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えっ、神は公平だから無差別に雷を⁉️


梅雨の季節は空が不安定になる。
雲の上で戯れる神々には、
だいぶ電気が溜まっている。


ケメコはゴルフ場のグリーンにいた。

ゴルフのスイングをする際、
「ダルマさんが〜 コロンダッ!」
と言うリズムで、
いつもゴルフボールを打っていた。


その日も、ケメコはいつもの様に、
ダルマさんが〜、
のリズムでクラブを振り上げた。

その時、
ケメコは雷に打たれた。



人が雷に打たれる確率は
およそ77万分の1から100万分の1、
神々は雷を落とす相手を、
「情」では選ばない…。





さて、
ケメコは、しばらくの間、
生死を彷徨っていたが、
奇跡的に一命を取り留めていた。


ケメコのゴルフボールは、
カップに入らなかったけれど、

ケメコは雷に打たれ頭の中に、
「何か」が入った。


それは、
神か、悪魔か、
それともAIのような理性なのか、


いずれにせよ、

以前のケメコとは何か違う、
「新たな視点」が芽生えた。






日曜、
ケメコはNHKの大河ドラマ
「どうする家康?」につづき、
ニュースを、
人ごとのようにボ〜と眺めていた。

・無差別に集められた少年達が、
 無差別に選ばれた家に強盗に入った。

・自衛隊の射撃施設では、
 特に恨みがあったわけでなく、
 無差別に居合わせた人に発砲した。

・たまたま乗っていたバスに、
 ブタを積んだトラックが突っ込んだ。



ケメコには、
犯人の動機が理解できなかった。
そして、
無差別系の事件が、なぜ増えているのか、
理解できなかった。

どうしてそんなことするの?
何でそんなことが起きるの?
恨みとか、何らかの関係があるなら、
まだ理解できるけど、

無差別って…、
理不尽だし、
誰も防げないじゃない…。




すると、ケメコの頭の中で、
雷の後遺症?


芽生えた何かが囁いた。
「それは神の問いなの」
「えつっ?」

「さぁどうする人類?って、
神が人類全員に問うているの」


「ある種の人だけに事件が関係あるなら、
他の人は無関係な人、
ということになるでしょ?

つまり部外者、傍観者になるでしょ?
途端にリアリティ無くすでしょ?
でもね、本当に無関係だと思う?」


ケメコが返す、
「そりゃあ無関係でしょう!
だって…、」


「人類としてまったく無関係?」

「あぁ…、」




頭の中の雷は続けた、
「例えば、
・正いことをしていれば、必ず上手く行く?
・罪のない子供がなぜ亡くなるの?
・犯罪者だけに雷は落ちる?」


ケメコは少し同意した、
「まあ、悪いことばかりしていると、
幸せの確率は下がるとは思うけれど…、
正直いえば、まぁちょっと理不尽…、
完全な不公ではないかも…。」



さらに雷は言った、
「だから、神なんているの?って思うんでしょ?
神は愛に満ちた公平な存在だと思っているんでしょ?

でも、公平とは思えない世界を見ているうちに、
だんだん、神っているの?
って思うんでしょ?」



「う、うん、そう思いたくなるよねぇ、
ねぇ、いるの?…、神様って」


「いるよ」




「神さまは、公平なの?」
「神さまは、超がつくほど公平よ。

 無差別に祝福も災害も与えるの、
 それが公平でしょ?

 人間的な情や好き嫌い、
 私は関係ないから…、
 と言う傍観も許さないのよ。





では別の角度からも見てみようか、
もし選挙に行かないと、
無差別に殺されるとしたら、

国民のリアリティが上がって、
必ず投票に行き、

誰に入れるべきか真剣になるでしょ?
すると政治が、人ごとでなくなるでしょ?

棄権が認められている、
選挙制度自体に疑問も湧いてくるでしょ?




ケメコは言った、
「じゃぁ、無差別殺人が増えているのは……。 
無差別ってところに重要な意図があって、
傍観する集団に向けてやってるってこと?

それが増え続けてるってことは、
傍観者に対する怒りを、
ある意味、公平にぶつけてるの?

さぁ、どうするぅ? 人類! 
次は、あなたかもよって。



傍観者から抜けて、
知恵で協力して、何とか解決に向かうのか、
それでも神頼みして、人ごとにし続けるのか、

人類にリアリティを与えるために、
神々も、雷も、そして犯人も、
無差別に、災いを起こすってこと?





梅雨の季節は空が不安定になる、
雲の上では神々に電気が溜まっている。


今日もまた、
無差別に雷が落ちた。


人類が何かに気づき、
傍観する個人から抜け出して、
人類と言うチーム意識が芽生え、
そして行動を変えるまで、

神々は人を選ばず、
無差別に雷を落とし続けるのかも知れない、

人間的な考えを超えた、超公平さで。


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