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強力な習慣化「ハビットチェーン」


行動を習慣化させるのは、

言わずもがな容易なことではないですよね。

そこで、
難易度の高い習慣化を、よりスムーズに定着させるために有効とされている

「ハビットチェーン」

という習慣化テクニックをご紹介します。

何だかとっつきにくそうに思えますが、
やり方自体はすごく簡単です。

ザックリ言うと、
既存の習慣に小さな習慣を
くっつけるだけでいいのです。

ではもう少し詳しく説明しましょう。

まず、「ハビットチェーン」とは、

「ハビット(habit): 習慣」と
「チェーン(chain):鎖」で、

習慣の鎖という意味です。

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そう、この鎖です。

行動を習慣として定着させるためには、
既存の習慣のあとに小さな行動を「鎖」のようにつねげることで、
習慣化しやすくなる、

ということでしたね。

たとえば、

食事をすませた後、すぐに食器を洗う

というのを習慣にしたいと思ったとします。

まず最初に、食後から食器洗いまでの、
一連の作業内容を細かく「分解」します。

食器を運びシンクにつける
 ↓
汚れを落とす
 ↓
すすぐ
 ↓
拭く
 ↓
乾かす
 ↓
食器棚にしまう

この、
「細かく分解する」ということはすごく重要なので
覚えておいてください。

まずは、
食事という既存の習慣のすぐあとに、
小さな行動(食器を運ぶ)を鎖のようにつなげます。

すると、

食事
 ↓ 
食器を運ぶ

という新たな習慣が身に付きます。

そして身についた
「食事 → 食器を運ぶ」という習慣のすぐあとに、
「水を張ったシンクに食器をつける」という小さな行動を
鎖のようにつなげます。

すると、

食事
 ↓ 
食器を運ぶ
 ↓
水を張ったシンクに食器をつける

という新たな習慣が身に付きます。

続けて、「食事 → 食器を運ぶ → 水を張ったシンクに食器をつける」
という習慣のあとに、「食器の汚れを落とす」という小さな行動を
鎖のようにつなげます。

食事
 ↓ 
食器を運ぶ
 ↓
水を張ったシンクに食器をつける
 ↓
食器の汚れを落とす


図に表すと次のようになります。


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このように、

既存の習慣のすぐあとに、鎖のように、
「小さな行動」を徐々につなぎ合わせていく

これが「ハビットチェーン」という習慣化のテクニックです。

ハビットチェーンは世のあらゆる習慣化テクニックの中でも
最も成功率の高い信憑性のある方法だとされてます。


しかし、

ここであなたはこう思ったかもしれません。

「食事をした後に、食器を運ぶことさえも面倒くさい」

・・・と。

なるほど、確かに言われてみればそうですね。

そもそも食後すぐに、ちょっとだけひと休みしてしまうクセがあるため、
たとえ「食器をシンクに運ぶ」というたったこれだけのことでさえも面倒に思ってしまうかもしれない。

ですがそれは、
「食事をする」という行為を「ごちそうさま」を言ったら終わりだと思っているからです。

わかりにくいでしょうか?

食事をすませたあと、「ごちそうさま」をした時点で、
「食事」は終わり。ですよね。

ですが、その「食事」のあとに、
「食器洗い」という別の作業をすぐに行いたい

と思っているはずです。

にもかからわず、
「食事」と「食器洗い」を全く別のことだと
認識しているということです。

「食事」と「食器洗い」との間に、
しっかりと” 区切り ” を入れてしまっているということです。

あなたがそう思っているというよりも、
脳がそのように認識して「記憶」しているのです。

ですが、
人間の脳は、すごく賢いもので、あらたな " 区切り " を見せることで、
それが新たな「パック」として記憶し、それを維持しようとするのです。

これまで記憶してきた「食事」をする、という工程が、

いただきます
 ↓
 食べる
 ↓
ごちそうさま

だとします。

そこで、さきほどの「ハビットチェーン」によって、食器洗いの作業を少しずつ、鎖のようにつなぎ合わせていくと、

いただきます
 ↓
食べる
 ↓
 ごちそうさま
 ↓
食器を運ぶ
 ↓
 水を張ったシンクに食器をつける

となりますね。

このとき、脳は、「食事」という作業を

いただきます
 ↓
 食べる
 ↓
ごちそうさま

という「パック」から、

いただきます
 ↓
食べる
 ↓
 ごちそうさま
 ↓
食器を運ぶ
 ↓
 水を張ったシンクに食器をつける

という、あらたな「パック」として認識するのです。

あなたの「脳」が認識して、記憶してくれるのです。


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習慣化とは、
無意識で行動してしまう動作のことをいいます。

意識的な行為ではなく、繰り返しによって記憶された動作であり、
自然に身についていることなのです。

問題なのは、いかにして習慣化させることができるか、
ということですが、

「ハビットチェーン」とは、習慣の鎖という意味ですが、

小さな行動を鎖のようにつないでいくことよりも、
つながった鎖を断ち切れないことに効果を発揮するのです。

既存の習慣の後に「小さな習慣」を少しずつ鎖のようにつなげます。

いくつかの行動がつながったとき、
しっかりとつながった習慣の鎖を何があろうとも、
絶対に「切り離したくない」と思うようになるのです。

この、
「切り離したくない」「途切れさせたくない」
という心理を利用させることが、ハビットチェーンのすごさなのです。

なにがどう「すごい」のか、
わかりましたか? 

ふつう、何かを習慣化させようと思ったときは、
「続けよう」と思いますよね。

ですが、

ハビットチェーンは、
「続けよう」ではありません。

「途切れさせたくない」
という心理を利用しているのです。


あなたは何かを「継続」しようと決意したとき、おそらく
「さぁ、頑張って続けよう!」というように、

「続ける」ことにフォーカスすると思います。

しかも、毎日必ず続けるとなると大変です。
無理して毎日続けようとしてもかえってストレスが溜まりそうだし、せめて一日おきとか、週に二日だけとかにしたほうが、継続させやすいのではと思うでしょう。

ですが、じつは
「継続」というのは、毎日欠かさず続けた方が意外と楽なのです。

まさかそんなはずは・・と思ってしまいますが、

人は、連続して継続させたことを
「途切れさせたくない」という気持ちになるのです。

たとえば、
今日から毎日ウォーキングを続けようと決意したとします。

最初の何日間かは、意識して
「がんばって続けよう」という意志力が必要です。

そして、
ウォーキングを30日間連続で続けることができたとします。

すると、
せっかく毎日欠かさず30日間に続けることができたので、
この記録を「途切れさせたくない」という気持ちになるのです。

つまり、

毎日かかさずに「続ける」ことを苦難と思うよりも、
毎日欠かさず続けてきたこの積み重ねを「断ち切ってしまう」ことのほうが
むしろ辛いとさえ思ってしまうのです。

数日間の継続は一つの鎖になる、
さらに何日間か続けば長い鎖となります。

もうそうなっては、そのつながった鎖を
「途切れさすわけにはいかなくなる」というわけです。

ハビットチェーン(習慣の鎖)とは、
「鎖のようにつなげる」ということなのですが、本当は、

しっかりとつながった鎖を外せなくなる

ことに意味があるのです。

毎日つづけることは大変なのですが、じつは

毎日連続させることで、しっかりとつながった習慣の鎖効果を発揮するので、むしろ楽なのです。

ただし、条件があります。

それは、

「小さな行動」を鎖のようにつなげることです。

たとえば、
先ほどの、食後に「食器をシンクに運ぶ」というのは
小さな行動なので、

毎日続けていくうちに
「昨日までちゃんと食器を運んだのだから今日も運ぼう」
というように、せっかく続けてきたことをこのまま続けよう
という気になる。

というよりも、
そうしないとせっかくの継続習慣を途切れさせてしまうことを
「もったいない」とさえ思うのです。

ですが、食後に「食器洗いをする」という大きな行動を毎日続けようとしても、鎖はつながってはくれません。

大きすぎて鎖がすぐにちぎれてしまうからです。

あくまで習慣の鎖効果を発揮するのは、
小さな行動をつなげた場合だけです。

重要なことなので、もう一度いいます。

ハビットチェーン(習慣の鎖)を成功させるためには、必ず、

既存の習慣に「小さな行動」をつなげることです。

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