に増えています。僕自身も難しいことを長い文章で説明されるよりもマンガで分かりやすく楽しく伝えてもらえる方が楽で助かります。

この流れも中身は複雑だけど使い方は簡単という仕組み社会においてはとても理解できることだと思います。


この流れは世界をどこへ向かわせるのか

僕自身、この流れがガラパゴス化している日本独特の状況なのか、そうでないのかは分かりかねている部分があります。

しかしどうやったらその世界を生き抜いていけるかについては日々考えています。

以前記事にも書きましたが、分かりやすいコンテンツというのはいつか必ず枯渇します。枯渇とは「飽きられる」や「飽和状態」を意味するのですが、例えばアニメも一時はサブカルと呼ばれる分野で需要があったものが、世界が認めるやいなや政治までもがアニメを利用するようになりました。それまでのアニメが持っていた深みは一部のものとなり、需要があるから生み出すという飽和状態を迎えています。情熱大陸という番組で、政治家がサブカルを利用しようとしている様子に対してTEAMLABの猪子さんが怒りを露わにされていたのがまさにそれです。

個人的な見解としては、例えば本業と副業でいうと、本業では社会の流れを理解しつつ分かりやすくその時代に需要を生むような仕事に従事しながらも、副業では未来への投資的な位置付けで、なるべく複雑な物事に対して伝わりにくいかもしれないけれど深みのある思考実験を繰り返すことが必要かなと考えています。

副業はサブカル化させる。それもありかもしれません。誰も見てくれないけれど、でも誰もいないからこそブルーオーシャンがあるのかもしれません。

ちなみにそんな状態に価値を生む方法論は以下の記事にヒントを書いておきました。

サカナクション山口一郎さんの言葉もかなり参考になります。

ぜひ未来への投資を楽しんでください。


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竹鼻良文/TAKEHANAKE


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