予選プールの先にあるのは

歴史を作ったJAPAN

スコットランドに競り勝った。両者ペストメンバーで、勝たないといけないプレッシャーの中で、ベストなパフォーマンスを出して、最後に日本が勝った。次にテストマッチをしても同じ結果になりそうな、そんな予感をさせた。日本の強さを証明した試合だった。

終始、スコットランドに余裕を与えなかった

開始のキックから田村は仕掛けた。四年前の南ア戦と似ていて、この試合、俺らは何か仕掛けるぞ、というサインを相手に送った。油断ならないJAPAN、スコットランドにそれを伝えるには十分だった。結果的に先制トライをとられるが、日本の選手はあせることはなかった。虎視眈々と自分達が仕掛けるタイミングを待っていた。

スクラムハーフ・流のハイテンポなゲーム展開

今回の日本の攻撃の特徴は、15mラインの内側といった、真ん中辺りで左右にボールを振りながら少し前進していく中でテンポをあげる点にある。強いボールキャリアを当ててしっかりボールキープ、次も強い選手を当てる、でも後退しない。そして少しずつワイドな攻撃をするが、逆サイドにも攻撃する。相手が反則をおかすか、外が手薄になるまで容易にキックしない。あくまでボールキープ。スコットランドからすると、ボールはとれない上にズルズル下がるので、嫌な展開になる。

早いテンポの中でのトライゲッター・福岡&松島

チーム全体として相手ディフェンスの隙間や、外側での数的優位ができるのを待っていると、タッチラインに近いスペースで数的優位ができる。このチャンスをセンターのラファエレ、松島、福岡が逃さない。最初のトライ、そしてオフロードを何回も繋いだ稲垣のトライは、自分達のゲームプランを遂行して生まれた、日本らしい素晴らしいトライだった。

食い下がるスコットランド

しかし、こういう試合は何度もスコットランドは慣れっこだ。食い下がり方が他のチームとは全然違う。特に、日本のタッチキックからのクイックスローからのカウンターでは凄まじい強さを見せ、あと一本差まで追い上げられる。やはり、バックスリーにボールを持たせて走らせるのは危険なチームなのだ。

残り10分に攻め手を欠いたスコットランドとオプションが多かった日本

最後の10分は、正直総力戦、気力の戦いに見えたが、日本の方が冷静かつ体力もあり、攻撃のバリエーションにもまだ引き出しがあった。一方、スコットランドは、展開しても日本のディフェンスの出足のよさにラインを下げられ、結局攻めてるのに損する、しかしキックもできない悪循環に陥る。となると、力勝負で何とか前に進みたいが、モールも完璧に止められ、何をやっても前に出れない。ついに万策つきた。

初の決勝トーナメント、しかも南ア!

今のJAPANは、(オーストラリア+ニュージーランド)÷2といった、攻撃的でもあり、守備も強い、キックのバリエーションも多いチームに大変貌を遂げている。優勝してもおかしくないチームの1つといっても過言ではない。そんな日本が対戦する南アフリカ、世界最強の守備を誇る。その南アにどう戦うのか。相手は最初からなめてこない。全開モードで日本を潰しに来るだろう。

攻めるか、守るか

オールブラックスは、あえて守備を選択するスプリングボクス相手に攻撃をぶつけ、結果的に初戦を勝利した。四年前の日本は、相手にボールを渡し、攻撃させて、反則などで前に進み得点を重ねて勝利した。さて、今回はどちらも選択できる。ボールをキープし続けて、最強の守備にほころびが出るのを待つのか。今回のJAPANにはそんな試合を見せてほしい。

とにかく、JAPANのメンバー、素晴らしい勝利をありがとう❗️

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