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魂は呼びかける

50年以上生きていると、色々なことが起こります。

それは喜ばしいことであったり、 歓迎したくないものであったり、認めたくないものであったり、 様々です。

僕の場合は、やっぱり一番大きかったのは『 肺がんステージ4』という出来事でした。

それが目の前にやってきた時、僕の自我(エゴ)は

「どうしてこんなことが、何も悪いことしてないのに、嘘だろ、信じたくない」

バタバタとうろたえて騒ぎ、 もがき苦しみました。

最近、ドイツの哲学者ハイデガーが言っていた「世人」と「現存在」という事を知りました。

「世人」というのは、いわゆる、社会とは、世の中とは、人生とはこういうものだ、と外部からの意見や信条、観念を取り込んで、それが正しく、全てであると信じ込んだことによって創られた自我(エゴ)の総体のことです。

「世人」とは周囲の人たちの模倣であり、自分が安全にこの世界を生きていくために学んだあらゆる手法のことです。

ハイデガーは、ほとんど大多数の人たちは明確な「私」というものを持っていなく、 こうした周囲と「同化」した「周囲や社会概念のコピー人間」であり「どこの誰でもない人間」 いわゆる「世人」 である、と言っています。

この「世人」という状態は、「ほんとうの私」が眠っている状態と言えるでしょう。

ハイデガーは この「世人」から「現存在」に立ち戻ることが大切と言っています。

では この「現存在」とは何か?

それは、心の奥でいつも 呼びかけている「魂の声」なのです。

ハイデガーは魂の声ではなく「良心」と表現してるようですが、 おそらく適当な言葉が見つからなかったのではないでしょうか。

「現存在」とは、周囲の模倣やコピーではなく、自分の内側から自然に湧いてくる、 ありありとした実感、 エネルギー、 感情であり、 それを掴んだ瞬間「 これが私である」と明確に胸を張って言い切ることができる、 そういう「感覚」のことです。

「世人」から「現存在」にシフトするため、大切なことは何か?

それは「死を意識するということ」と、ハイデガーは言っています。

「死を意識する」

「メメント・モリ (死を忘れるな)」

目の前に「死」 というものがやってきた時に、それまで無意識に生きていた、 つまり、「自分は永遠に生きる」と、幻想の中に生きていた自我(エゴ)が うろたえ・おののき、 そして最終的にはどうにもならなくなって破壊されて壊れます。

その時に「 ほんとうの私」、ハイデガーの 言うところの「現存在」にシフトするのです。

「死にたればこそ生きたり、生きたらんには死なにまじ」(無住禅師)

「ほんとうの私」を生きたければ、一度、死ななければなりません。

そこで死ぬのは自我(エゴ)です。

自我(エゴ)が死ぬからこそ、その後、ほんとうに生きることができるのです。

そのプロセスを経て初めて、「ほんとうの私」が再誕生(リボーン)出来るのです。

自我(エゴ)の死を体験せずに、本当の自分に生まれ変わることは出来ないのです。

僕にとって「肺がんステージ4」の宣告は、まさに「世人」から「現存在」にシフトするきっかけを作ってくれたのです。

これは「魂からのコーリング(呼びかけ)」以外の何ものでもありませんでした。

無意識の海で眠っていた僕が、魂からの目覚ましによって目を覚ますことができたのです。

目覚ましバンザイ。

眠りから目を覚まさせてくれて、ありがとう。

全ては魂の計画。

宇宙の手配は完璧である。

応作如是観。

色々あるけど、眠りながら生きてるよりは、1000倍幸せです。

だって、眠っていたら、幸せを感じて生きるなんて、できませんからね。

ということで、僕は毎日幸せです(^-^)。

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