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「デジタル看護入門」看護のDXに必要な100のポイント

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数年前から、「看護教育のDX」を研究テーマとして活動している筆者が、できるだけわかりやすく「看護とICT」について解説していきます。実際の看護学校で活用できるようなさらにポイント… もっと読む
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#看護学生

「デジタル看護入門」第11回 〜酸素飽和度測定器とICT〜

 今回は、ひとむかし前までは、一般的な患者さんのバイタルサインとしては、それほど測定されていなかった「酸素飽和度」いわゆるサチュレーションです。パルスオキシメーターが高価であり、まだあまり普及していなかった頃は、ICUなどの重症患者さんのベッドサイドモニターなどで「酸素飽和度」を測定するしか方法がありませんでした。ICT技術などの進歩により、パルスオキシメーターがコンパクトになり、体温計のように持ち運びができるようになり、そして安価になりました。今では看護師さんひとりひとりが

「デジタル看護入門」第10回 〜聴診器とICT〜

 聴診器は、日常的に医師や看護師さんが医療現場で用いられている、ごく身近な医療機器です。聴診器は、開発されてから、約200年ほどの歴史がありますが、実は今まで、あまり進化してこなかった、ある意味、めずらしい医療器具でもあります。といいますのも、おおくが患者さんの呼吸音や心音を直接、聴診器で聴診する方法に、あまり不便を感じていなかった部分もあり、聴診器を使用する医療従事者もある程度、限られていたため、あまり新しい技術の投入や、聴診器の改良などが行われなかったという背景があります

「デジタル看護入門」第9回 〜血圧測定とICT〜

 今回は、血圧測定です。これも看護師さんにとっては、ごく普通の看護技術かと思います。血圧測定も、バイタルサインのひとつでありますが、体温測定や脈拍測定とは違い、実際の血圧測定には、ある程度の訓練が必要であり、看護師をはじめとする、ごく限られた医療従事者でなければ、血圧測定はできません。少し特殊なバイタルサインであるといえます。  いまでこそ血圧計はアネロイド式が主流になっていますが、一昔前までは、体温計と同じく、水銀を使用した水銀柱型血圧計が一般的でした。「コロトコフ法」に

「デジタル看護入門」第8回 〜脈拍測定とICT〜

 今回は、バイタルサインのひとつであり、循環器系などでは重要な「脈拍」です。おおよそ看護師さんは、患者さんの手首にある橈骨動脈に直接触れて、脈拍を測定していることでしょう。自動血圧計や酸素飽和度測定器(サチュレーションモニター)などでも脈拍数が表示されますが、ほとんどの場合は、直接、いまでのアナログで測定しているのが、この「脈拍」かと思います。  最近、流行しているウエアラブル関連では、腕時計タイプのもので脈拍が測定できるものがあります。「心拍数」と表記しているウエアラブル

「デジタル看護入門」第7回 〜体温計とICT〜

 今回は、主流の電子式体温計と、コロナ禍で一躍有名になった非接触式体温計の2種類の体温計のメカニズムを解説します。  電子式体温計には、おもに「サーミスタ」という、温度が変わると電気抵抗が変化する電子部品が使用されています。この温度変化で抵抗値が変わる作用を電子回路により数値化して、体温測定時に、測定値を表示します。  測定方法としては、予測式と実測式の両方ができる電子式体温計がほとんどであり、実際の体温を測定する「実測式」の場合、ある程度の時間を必要であり、おおよそ数分