滞独日記「歴史を切らないところが好き。テーゲル空港を訪ねて」
昨日はベルリンへの玄関口、テーゲル空港に行ってきました!
はじめてベルリンに来た人の多くは六角形が特徴的なこの空港を利用したのではないかと思います。
じつはこのテーゲル空港、ベルリン国際空港(ベルリン・ブランデンブルグ空港)の建設が始まったため閉鎖することになりました。
詳細はシュタムゲシュタルターさんのnoteに詳しく紹介されています。
さて。現在テーゲル空港の屋上を訪ねると(予約が必要)、要所にパネルが建てられて空港の歴史が展示されています。
やっぱり!と思いました。
ドイツらしいなぁと思うのは、なにかと歴史を展示するところ。たとえ自国にとって都合の悪い歴史であっても忘れないように。
一言でいうと、街が歴史を展示する博物館になっているんです。
日本で考えてみましょう。豊洲市場が移転するとして、そこで豊洲市場の歴史を展示するでしょうか…?
あくまでも僕の主観ですが、日本はさくさくとスクラップ・アンド・ビルドしていく印象です。
ドイツの場合は、街なかを博物館としつつ展示を終えた後にはその場所のあたらしい使い方まで提案するからワクワクするのです。
テーゲル空港は建築家や都市計画者、景観計画者で構成される6つの国際チームとベルリン市民の参加を得て、再利用するための計画を建てたそう。
アーバンテックリパブリックと名付けられたテーゲル空港利活用の再構想では、都市技術の研究及び工業団地として設計されるそうです。
さまざまな新興企業や研究機関がここに集まり、持続可能な建築とエネルギー、環境にやさしいモビリティやリサイクルといったテーマで研究と生産をおこなうとのこと。
この目的のために20,000人の新しい雇用が創出され、学生たちが住む場所にもなるそうです。
数十年後には活気のあるエリアでしょう。
未来予想図
こんなふうにイメージまで膨らませてくれるので、空港との別れを惜しむファンは、別の形で活用されると聞いてホッとするのではないでしょうか。
ドイツの好きなところは、歴史を振り返り、あらたな活用アイディアを市民に示すところ。
ベルリンの都市計画や景観計画に興味があるので、引き続きインプットしたら共有しますね。
それでは、今日はおしまい!
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余談
日本のローカルでは島根県の大森町の新たな試みとして、町並み全体を一つのミュージアムに見立てて、作品や文化財を観て歩けるイベント「石見銀山ウォーキングミュージアム」を開催しているそう(11/3まで)。
文化の残る風景には価値がある!と何度もこのnoteでも話していますが、文化が残るためにも歴史をきらないことが大切で、こういった取り組みこそ大切だと思って遠くから拝見しています。日本に帰ったら妻と訪ねたいな〜。
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