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偏向的な「新社会人にオススメしたい本」3冊

社会人になって10年以上経つが、毎年この4月を迎えるにあたっての心のザワザワは落ち着かない。
しかし、最も心がざわつくのはなんといっても新社会人のみなさんだろう。
そんな新社会人のみなさんに、稚拙ながら社会に出るにあたっておすすめの書籍を3冊ご紹介したい。

ところで、タイトルに「偏向的な」と付けさせていただいたのはワケがある。
たいてい新社会人にオススメの本という名目で紹介されるのは、「仕事のノウハウ」や「仕事に対する心構え」なんかを説いている本であることが多い。

残念ながら、僕が紹介するのはそういった類の本ではない。
僕が紹介したいのは「"社会"というよくわからないものに揉まれて心を壊さないための本」である。
実は、僕は働き出して2年目で一度心を壊している。上司や先輩など職場環境が悪かったのも原因のひとつだが、学生生活からいきなり社会人として解き放たれて、"社会"というものがよくわからなくて混乱していたことも原因だと思っている。

しかし、30代半ばになった今ではかなり図々しくなれたと思う。
結局、あまりに大きすぎるからよくわからないんだと思っていた"社会"は、実在しないただの言葉なのだと。そんな社会に怯えるよりも、大切なのは"自分"を保つことだ、と考えるようになっている。

そんなわけで、僕が紹介するのは「"自分"を保つための本」とも言える。よくわからない"社会"に飛び込むことに不安が大きい人に読んでもらいたい本たちである。
今回の選書でターゲットにしたのは、僕と同じメンタルが弱い、またはメンタルに自信がない若い人たちである。


オススメ1冊目:学問の発見

学生が終わると途端に「学ぶ」ことをしなくなる人が多いが、それは勿体無い。むしろ、大人になってからは試験が無いのだから、自由に好きなことを学ぶことが出来る。
試験のための学びではなく、自分の人生のために学び続けるべきである。そんなことを教えてくれる一冊。
本書によれば学ぶメリットは大きく2つ。「知恵をつける」ことと「成功体験が得られること」だ。
知恵やアイデアは多くの引き出しを寄せ集めることで生まれるものだし、何かが「わかる」という体験は仕事で「わからない」に対峙した時の不安や恐怖が幾許か和らぐ。
学生でなくなった時にこそ、「学ぶ」ことの意味を本書で知っていただきたい。


オススメ2冊目:自助論

本来、人は助け合う必要があるのだけど、「甘えるな」とか「まずは自分で考えろ」とか言って、周りの大人は誰も助けてなんかくれやしない。悲しいことに、大人たちは「助ける」「協力する」方法を知らない、またはわからなくなってしまったようだ。大人たちは、3歳児並みに身勝手で他人の気持ちなんて考えやしない。精神が子どものまま年齢を重ねたような大人ばかりなのだ。
と、そんな風に周りの大人が思った以上に立派ではないことに落胆してしまう新社会人もいるだろう。
そんな環境の中で、ぜひあなただけは腐らず立派な大人になってほしい。そういう意味を込めてこの自助論をオススメしたい。
「天は自ら助くる者を助く」
誤解のないように言っておくが、決してこれは自己責任論などではない。自分で判断して、自分で行動するための、自己への問いかけの書である。本書を読んで、徹底的に自分の内面に問いかけ、自己を高めて、周りにいる大人ではなく、胸を張れる立派な1人の人間になっていただきたい。


オススメ3冊目:遅考術

今回ご紹介する3冊の中で、1番実用的なのはこれである。
社会に出ると、大人はとにかく何かと急かしてくる。ゆっくりと考える暇などこちらには与えてくれない。
何でも早く決断することを善とする世の中だが、落ち着いてゆっくり考える余裕をぜひ持っていただきたい。何でも、じっくりよく考えた方が良い判断ができるのは言うまでもない。
ずるい大人の中には相手に早い決断を迫って、こちらの判断力を鈍らせてくる者もいる。そういう人間を目の前にして、冷静にじっくりと考えるにはかなり強いメンタルが必要である。そんな状況に追い詰められた時に、この本の内容を思い出してほしい。じっくり考えることの裏付けがあれば、自信を持てるはずだ。
何かと急かしてくるような社会を馬鹿にするぐらいに、余裕のある人間になっていただきたい。



というわけで、僕の社会に対する偏見がかなり詰まった3冊であった。
他の同様のタイトル記事で紹介する推薦本とは違う角度で選出したので、参考にならない点もあるかと思う。

しかし、僕は切実に思う。若い力が、声が大きいだけ、屁理屈が得意なだけの似非大人に潰されるのは、それこそ社会にとって損失である。
これから社会に出る人たちにはぜひ、そんなくだらない大人に負けることなく、立派な人間になっていただきたい、という願いを込めて、この3冊をオススメさせていただいた。

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