頑張っているやつというのはキモイものだ
好きな女の子を口説いたり、一生懸命勉強したり、バンドで売れようと画策したり、レギュラーを獲ろうとしたり、社内で成績一位を目指したり。
人間をやっていると頂を目指し、何かを極めようとするタイミングがある。「いつまでもダラダラやってる場合じゃないぜ!」と気合いで化けようと、もがく時期だ。
もちろんそんな燃ゆる時期が無いとつまらない。遠慮などはいらない。渦中は大変だが、充実感も手に入るし、レベルアップのチャンスだ。
しかしそのタイミングは、まわりからは真逆のエネルギーが発生しがちだ。
あなたが覚醒し、変わろうとして、力をつけようとすると身近な人間はブレーキをかけることがあるのだ。
親にすら「アンタはそんなに無理しなくていいの!」と言われたりする。
でもこれは普通の話だ。悪気があるわけではない。そもそも頑張っているやつというのはキモイものだ。
「キモがられるぐらいなんだよ。我慢しろよ」と自分で自分に言い聞かせるのだ。
相手からすると、「その状態の、そのひと」が居心地も都合もいいのだ。その居心地を変えられると、違和感を感じてしまう。
人間には「恒常性維持機能」というシステムが備わっている。このしくみのおかげで僕らは風邪になってもちゃんと元どおり治るし、夏でも冬でも体温を35-37度ぐらいに保つことができる。
欧米では「コンフォートゾーン」とか呼ぶのだそうだ。つまり居心地のいい空間だ。
人間が化けようとするには、この居心地のいいゾーンをエイヤッと飛び越えなくてはならない。
自分自身だって、ラクではない。
今までと違う状態を目指すのだから、ストレスとプレッシャーは半端じゃない。その上、まわりからもギャースカ言われるのだからキツイに決まっている。
そのストレスをほどよく、味わうためのいろんな工夫がある。
たとえば「金(かね)」を「銭(ぜに)」と言い換えるだけで汗の良い匂いがしてくると先輩が言っていた。
「『儲ける』を『食っていく』と言い換えるだけでそこに誇りが見えてくる」とも言っていた。
秀逸だし美しい。
余談だが、会社員からフリーランスになると批判されることが多い。
儲け方、休み方、仕事の受け方が激変するからだろう。知り合いのフリーランサーも、勤め人にブーブー言われていた。「よそのことなどほっとけよ」と思うが、そうもいかないのだろう。
あなたが好きな女の子を口説いたり、一生懸命勉強したり、バンドで売れようと画策したり、レギュラーを獲ろうとしたり、社内で成績一位を目指したりしている最中なら知っておいた方がいい。
「口説くこと」、「高めること」、「売れること」、「奪い取ること」、「儲けること」に罪悪感を感じさせようとしてくる周囲の人間はきっといる。
そんな負い目は感じない方がいい。ヘラヘラやり過ごして、自分の理想を信じるのがベストだ。
そうは言っても家族や友達の声をぬぐい去るのが難しいときがある。そんなとき、使う言葉を変えるのは難しくない。
汗のにおいと誇りが持てる言葉に言い換えて、高みを目指せばきっとイケてるやつまでもう少しだ。
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