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競合との差別化考慮

「差別化ポイントは?」この問いかけに直面したことはないだろうか?既に世にあるものと同じことに挑戦しても、先行者に勝てないからこそ(もちろん、資金力で圧倒するという荒技もあるものの)アイデアをカタチにする際には、差別化を考慮することが不可欠。では、どういった点に注意して考えれば良いのか、簡潔に解説していこう。

 一つ目の考慮ポイントは、ニーズに合致した差別化かどうか。時には、既存のものとの違いを際立たせるために新機能を追加しようとすることがあるものの、そもそも顧客ニーズに沿っていなければ差別化に何の意味もない。

 例えば新しいミカンブランドを作ろうとして、備長炭を砕いてまぶしたブラックミカンを売り出そうと考えたとしよう。けれどもミカン好きが黒いミカン、備長炭をまぶしたミカンを求めていなければ、その差別化に何の意味もない。

 二つ目の考慮ポイントは、全ての面で勝とうとしていないか。時々、既存のものに対して差別化を通じて優位性を築こうとするあまり、全てのポイントに対して勝っていますという宣言を聞くことがある。けれども残念ながら、全てにおいて勝利しているアイデアは存在し得ない。

 例えば大きなサイズのミカンで勝負をしようと思い、ひたすら大きく育て上げると糖度は残念ながら落ちていく。その結果、生育コストが増加し単価も上昇してしまう。そんな風にしてトレードオフがこの世界の理の一つだからこそ、競合に対して全面的に勝つことはできない。

 三つ目の考慮ポイントは、簡単にマネされないか。顧客のニーズに沿った差別化ポイントを見出したとしても、それが誰にでも真似されてしまうようなものであれば、差別化としての価値はない。

 例えばミカンに備長炭の粉をまぶすことで、カビを防止して長期楽しめる「黒ミカン」というアイデア。しかしながら誰でも簡単にマネができてしまって、アイデアとしてもチープなので特許も取れない。

 競合に打ち勝つためには差別化が欠かせない。けれども残念ながら、どんな差別化であったとしても良いわけではない。顧客ニーズに沿っている必要があり、全てにおいて勝てることはなく、また簡単にマネされない仕組みも求められる。思いつきだけでは勝負できないということを肝に銘じておこう。


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