アメリカで見つけた従業員とブランドの新たな関係について、詳しく調べてみた

1月も後半になってしまいましたが、明けましておめでとうございます!本年もよろしくお願いします。NYは現在、スノーストーム真っただ中。外の気温はマイナス14度という、地獄以外の何物でもない状況に置かれています。こんな時は、引きこもってnoteを書くに限ります。

さて先月投稿した従業員インフルエンサーについての記事について、多くの感想やSNS上でのシェアをいただき、沢山の方に興味を持っていただいていることを実感しました。感謝☀

ただ日本では一部のスタートアップなどを除いて、企業が従業員個人の発信をブランディングに組み込んでいる事例が少なく、「面白いけど一体どうやったらいいの?」という感想もちらほらいただきました。

かくいう自分も、この分野興味あるんだけど、具体的にどうやったらいいのか?アメリカの最先端の企業たちは何をやっているのか?などなど、具体的な戦略とケーススタディをもっと勉強したいし、みなさんにもシェアしたいと思い、この度、まとめ記事を制作をしてみました。

参考にしたのはこちらのメディア。


Influencer Marketing Hubは2016年創刊のイギリスのウェブメディア。インフルエンサーにまつわるあらゆるデータ・ケーススタディが網羅されています。この中には「Employee Advocacy(=従業員の主張・発信)」というジャンルが既にあり、記事や実例が紹介されています。今回のnoteでは、ここで紹介されている事例を訳して、日本語でまとめてみたいと思いまっす!

目次
Q1. 何故、従業員インフルエンサーが重要なのか?
Q2. 全ての従業員はインフルエンサーになるべきなのか?
Q3. 企業の公式アカウントは、従業員アカウントをどう扱うべきか?
Q4. 従業員が正しくないことを発信するリスクはないのか?
Q5. どのようなコンテンツを実際に作ればいいのか?

では早速まいりましょう!!

参考元:What Is Employee Advocacy? | Everything You Need to Know


Q1.何故、従業員インフルエンサーが重要なのか?

A1.リアルな情報であるほど、幅広い拡散・高いエンゲージメントを得ることが出来るから


従業員インフルエンサープログラムについて、最近多くの報道がされていますが、これは特に新しい概念ではありません。従業員がブランドや会社を代表するのに最も適しているという考えは、ビジネスそのものと同じくらい古い考え方です。
インフルエンサーマーケティングの台頭と相まって、近年、経営者が「従業員をブランドアンバサダーにしてブランドを高めよう」という考え方について改めて考え直す機会が増えつつあります。また、「従業員の発信」という語句が多く使われているため、それが一体何をどこまで指すのか、よくわからないという人も多くいます。現在、それは従業員にTシャツを配って、イベントでロゴの意味を話させることより、もっとずっと複雑です。
インフルエンサーマーケティングと同様に、従業員の発信はSNSでのリアルな投稿を通して、ブランドの認知度を高めます。従業員のポストには企業の公式ポストの8倍のエンゲージメントがつきます。公式投稿よりも、友人や家族によって共有されている記事を読む人の方が、16倍も多いからです。

上の資料は100万人のFacebook上でのファンよりも、135人の従業員の発信の方が、リーチした数が高かったというデータが紹介されています。
よく言われることですが、企業が自分の言いたいことを発信する投稿より、身近な友人や家族が本音で発信している投稿の方が、見られる可能性やエンゲージメントは高くなりますよね。


Q2. 全ての従業員はインフルエンサーになるべきか?
A2. NO 社員の見極めはコンテンツの成果を左右するため、非常に重要


すべての従業員が優れたインフルエンサーになるわけではありません。結果を出すのに十分な大きさのソーシャルフォローを持たない人もいれば、SNSにまったく関与したくない人もいるかもしれません。いずれにせよ、企業でプログラムを作るからといって、全ての従業員にとって必須にする必要はありません。正直なところ、全ての社員が自分の仕事を好きになるわけではなく、望まない人を選出する必要はありません。下手をすると裏目に出てしまうこともあります。もっと多くの従業員にインフルエンサーとして行動してもらいたい場合は、まずそれを育成するための企業風土の改革が必要です。
常に熱心で野心的な人、あなたの会社とその使命を理解している人、そしてソーシャルメディアにフォローしている人たちに長い時間を費やしている人を選びましょう。特にLinkedInであなたの従業員が何をしているのか見てください。多くのつながりがあり、定期的に投稿する人は明らかな候補です。
ただし、従業員インフルエンサーに何でもかんでも投稿してもらう必要はありません。そして、インフルエンサーの投稿は、全てが会社に関するものである必要はありません。代わりに従業員は会社のコンテンツから、あるいは関連するならばどこでも興味を引くものから、コンテンツを共有するよう奨励されるべきです。


Q3. 企業の公式アカウントは、従業員アカウントをどう扱うべきか?
A3. お互いの相互作用が見込まれるよう、積極的に関わりあうべき


例えば、コンピュータ大手Dell社の公式SNSアカウントは、自社で制作した公式コンテンツに関する発信はわずか20%に留められており、残りは彼らの従業員の発信のリツイートやシェアといった拡散になっています。
公式が制作するコンテンツの4倍ものコンテンツを社員が発信していることになります。同社はソーシャルプログラムに参加している1万人の従業員を抱えており、それらのすべてはブランド意識を高める、ある種の地方分権的で自給自足のマーケティング活動になっています

確かにDellのツイッター(@dell)のアカウントを見てみると、その殆どが従業員の発信に対するRTや、オウンドメディアで従業員の取組を紹介するコンテンツの発信になっていました。従業員が個人メディアでコンテンツを作り、公式が拡散することで、ブランディングしていくという「自給自足」コミュニケーションはユニークです。Dellに俄然興味を持ちました。


参考元:What Is Employee Generated Content And How Brands Can Benefit From It


Q4. 従業員が正しくないことを発信するリスクはないのか?
A4. リスクはある、ただし得られるメリットの方が大きい

自社が伝統的なマーケティングチームを持っているならば、担当者は恐らく会社の名の下に出てくるどんなコンテンツでも厳しく統制し続けたいと思うでしょう。同様に伝統的な経営陣は、業務から出てくるものがすべて自社の規定に従うことを確実にするために、綿密な管理を維持することを好むでしょう。問題はそのようなアイデアは、既に古くてソーシャルセールス以前のコンセプトであるということです。あなたが製品をジェネレーションズYまたはZ(ミレニアル世代以降の世代)に売るならば、特にそうです。
すべての企業が、従業員がコンテンツを作成するために、柔軟な決定権を個人に与えることに納得しているわけではありません。やはり企業側も、悪意を持った従業員が会社について悪いことをつぶやく可能性を恐れています。確かに従業員が作成したコンテンツには、必ず何らかのリスクが伴います。しかし、殆どの場合、従業員をインフルエンサーとすることの利点は、炎上などの対応に迫られるリスクを上回ると考えられます。
伝統的な企業が抑制的なソーシャルメディアポリシーを採用することは珍しいことではありません。まだかなりの数の企業が、職場からのSNS利用を禁止しています。しかしポリシーを規定した当初は、SNSのアカウントを持っていたのは若い人だけでした。しかし、ミレニアル以降の世代が年を取るにつれ、SNSが日常生活の一部になることを期待する従業員が増えています。そして、ソーシャルメディアの影響力は非常に大きく、自社が望む「たった1つのブランドイメージ」を維持するという意向は、もはや現実的ではありません。周囲の変化に合わせて、伝統的な企業もこの変化を理解する必要があります。

企業が何をしなくても、SNSを通じて企業のイメージは勝手に作られてしまう。(もしくは、登場しないことでいつしか忘れ去られてしまう)だから、炎上を恐れて何もしないよりも、SNSにフィットしたコンテンツを自ら作る方に挑んだ方が良い。そして、ユーザー一人ひとりの好みに合わせた発信をするには、従業員インフルエンサーは相性がいいのだと改めて感じました。

Q5. どのようなコンテンツを実際に作ればいいのか?
A5. 一人ひとりの強みや関心に合わせてカスタマイズすべき、おすすめは動画


SNSコンテンツについて考えるとき最初に頭に浮かぶのは、おそらく素敵な写真と、文章による発信です。多くの場合、従業員が会社のブログサイトに対して、興味を持ちそうな読者に向けた情報を記事にして投稿するといったアプローチをとります。
しかし、本来どんなコンテンツにするかは、発信する一人ひとり違った、自分のスキル、強み、そして興味に合わせてカスタマイズされるべきです。例えばスマートフォンの時代に成長した若い従業員は、ビデオを共有することがより自然だと感じるかもしれません。
今日のビジュアルソーシャルメディア投稿は、純粋なテキスト投稿よりもはるかに優れています。 4倍多くの消費者が製品について読むよりも、ビデオを見ることを好むというデータもあります。人々は、FacebookとInstagramの両方で写真コンテンツよりもビデオを5倍長く見ています。
誰もが作家になるために生まれているわけではありません。従業員の多くはブログの記事を書けと言われると、怯えてしまうでしょう。しかし、動画を撮影するのであれば、記事を書くよりも、喜んで対応してくれるのではないでしょうか。自らの裏方的な仕事の背景にある、偉大な取組や専門性について話すというのは、そもそも嬉しいことだからです。

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いかがでしたでしょうか。
アメリカの企業であっても、SNSやインフルエンサーをどうブランディングに取り扱うか、について試行錯誤している途中なのだと感じました。ただ若い世代を顧客に持つ産業から徐々に適用を始め、その潮流を他産業が取り入れつつあるのですね。

気になる点としては、今回の記事はSNSのみにフォーカスしていましたが、企業のコミュニケーションはSNS以外にも様々なチャネルがあります。従業員インフルエンサーを、スポンサーシップ、宣伝、展示会、イベントなど、他のチャネルと組み合わせてどうシナジーを起こしていくのか?はもう少し深堀する必要があると思いました。

もう1つ言うと、記事の多くが、企業が顧客をつかむために、従業員をどう巻き込むかという切り口で話していますが、自分は出来れば逆の考え方を持っていたいと感じました。

つまり、従業員が自らの熱意と専門性を持って、何かしらの分野でインフルエンサーとなることを会社は応援し、結果としてその会社の価値が拡散していくような、社員の成長を何よりも重視するような組織の方が魅力的なのではと思ったり。そんな仕事に携わることが出来ればとても幸せだと感じました。

記事になる前のことをTwitterでつぶやいています。


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たくみ@ニューヨーク駐在

1987年生まれ、奈良県出身。2017年よりNew York近隣で仕事をしています。関心を持った英語記事の翻訳や、現地で見つけたユニークな店舗の紹介などをしています。
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