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仕事探しをしない、移住のカタチ

2024年2月3日に、石見銀山 群言堂 西荻窪(暮らしの研究室)で開催された「しまねの根〜大森で見つけた暮らしのカタチ〜」に登壇させてもらいました。

移住や島根、石見銀山に興味を持ってくださる方々が参加してくださり、 晴天の温かな陽気に恵まれて、和やかな空気に満ちた時間に。

当日の様子をご紹介します。

石見銀山 群言堂 西荻窪(暮らしの研究室)へ

西荻窪駅の南口を出て降りて5分。小道を入ると、古き良き日本家屋のお店が。1階は生き方や暮らし方を提案するライフスタイルショップとして、 服や雑貨が展示販売されています。それらを眺める方もちらほら。階段を上り、2階のイベントの会場へ!

ついにトークセッション スタート

まずはじめにふるさと島根定住財団の持田さんが、ユーモアを交えながら島根県の魅力について解説してくれました。

続いて、小松﨑から移住者としての経験をお話させてもらうことに。

トークセッションでは「移住に至るまでのリアルストーリー」「転職なき移住とはなにか」「移住先を決めるうえで大切にしたこと」「石見銀山・大森町の魅力」「移住後に体験した大変だったこと」「住んでわかった島根県の魅力」についてお話させてもらいました。


なかでも参加者の皆さんから質問の多かった「転職なき移住とは」「移住に向けた3ステップ」についての話をnoteでも取り上げたいと思います。


転職なき移住とは

僕が考える転職なき移住とは、会社や職種を変えることなく、暮らしの環境をアップデートすることです。

転職にはそれなりのエネルギーが必要ですよね。しかし会社や職種を変えなければ、移住の労力はその分低くなる。じゃあ、会社や職種を変えずに暮らしの環境をアップデートするにはどうすればいいのでしょうか。

具体的には、身近な事例として以下の3つの方法があります。

1.職種はそのままで場所に制約なく働ける環境をつくる

僕の場合は①のパターンです。
職種はそのまま場所に制約なく働ける環境を作りました。

なぜなら、都心に暮らしていた頃から自然に近い環境で暮らすことを思い描いていたからです。そのために都内での仕事はリアルからオンラインでの打合せやディレクション、取材、撮影といった手法を積極的に取り入れ、徐々に移行していきました。


石見銀山には素敵なクリエイターの方々も暮らしています

デザイナーである6B・小野さんも、島根県への移住後も職種は変わらず、心地よく働ける事務所を整えていらっしゃいます。

フォトグラファーのヒデ(渡辺英守)さんも、定期的に都市圏に出張にしながら、レタッチや納品作業は石見銀山でおこなわれています。

2.会社にそのまま所属し、リモートワークをして働きはじめる

会社にはそのまま所属し、リモートワークをして働きはじめる方法は、もっとも転職なき移住をしやすいパターンだと言えます。

なぜなら移住する前に転職するのは、シンプルにエネルギーが要るから。そうであるならわざわざ転職せずとも、いまの仕事環境のまま暮らしの環境をアップデートするほうが得策ではないでしょうか。

コロナ禍をきっかけに多様な働き方を導入する企業は増えていますが、実際にリモートワークで働く友人・知人は増えつつあります。たとえば事務職や営業マンである友人は東京から家庭菜園のできる環境へと移住されています。

リモートワークを始める第一ステップは、まず会社の上司や社長に相談すること。うまくいった話を聴くと、リモートワークをすることによるメリットを会社側にも伝えているようです。

3.移住先で職は変えず、2つめの仕事をつくる

転職なき移住の3つめのパターンは「移住先で職は変えず、2つめの仕事をつくる」こと。つまりもともとの仕事をやめずにキープしながら、移住先で2つ目の仕事をはじめるということです。


近所の福石庵の店主・福石さんは、もともとは大阪で暮らしており、地縁のある石見銀山に2拠点居住中。

大阪に戻った際には内装業を営みながら、島根では長年培ってきた料理のスキルをいかして石見銀山ならではのブランド食材を食べられるカフェ&宿を開業し、運営されています。

2つの仕事を持つことで、仕事と暮らしを楽しみながら、リスクを減らすことができることもメリットといえるかもしれません。

こんなふうに、昼間から長居して過ごせるお店に

移住へ向けた3ステップ

続いて、実際に島根県に移住するまでの3つのプロセスについてご紹介しました。

①まずfacebookなどの友人・知人にコミュニケーションができるツールを使って、移籍先を探していると公言。

②そこで「この地域がいいかもよ」「 うちの地域に来てみたら?」と、仰ってくださった地域を訪ね、2〜3週間お試し滞在。

③その後は家族と話し合い、移住の基準を明確にして決めていくという3ステップです。

移住先を決めるにあたって大切にした基準は、家族が幸せに暮らせそうか。家族を喜んで受け入れてくれる雰囲気であるか。すぐに住める民家が見つかるか、という3つのポイントでした。

大森町に移住して約2年経つ自分ですが、現在どんなふうに暮らしているのか、 僕が暮らす石見銀山やその生活圏である島根県にどんな魅力があるのかお話させてもらいました。

参加者からの質問タイム!

続いて、たくさんのご質問をいただきましたので一部ご紹介します。

Q: 将来的に地域への移住を考えています。その中でも物件の探し方が気になっているのですが、小松﨑さんはどんなふうに物件を探しましたか?

僕も含め、移住した多くの方が市町村ごとにある空き家情報サイトで物件を探しています。島根県大田市でしたら、空き家バンク「どがどが」というサイトがあります。

まずは空き家バンクに掲載されている物件に問い合わせをして内覧をし、その後はお試し滞在中に地元の住民の皆さんに住める物件がないかお伺いしたところ、現在住んでいるお家の大家さんにつないでいただきました。

空き家バンクだけではなく地域の地域密着型の不動産屋さんにも予算等の条件を伝えて物件を探してみるのがおすすめです。

Q:移住する前のお試し滞在について詳しく説明していただけますか?

多くの市町村には、最大2週間ほど格安で滞在できる施設があります。「希望する地域名 お試し滞在施設」で検索すると、お試し滞在施設の利用申請できるサイトが見つかります。僕が暮らす大森町にも滞在できる場所があるので、ご希望の方はお問い合わせください。


Q:お試し滞在期間中は、どんなふうに暮らすのがおすすめですか?

お試し滞在期間は、ごく普通の生活を送っていました。暮らしてみて辛いことやストレスがないか、虫が出てきたときに対応できるかなど、移住したあとの暮らしを想像しながら暮らすことがポイントだと思います。

Q:先ほどのスライドでは東北から山陰まで日本全国の地域を巡ってお試し滞在されていたようですが、どのようなポイントで移住候補地を選び、お試し滞在をしていましたか?

ものが豊かな時代における豊かさとは、おいしい水、おいしい空気、おいしい食材ではないかと思っています。ということで滞在したすべての地域に共通しているポイントは、水、空気、食材に恵まれていると思われる場所ですね。

なおかつドイツに暮らしていた背景もあり自国の文化を大切にしたいと思ってまして、日本文化や原風景が残っているような土地に伺っていました。伺ったどの地域も素敵でしたが、自分を含めた家族が住める実感が湧くかどうかが、移住先を決めるうえで影響が大きかったかもしれません。

Q:大森町は子どもが増えていると仰っていたのですが、住民は子育てにどのようにかかわっているのですか?

「町全体で子育てしている」とよく言われますが、まさにその通りだと思います。大森町には保育園や学童、小学校があるのですが、そこに通う子どもたちは、地域に関わる様々な大人の皆さんと関わりながら暮らしています。

以下の動画や記事もご参考ください。

■ユネスコ動画

■ジモコロ

■子育て まち育て 石見銀山物語

今回取り上げた質問は一例ですが、参加者の皆様からの質問は途切れることなく、あっという間に終わりの時間に。

さいごに移住相談タイム!皆さんはサッと帰られる様子もなく、群言堂の店内を見て回ったり、ふるさと島根定住財団の持田さん、錦織さんと話し込んだり。

僕自身も参加者の皆さまからご質問やご相談をはじめ、あたたかい言葉をかけていただきました。

読んでいただきありがとうございました。

少しでも島根県に興味があるよという方は、石見銀山 群言堂 西荻窪(暮らしの研究室)に足を運んでみてください。

都心だけど故郷のような空気感が流れる、心が和む場所です。 

あたたかく迎えてくださった店長の守屋さんと樽川さん
ぽかぽかの陽気に、いい風が通る

ひとりの住民として、今後も島根県や石見銀山に気軽に関わりを持っていただけたら嬉しいなと思います。

なによりもこのイベントに興味を持って足を運んでくださった参加者の皆さん、本当にありがとうございました。一期一会のいただいたご縁に心から感謝しています。

今後も島根県の移住や暮らし関連の情報は、ふるさと島根定住財団群言堂の公式サイト、各種SNSから告知されると思いますのでチェックしてみてください!


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