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竹美のホラー映画論

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ホラー映画について考えたこと、またそれに関連する作品の評をまとめました。
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記事一覧

竹美映画評98 加害性と悲劇性が交差する 『スケアリー・アパートメント』(”Malasa…

本当に映画を観る体力すら落ちて来ている気がする。ものすごく暑い。 とは言えなんか見ようと…

ホラー映画から見る現代社会④ 身体から脱走するSF、身体が追って来るホラー

昨今、同性カップルの子育てというトピックが日本でも目に入るようになってきた。 私は、自分…

ホラー映画から見る現代社会③ 弱者は「外」を恐れ「内」に籠る

ホラー映画で私がとても気に入っている部分は『隠しておきたいほど恐れている秘密』とその暴露…

竹美映画評97 サブコンテクストも美味。インドホラーの新しい傑作 ”Bramayugam”(…

そのうちマジで『ホラー映画で巡るインドの旅』という本を書きたいという企画を持っている。需…

竹美映画評96 韓国女幽霊映画と『エクソシスト』のマリアージュ 『너 또한 별이 되…

(ま、写真は月なんですけども…) 前回紹介した韓国映像資料院の2009年の季刊誌から見つけた…

韓国映画ファンにお勧め。韓国映像資料院~韓国ホラー研究の端緒

韓国の文化庁に当たる省庁の下部組織に「韓国映像資料院한국영상자료원」という機関がある。 …

ホラー映画から見る現代社会② みんなの『死者の書』を作り出すSNS

焚書事件に魅入られる元パヨク! 日本では『あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブームの悲劇』という本が批判にあい、刊行中止になった。 編集部の方たちも今回のことで学んでしまって、こういう企画に手を出すことは止めるかもしれない。そう最初は思った。 他方、出版業界で働く友達の意見はもっと冷静で、「まああのタイトルなら炎上必至」という見方だった。ちょっと反省した。 自分にとって関心が高く、尚且つ一般的にはあまり知られておらず、内部では紛糾して深い分断を

ホラー映画から見る現代社会① 悪魔が吐かせようとしている本音

昨年、「ソーシャルスリラーとホラー映画から見る現代社会」という連載をしてみたが、今度は、…

竹美映画評93 そっとしておいてくれる妖怪譚 『すみっコぐらし 青い月夜のまほうの…

最近、『すみっコぐらし』の最新映画が上映中で、内容はブラック企業を描いたホラー的な作品と…

竹美映画評91 悪魔と神がアメリカを再生させる 『The Exorcist: Believer』(2023年…

映画は、異文化や相容れない人々の世界を覗き込み空想するための窓である。 宗教保守主義と自…

サム・スミスと悪魔映画の楽しみ方

日本では公開されてからラッセル・クロウの新しい当たり役としてファンの間で話題になっている…

竹美映画評86 ヒステリーを起こしかけているアメリカ? 『フォーエバー・パージ』(…

今やホラー・スリラー映画のヒットメーカーであるブラムハウス社がライフワークのごとく続けて…

竹美映画評85 神経衰弱ぎりぎりの弱者たち『Bhoothakaalam』(2022年、インド(マラ…

(2023年6月23日:タイトル追記。観て直ぐ書いたので、何度か読み直すうちに、本作に出て来て…

家族ホラー2作品

『ホール・イン・ザ・グラウンド』と『The boogeyman』を続けて観た素敵な土曜日。ららら。本理想ですね。 ホール・イン・ザ・グラウンド("The Hole in the Ground"、2019年、アイルランド・ベルギー・フィンランド合作) 本作は『Evil dead rise』のリー・クローニン監督作品。長編は本作と『EDR』だけらしいけど、陰鬱な空気がとてもうまい。光の使い方と影の使い方も好き。純ホラーとホラーコメディを使い分ける匙加減ができるなんてすごい。キ