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愛とは待つこと

「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」

今週も引き続き小林秀雄全集を読んでいます。そして、タヒチのガイドブックが目についたので、さっとガイドブックを読んでみました。『ワールドガイド』と『地球の歩き方』。似たようなことしか書いてないのでは? と思うかもしれませんが、基本的な情報は一緒かもしれませんが、多少視点の違いなどそれぞれ特徴があります。僕は『地球の歩き方』を海外旅行の際には参考にさせてもらってましたが、『地球の歩き方』を創刊したダイヤモンド・ビッグ社が今年倒産しました。2021年にすでに『地球の歩き方』の事業は学研グループに譲渡されており、発行自体に影響はありませんが、ガイドブックの未来と考えると、今後も非常に苦しい状況は続くのではないかと思います。特に日本のガイドブックは広告だらけ。どのガイドブックにも同じようなところしか掲載されていない。海外へ行くときはまだまとまった情報が欲しい、メジャーな観光地情報が欲しいということで、活用することもありますが、国内旅行では、もうほぼ普通のガイドブックを見ることはありません。

じゃあ、どうしているのか。インターネットで探すという方法もありますが、人づてに情報を得る。媒体はSNSなど色々ありますが、でも、人から情報を得るという方法。人と言ってももちろんそれは有名人とか、なんとか専門家とかではありません。僕が面白いと思う人。インフルエンサーも広告料をもらっていたら自分の好きなことを紹介できるわけではありません。結局、SNS・YouTubeも広告で成り立っているので、それを糧としている人は、それを無視して続けるということは難しいでしょう。そうなると結局僕たちがみているものは広告なのです。

僕たちが情報と思っているそのほとんどは広告なのです。誰かが意図して、宣伝のためにつくられたもの。もちろん、それが役に立つこともありますが、広告はいつまでも僕たちにお金を出すように強いてきます。それには際限はありません。僕たちの懐事情も何も考慮しているわけではなく、一方的にただただ消費を促そうとするのです。

僕はSNSも見る機会も減り、情報を得るのもその場所に詳しい友人・知人から。もちろん、昔ながらの団体旅行もまだまだ続くのかもしれませんが、旅ももう人それぞれのニーズにあったものと変わってきています。人工知能が発達すれば、その人に合った一冊が簡単に作れるようになることでしょう。しかし、その元となるデータはこのままだと広告がベースとなってしまうかもしれません。そして、人工知能も極端な話、今は広告料で生活しているのですからそれを無視することはできません(笑)。今後のことはわかりませんが、でも、そんな時代にあっても、人は旅することをやめないでしょう(ただ、それがリアルの旅になるのか、バーチャルの旅になるのか、大きな流れの変化あるかもしれません)。なぜなら人は、「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか(ゴーギャン)」を問い続ける生き物だから。

さて、タヒチにはそのヒントがあるでしょうか。外面の旅、内面の旅、旅は続きます。

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