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2023宮古島ストロングマン参戦記:③バイク編

こんにちは。39歳♂、製薬会社で新薬開発に勤しむ傍ら、40歳まで(あと1年…)にコナ出場を夢見るトライアスリートです。お喋り怪獣(7歳娘)とGoing my way末っ子長男(3歳息子)の育児を楽しみ、食う・寝る・走る日常に幸せを感じています。このnoteでは、パパ・トライアスリート のトライアスロン 生活を中心に、自由気ままに書いていきたいと思います。

今回は、先日出場した宮古島のトライアスロン大会、第37回ストロングマンの旅行記&レースレポートの第3段、バイク編です(第1段の旅行記、第2段のスイム編へのリンクはこちら👇)。コロナの影響で4年ぶりの大会開催!多くの感謝と達成感に溢れる、もの凄く充実したレースとなりました。

(練習量の少なさにしては)まずまずのスタートを切ったスイム。時間はまだ朝の8時過ぎ。これから本当のレースが始まります。

バイクパートにおけるレースコントロール

過去のロングのレースでは、幾度もバイクパートを失敗してきました。バイク後半で大きく垂れるか、バイクのタイム自体はまずまずでも補給が上手くいかずランで大潰れするかが、主なパターン。いずれも満足するレース結果には繋がりません。

主なの原因は、パワーコントロールと補給のミス。

パワーコントロール

バイクの場合、そのスピードは外的要因に大きく左右されるため、長時間コントロールするには不向き。代わりにパワー(自身の出力)を指標とするのが一般的です。またロードレースと違い、エイジグループのようにノンドラフティングで独力で走ることが前提のトライアスロンレースでは、自身のレベル(FTP:Functional Threshold Power、1時間走り続けられるパワーの閾値)に応じて、出来るだけパワーの上げ下げを少なくし、終始一定のパワーでコントロールすることが鍵になります。このパワーの上げ下げの程度は、平均パワー(単純な平均値)とNP(Normalized Power・標準化パワー、4乗した値の平均値を4平方根計算することで変動の影響をより考慮したパワー)との差を目安にすることができます。簡単に言うと、平均パワーとNPの乖離が小さいほど、パワーの上げ下げが小さかった、という感じ。

と、理屈では分かっていても、レースという非日常でアドレナリンが出た状態で、スイムの出遅れを取り戻そうという意識もはたらき、更にはスピードや他の選手に抜かされることも気になってくる。そのような思考に占拠され、気づけばオーバーパワーになり、後半では脚が売り切れてしまう失敗が多々ありました。
抜かれても気にしない。スピード遅くても気にしない。ただひたすらパワー計と睨めっこ。これが大事。

補給戦略

加えて、トライアスロンのようなエンデュランススポーツでは、エネルギーと水の補給が物凄く重要で、レース中に消費したマイナス分をタイムリーに補う必要があります。
また、無計画に感覚に頼って摂取すればよいというものではなく、体の吸収スピードに合わせて計画立って摂取する必要があり、水については浸透圧(≒体内塩分濃度)も保ちながら出ないと上手く吸収されません。お腹はタポタポなのは大体このバランスが崩れ、塩分摂取が足りない証拠。水を飲んでいるのに喉が渇いて、でも吸収されず、の悪循環。脱水症状にならないよう注意が必要です。

その為、事前にジェル、塩、水の摂取頻度(塩カプセルは20分おきに1つ、ジェルは30分おきに1つ、とか)を計画立てるようにしています。以前は、補給したい量だけ考え計算していましたが、体の吸収スピードもちゃんと考慮するようにした結果、上手くコントロールできるようになってきたように感じます。

以下が、おおよその1時間あたりの摂取量の目安です。

  • 糖分:60~90 g(グルコースのみで60g、他の糖類との組合せで最大90gまで)→240~360 kcal→一般的なジェルだと2~3個

  • 水分:600~1000 mL(当然、気温・湿度によって大きく変動)→1時間でボトル1本以上

  • 塩分:2~3 g(発汗量の0.3%)→自作塩カプセル等を20~30分に1個

ちなみに、多くの市販の塩タブレットは美味しいですが下記の塩分摂取量にもとづくと1時間あたり10個とか食べないとダメなので、全然足りません。その為、私は自作の塩カプセル(空カプセルに自分で塩を詰める)か↓こちらのタブレットを使っています。

Bike: 123km

今回は、距離が短縮されたとはいえ、久々のロング。タイムよりも、兎に角上手く自分のレースをコントロールすることを重視して臨みました。

レース当日の補給食は↓こんな感じ。左から順に、朝、レース前、T1、バイク、バイクスペシャルニーズ、ラン、フィニッシュ用です。横向きに置いているのは保険。
バイクでは、今年から取り入れ出したGUシリーズがメインで、ドリンク、ワッフル、ジェルをそれぞれ2つずつの、計1000kcal程(レース全体摂取のおよそ半分、厳密にはプラスT1で280 kcalほど補給)。目標タイムが4時間程度なので、大体1時間あたり250~320 kcalペースで摂取する計算。他には、アミノ酸補給のため、アミノサウルスを持っていきました。

ロングは補給食の携帯も大変だけど、ドリンクで500kcalも摂取できるのは大きい。GUドリンクは今年に入ってから導入し、早くもお気に入りです。

レース当日の補給食たち。バイク用は真ん中。

スイムの2~3分のビハインドで少し逸る気持ちをしっかり押し込めて、パワー計と睨めっこしながらバイクパートをスタート
コースイメージはざっくりと↓こんな感じ。快晴、風向きは南東2~4m程度(確か..)。暑さは要注意ですが、風は例年になく控えめでした。

  1. 東急〜池間島 30km:序盤、テンション抑えて準備運動

  2. 池間島〜東平安名崎 70km:単調で地味なアップダウン、風有り、我慢エリア

  3. 東平安名崎〜東急 95km:折返しいざ後半へ、アップダウンと声援が多い

  4. 東急〜バイクフィニッシュ 123km:集中が切れてくる、最後まで集中して…

Garminのレースレコードより。今は伊良部島は通らないレースコース。

1.東急〜池間島 30km:序盤、テンション抑えて準備運動

先にも書いたように、ここで如何に抑えて入るかがレースを左右します。非日常の環境下で爽快に風を切って声援の間を駆け抜けるバイク、ちょっと気を抜くと思いの外パワーを出してしまっていることがあります。
今回のレース目標は「兎に角、しっかりとコントロールしたレースにする」こと。東急ホテルを出て左折し公道に入るところから、パワー計に集中。前方安全には十分注意を払いつつも、出来るだけ周りの選手が視界に入らないよう目線の大半は真下(パワー計)〜前数メートル先に絞り、余計な雑念を排除することに注力しました。
街中のマックスバリューを通る頃には心も冷静になり、そこからは暫くリラックス区間。宮古島の街並みや観戦者・ボランティア・地元・警察の方々等、大会を開催してくれた島への感謝の気持ちと、どこか懐かしくも新鮮なロングトライアスロンレースの感覚に浸りながら、変わらぬペースで池間島を目指します。
池間島へのアプローチ〜橋は、数キロ続くひとつ目のすれ違いエリア。先に行っているであろう仲間や知り合いを探しつつ、両サイドに広がる宮古島の綺麗な海を堪能。やっぱり宮古島の景色はサイコーだ!

2.池間島〜東平安名崎 70km:単調で地味なアップダウン、風有り、我慢エリア

池間島を出て、帰りもまた知り合いを探しつつ橋を渡った後で左折すると、そこからは島の北西端〜南東端の東平安名崎まで長く続く試練のエリア。ここは観戦者も少なく、ひたすら独りで単調な風景と地味なアップダウンと風に立ち向かうエリアで、兎に角気持ちを切らさないよう頑張る。
この辺りまで来ると、周りは大体同じようなスピードの選手たちになり、互いに抜きつ抜かれつ、一定のポジションを保ちながら、心拍を抑えつつ後半戦に向けてしっかり補給を摂ることに注力した。
このエリアは観光でもあまり来ない場所で、以前は途方もなく長く感じましたが、昨年の宮古島旅行で南東寄りの新城海岸あたりに何度も行っていたせいか、後半は馴染みの風景で「もうちょっとで終わる」と集中が維持できたように感じます。やっぱり終わりが分からないと辛いよね…

3.東平安名崎〜東急 95km:折返しいざ後半へ、アップダウンと声援が多い

試練のエリアも無難に終え、東平安名崎に向かうアプローチに到着。ここも多くの選手とすれ違うエリアです。どうやら仲間はだいぶ速いようで、全く見当たらず。
ここからが後半戦。東平安名崎のエイドに着くころには気温もかなり上昇し、疲労感も少し出始めていたので、元気な高校生ボランティア達に「ありがとう!」と言いながら氷水ボトル・スポンジ、それと元気をガッツリもらい、一旦ストップして全身をしっかり冷却。スペシャルニーズに預けた新しい(けど当然温い..)ドリンクを取り、アミノ酸も補給し、それからリスタート。冷却の効果か、脚も少し復活。前回を思い出しても、悪くない。いい感じだ。
ここからは島の南サイドを東急まで向かうエリアで、アップダウンが多い。また、リゾートエリアも立ち並ぶせいか、声援も多く、かなりテンションが上がる。自覚はしていて、多少は余裕があったから敢えてでもあったけど、後で見たらやっぱりパワー(脚)はまぁまぁ使っていた(上のコースマップでも赤(high power)が目立つ)。でも、少しくらいイイよね、だって宮古島に来れたんだし、久しぶりのロングなんだし。無難なコントロールだけでなく、楽し苦いきたいじゃん!凝り固まってきた体を解す目的も兼ねて、坂道では積極的にダンシングでプッシュ。
途中、仲間(応援)にも会うことが出来、しっかり元気をもらいつつ、兎に角楽しんで駆け抜けたエリアだった。気づけばもう東急。

4.東急〜バイクフィニッシュ 123km:集中が切れてくる、最後まで集中して…

楽しいエリアを終え、気持ちを入れ替えて、後は最後までまた集中して切らさず垂れずに頑張るエリア。
市街地を通って池間手前の折り返しまでは、初心を思い出し、声援に応えつつ無理せずペースコントロール。
折り返してからのラスト15キロは気持ちも余力も切れてきて、パワー・心拍ともに10〜20減、スピードは5kph減。まぁ、距離練が少ないから仕方ない。でも、ただ落ちて終わるだけにはせず、ランに向けてやるべきことを考える。脚や体を解したり、補給したり、深呼吸しながら心肺と胃腸をリフレッシュしたり、トランジションのイメトレしたり。
そんなこんなで何とかまとめたバイクパートも終了。さて、あとはランで出し切るのみ!

目標タイム:4h:06m:00s(ave 30.0kph)
実際タイム:4h:02m:12s(ave 30.2kph, 目標−3m:48s)

Garminレコードの振り返り

最後に、ここではダーっとGarminのレコードを載せていきます。振り返りコメントは各キャプションに。

指標にはしていないが、何とか達成したかった30 kphも死守。結構登っているのね。
平均パワー 159 Wに対してNP は176 W。アップダウンもそれなりにあったことを考えると、変動はまずまず。IFが0.7だったので、あと10 W上げても良かったかも(IF 0.75)。
ギザギザで見えにくいけど、登りもおおむね300 W位内でコントロールできていた様子。よい。
目安はあまり分からないが、パワーの掛けどころは悪くなさそう。
これ。ちょっとズレてるのを知ってはいたものの、ビンディングの調整幅ではこれで限界。体のクセだから仕方ない。。?でも、改善できたらもう少しパワー効率も良くなるはず!どうにかしたい。

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