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地方のショップが都内の百貨店に1年間出店して得た学び

「岡山・倉敷のほんとうにいいものを」をコンセプトにした弊社のライフスタイルショップ『美観堂』。

その『美観堂』として出店していた吉祥寺の二号店を、この2020年7月末で閉店することとしました。

もともとの出店にあたっての私たちの意気込みと、閉店を迎えるにあたって感じること、この出店から得た学びなどを書いておこうと思います。

『美観堂 吉祥寺店』を出店した経緯と理由

私たちのお店『美観堂』は、2017年春に、本社のある倉敷美観地区でお店を始めました。

取り扱っている商品は、岡山県内のもののみ。
そのコンセプトや立ち上げる際の思いは、こちらのnoteに詳しく書いていますので、よかったらご覧ください。

この『美観堂』の二号店、初めての岡山県外での常設店としてできたのが、『美観堂 吉祥寺店』。
『東急百貨店 吉祥寺店』さんの3階に入れてもらっていました。

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オープンは、2019年7月。
今年の7月末での閉店なので、ちょうどほぼ1年間、営業していたことになります。

もともとは『東急百貨店 吉祥寺店』のご担当者が倉敷で『美観堂』を見て、面白いと思っていただいたところから出店オファーをいただいたご縁でした。

そのようにお声掛けいただけること自体が嬉しく、ありがたかったです。

そして『美観堂』としての目的は、岡山県内のいいものを世の中に広めて、そのリターンを地元に還元すること。

いずれ美観地区の本店以外にも販路を広げなければいけないと考えていましたし、想定していたよりもその機会が早く訪れましたが、避けて通れないチャレンジなのでやろう!ということにしました。

もう一点、少し話が逸れますが、僕はこういった社内の新規事業立ち上げの際に、それを任せられるリーダー的ポジションの人材がいないとやらないことにしています。

その点、この立ち上げをぜひやりたいと言っていた社員(かいくん)がいたことも、出店を決めた理由の一つです。

1年間のトータルの収支は、まだまだ厳しかったです

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そのようにして出店した、『美観堂 吉祥寺店』。
結果としては、オープン直後7月〜8月の2ヶ月間は好調でしたが、その後はなかなか単月黒字を達成するのが難しかったです。

東急百貨店さんの同じフロアには北海道の物産店や『久世福商店』さんも入っていて、そうしたお客さんにとってお馴染みになっているお店と比べると、まだまだ私たちの販売力は弱かったな…と悔しさを痛感しています。

中でも最も根本的な学びとしてあるのは、以下の二点。

・メディアを巻き込んだPRの大切さ
・原価と利益率の構造

なお、一つ言っておきますと、東急百貨店さんは今回の出店の条件をとても柔軟に対処してくださいました。
「百貨店さんへの出店って賃貸料や手数料が高いのでは」と考える方もいると思いますが、決してとても厳しい条件ではありませんでした。

トータルでの収支が厳しかったこと、そして東急百貨店さんにも大きな貢献ができなかったことは、自分たちの実力不足によるものです。

メディア掲載(特に地上波)はやはり狙うべき

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出店当初の2ヶ月間が好調だったのは、新規店ということに加えて、うちの名物である卵かけご飯をPRしたリリースがテレビを含めた多くのメディアに取り上げてもらったことが挙げられます。

特に地上波の夕方ニュースでも食レポをしていただいたので、正確な効果を数値化できるわけではありませんが、イートインの売上が好調だったのは、確実にこのメディア掲載効果があったと思います。

それが成功体験としてあったからには、その後もメディアのネタになるような販売企画や商品企画を次々と出すべきだったのが大きな反省材料です。

やっぱりSNSやお店でのリピーターも大事ですが、それだけに陥らず大きなメディアでの露出も大事、ということを改めて感じた出店でした。

売り上げ原価と利益率の話

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『美観堂』としてまだまだ売上原価が高い状態での出店だったことも、黒字化が難しかった原因の一つです。

『美観堂』は本店も原価率の構造は大きくは変わらないので、営業を続けながらオリジナル商品を増やしたりイートインのメニューを拡充したりしながら利益率を改善する、という考えではいました。

ただ、やはり小売店として出店するよりも、例えば単一ブランドのメーカーとして出店した方が、利益は出しやすいなと感じています。

スイーツ業界で、製造や運営は同じ会社でも品目ごとにブランドを切り分けている例が増えていますよね。
チーズタルトやPRESS BUTTER SANDを展開する『株式会社BAKE』のように。

そういう施策は、やはりそういうことなんだろうなと思います。

いいチームを作れたことは大きな成功体験

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今回の出店からの最も大きな学び(反省点)としては、以上の二点。

それ以外にも、『美観堂』という同じブランドでもお店ごとのお客さんに合わせたローカライズは必須だなということも実感として分かりましたし、その上で東京のお客さんにもとても好評な「岡山のいいもの」は多いなと分かったのも嬉しい学びでした。

そして何より『美観堂 吉祥寺店』は、一緒に働いてくれたスタッフたちがとても素敵な人たちばかりでした。

その人たちと出会えたこと、会社の中にそうしたスタッフがいてくれたことが、とてもありがたかったです。

例えば社内Slackで、勤務地の距離は離れていても、吉祥寺店のスタッフは倉敷のスタッフに刺激を与えてくれていました.。

やっぱり仕事に対して自ら考えてアクションを起こす人、積極的に人と関わる人は、周りの人たちにもとても良い影響を与えてくれますよね。

うちの会社はこれまでは倉敷で働くスタッフがほとんどで、このように東京で働くスタッフが何人も社内にいる状態は初めてのことでした。

初めての試みでも、それがむしろとても良い結果になっていて、本当にありがたかったです。

『美観堂』の挑戦は終わりませんよ

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というわけで、『美観堂 吉祥寺店』としてのチャレンジは、7月いっぱいをもって終わります。

ただ、『美観堂』として今回の出店で得た学びを、次にどこかで機会を与えてもらったときには必ず活かし、岡山のいいものをよりたくさんの人に届けられるお店になります。

吉祥寺店で販売していた商品は美観堂の通販サイトでも買えますので、こちらもご覧になってください。

なお、美観堂の倉敷の本店もちょうど内装をガラッとリニューアルしたので、そのこともまた改めてこのnoteに書こうと思います。

『美観堂』の挑戦は、まだまだ始まったばかりです。

そして『美観堂』ではマネージャーも募集をしていますので、ご興味がある方はぜひ!

それでは!

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