「5年後も、僕は生きています⑱「病気」であっても、「病人」にならない」
おはようございます。
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★肺癌ステージ4からの生還「僕は、死なない。」はこちらをご覧下さい。
2016年9月1日~2017年7月位までのノンフィクションです。
★「5年後も、僕は生きています」第1話から読みたい方は、こちらから読むことが出来ます。
ではでは、第18話です。
⑱「病気」であっても、「病人」にならない
2018年1月18日、CTと血液検査の結果報告と定期診察で東大病院に行きました。
体調不良が戦力外通告の日から3か月近く続き、2、3日前までひどい頭痛に襲われていました。
正直言うと、あまりの頭痛に脳腫瘍の再発を覚悟していました。
「残念ですが…再発しました」
井上先生のCTを見ながらの、深刻な顔。
あ~、やっぱり…
ため息をつく、僕…
僕はショックを受け止めるリハーサルまで、シュミレーションしていました。
大きな待合スペースから呼び出されて、診察屋の前の長椅子に座りました。
(よくある、こんな長椅子です)
椅子に座ると、ドキドキと心臓の鼓動が高まり始めました。
次は僕の番です。
再発してるかも…
いやいや、大丈夫だよ、きっと再発していない、大丈夫だって!
心臓が、ドキドキしてきました。
心は右へ、左へ、上へ、下へとぐるぐる落ち着きなく、揺れ動き始めます。
深呼吸をしても、ドキドキはおさまりません。
心臓の鼓動は、遅くなりません。
大丈夫、とか
考えるな、とか
自分に言い聞かせて落ち着こうとしても、緊張した状態は変わりません。
ビビ~ッ
手元の呼び出し受信機が、大きく鳴りました。
はっと、目を開けて、ブザーを止めます。
ほぼ、同時に
「刀根健さん、診察室にお入りください」先生の声が廊下にアナウンスで響きます。
いよいよ診察の順番です。
うわっ
来た!
心臓の鼓動は、もう自分でも分かるくらい大きくなっていました
僕は心臓の繰り出しす
ドクンドクン
という高鳴りを耳にしながら、診察室に入りました。
…
さあ、運命の瞬間…
「体調はどうですか?」
井上先生は、僕の目を伺うように、覗き込みました。
それは
「実は、検査結果がかんばしくありません…」
と続きそうに感じました。
「はい、実はあまり良くありません。CTの結果は、はどうでしたか?」
恐る恐る、、聞き返しました。
すると…
CT画像を見ていた井上先生は、拍子抜けするくらいに、いつもと同じ感じで言いました。
「ええ、問題ないですね。ほら、きれいなもんです」
そして、にっこりと笑いました。
え?
おお!
おお~!
やった!
なんと、問題なしだった!
ウソみたいだ!
こんなに、体調が悪いのに?
問題なし、なんて!
「ほら、見て下さい」
先生が指し示すCT画像には、前回よりもさらにきれいになった肺が写し出されていました。
腫瘍を疑っていた脳も、全く問題がありませんでした。
安堵感が押し寄せ、身体の緊張が一気に、どっとゆるみました。
「CTに写ったガンはもう霞みたいになってますね。きっとこれはかさぶたみたいなものでしょう。活動しているとは思えません」
井上先生の言葉を受けて、僕は、やっと確信することが出来たのです。
そう、それはステロイドをやめてから初めて、実感したことでした。
このダルさ、体調の悪さは、ガンとは関係ない。
僕の心配をよそに、身体はどんどん回復してきている。
僕はきっと、このまま、完治する。
いや、完治するに違いない、間違いない。
あの日(2018年1月18日)から4年。
2022年2月現在、僕の身体に「ガン」はありません。
分子標的薬「アレセンサ」は相変わらず飲んでいますが、「寛解」状態を保っています。
「僕は,死なない。」を出版してから、たくさんの人から相談を受けました。
今回書いたエピソードもそうですが、「ガン」になると身体の不調や痛みなど、すべて「ガン」と結びつけてしまいがちになります。
そして、いつも、つねに、頭の中を「ガン」に支配されがちになります。
ガンだ
ガンだ
ガンだ
私は、ガンなんだ
そう、私はガン患者なんだ!
ガン
ガン
ガン
ガ~ン!!
患者という字は、漢字で書くと…
「心」を
「串刺し」に
された
「者」
と書きます。
そう、ガン患者は、ガンに心を「串刺し」にされてしまった人のことなのです。
「ガン」に人生を支配されてしまう…
頭の中は「ガン」の事ばかり。
不安と恐れと治療のことばかり。
以前(告知後~2017年6月8日、サレンダーを経験するまで)僕もそうでしたし、
このころの数ヶ月(2017年12月~2018年1月くらい)も、退職のことも重なって、かなりそういう良くない状態でした。
でも、でも、違うのです。
身体は「回復する自動プログラム」を持っています。
怪我して血が出ても、ほっとけば傷口はふさがり、治ります。
骨折したって、固定すれば骨はくっつきます。
大きな骨がくっつくんですから、小さながん細胞なんて、再発したってすぐに免疫細胞がやっつけてくれるんです。
それを邪魔するのは「思考」…なのです。
僕たちは良くも悪くも、エネルギーの存在です。
(僕たちはエネルギーという「雲」)
「思考」も「感情」もエネルギーです。
「身体」は思っている以上に「働き者」で、強いプログラムを持っているのです。
そのプログラムを、邪魔しない。
身体を「信頼」する。
あるいは、このプロセス自体を「信頼」する。
こんなに体調が悪くたって、再発じゃないんだ、って「信頼」すること。
再発なんて、ありえないでしょ、と「信頼」すること。
「病気」であっても、
「病人」にならないこと。
「恐れ」は思考の創り出す「幻想」です。
ほとんどの場合、「それ」は起こりません。
「恐怖」と「危険」は違うということ。
「危険」はその時に対処すればいいもの。
「恐れ」は幻想、フィクションです。
それ(恐れていた現実)がもし本当に起こってしまったとしたら、もしかするとそこにエネルギーを集中しすぎてしまって、その歓迎できない現実を引き寄せてしまったのかもしれません。
「恐れ」すぎて、その現実を創り出してしまった、という可能性。
身体を「信頼」しましょう。
「信じる」のではなく」「信頼」するのです。
「信じる」はまだ裏側に「疑い」がありますが「信頼」は安心して任せている状態です。
「任せて」しまって、あとは「忘れる」。
これが一番です。
僕は今でも毎月定期診察に行きますが、「任せて」「信頼」しているので「恐れ」はほとんど感じません。
ドキドキすることもありません。
まあ、それでももし万一再発していたとしたら、そのときに悩めばいいんですからね。
再発する前から「再発したら、どうしよう」と悩むのは、時間とエネルギーの無駄です。
明日、隕石が落ちてきて頭に当たったらどうしよう、宇宙人に誘拐されたらどうしよう、と悩んで眠れなくなるのと同じくらい、ナンセンス、無駄だと思います。
同じ時間を過ごすなら、やっぱり、機嫌良く。
意識のフォーカスを「病気」とは違う方へ向けましょう。
Be Happy!
日々好日。
毎日楽しく
好きなことをやりましょう。
楽しいことを、やりましょう
ワクワクする時間を、たくさん過ごしましょう。
ニコニコ笑いましょう。
好きな人と一緒の時間をたくさん持ちましょう。
体と心を、高周波の周波数で満たしましょう。
Be Happey!
日々好日。
なんたって、これがすべての『原点』だと思います。
⑲へつづく
★2021年新刊(2021年12月出版)
「さとりをひらいた犬/本当の自分に出会う物語」
大切なことは、全てこの本に書いてあります。
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