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ビールを飲みながら速くなる~各論②~ランニング当日朝~ランニング後

 ランニング(大会)当日からランニング後の飲酒前について書いてゆきます。意識高く前日の飲酒量をしっかり抑えていた時は、しっかりご飯を食べて水分を摂って走ればよいと思います。
 ただ、当日朝に二日酔い・・・なんてことはないでしょうか。特にマラソンシーズンは冬です。寒さと二日酔いで42kmどころかベッドからの一歩が出ない・・・なんてこと、お恥ずかしながら自分は多々ありました。
 前日の飲酒や二日酔いは、ランニング中の低ナトリウム性脱水を引き起こす可能性があり、控えるよう呼びかけられています。特に夏場は要注意です。医師としては体調不良の時は棄権をすすめます・・・が、ビアランナーとして、最善の努力の方法を書いてゆきます。

1.ランニング当日の朝

 1-1.ランニング当日の朝の飲水・食事・鎮痛剤・肝臓ドリンク

 当日の朝は起きたら、まずは飲水をしましょう。
 先ほど書いた通り、飲酒後のランニングで危惧されるのは低ナトリウム性脱水です。要は塩分が足りなくなりやすいんです。他カリウムやマグネシウムなどのミネラルも不足しています。できれば経口補水液などでしっかり飲水しましょう。
 そして二日酔いがひどいとき・・・各々やり方があると思いますが、水分を飲んで消化に良いものを少し食べてそっと休む。それでもダメであれば鎮痛剤・・・などが主流でしょうか。
 ただ走る前の鎮痛剤服用は、腎機能障害や消化性潰瘍のリスクと提言されています。少しでもリスクを軽減するために、鎮痛剤をアセトアミノフェン(タイレノール®)にする、イブプロフェン(イブ®)は避ける、水分や抗酸化物質をしっかり摂取するなど心掛けるとよいと思います。
 抗酸化物質の多く含まれた果物やチョコレート、そしてあわせて糖質の補給もしっかりしましょう。できれば30分前にBCAAサプリを、ドリンクではウコンの力、Kanzoを摂取するとよいかもしれません。

(ランニング前の摂取例)
OS-1 500ml+バナナ+ハイカカオのチョコ+おにぎり+ウコンの力(+アセトアミノフェン)

 1-2.ランニング直前の飲酒は・・・

 さて、自分は数えるほどしか知らないのですが、ランニング前にも飲酒される強者もいます。ですがランニング当日の飲酒は否定的な意見しか見当たりません。
 でも実はその昔、飲酒はエルゴジェニック効果があると言われていたそうです。ですが、1982年にアメリカスポーツ医学会が、飲酒により運動効果が低下するとを啓発してから、文献は飲酒による持久力運動の低下を論じたものがほとんどになっています。ブドウ糖の利用効率の低下、乳酸の蓄積速度の上昇、心血管持久力の低下、その結果持久力運動が低下すると言われています以前は飲酒すると、走る痛みや苦しさが緩和するとの文献もありましたが最近では辛さ(自覚的運動強度)は変わらないという文献の方が多いようです
 やはり運動前、中には飲酒しない方がよいと思われますが・・・

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 左は飲酒後に乳酸作業性閾値で走って乳酸の蓄積をみたもの、右は飲酒後バイクを漕いでパフォーマンスの変化をみたものです。いるんですよね、パフォーマンスアップする人が・・・。たまたまなのかもしれませんし、そういう人がいるのかもしれませんね(笑)。

 「基本的に直前の飲酒はランニングのパフォーマンスを落とすので、しない方がよいと思うが、そうではない人もいるかもしれない。」というのが正確な表現でしょうか。

2.ランニングの後

 2-1.ランニング直後の飲食

 ランニング後はたんぱく質ですね。
 のちに飲酒しますが、飲酒するときには脂肪分を摂取してから飲むと、血中アルコール濃度が上がりにくいと言いました。ただ脂肪を摂取すると、アルコールのみならず、たんぱく質の吸収もゆっくりになります。なので前もって脂肪分の少ないたんぱく質を摂取することが必要です。
 そしてたんぱく質だけでなく、抗酸化物質もしっかり摂取しましょう。ですが抗酸化物質(果物など)は、あらかじめ準備するのが難しいかもしれません。そして確実に飲酒されると思いますので、肝臓ドリンクを飲んじゃいましょう。どれがいいでしょうか・・・、たんぱく質と抗酸化物質というとKanzo一択ですね!Kanzoは回復系アミノ酸と言われたオルニチンの含有量が多いのもよいと思います。ただ残念ながらオルニチンがランニング後によい!!という文献は見当たりませんでした。
 

 2-2.ランニング直後のサプリ

 ではほかに摂取した方がよいサプリメントはなんでしょうか。ランニングでも飲酒でも失いやすい微量元素、亜鉛はしっかり補給しておきましょう。
 実は亜鉛を摂取すると、運動能力も向上するのではないかと言われていますが、エビデンスにはまだ乏しいのが実情です。ですが肝臓で補酵素として用いられるため、アルコールその他の代謝には必要ですし、体の亜鉛が少ないと肝臓への負担が強くかかると言われています。そして発汗や飲酒で亜鉛は失われてしまいます。
 運動前もそうですが、運動後の飲酒前には補給しておいた方がよいと思われます。Kanzoを摂取しないときはBCAAも摂取してもよいかもしれませんね。

(ランニング後の摂取例)
水分+ザバスミルクプロテイン+Kanzo+亜鉛サプリ
水分+アミノバリュー+ウコンの力+肝臓サプリ

 2-3.ランニング直後の飲酒

 ランニング後の口喝にビール!!は、普段の何倍もおいしく感じます。実際に自分もゴール直後に手渡しされたら、我慢できない自信があります!!
 ですがランニング直後のビールは控えた方がよさそうです。ランニングにより活性酸素だくさんになっている体にアルコールを入れると、さらに活性酸素を生じ、筋肉・肝臓のダメージが増加しそうな気がします。また早く酔いそうですね。調べてみると、文献では筋へのダメージ増加はないとのことでが、回復は遅れてしまうようです。また実際に実験してみると、走った直後の飲酒は、アルコール濃度が急上昇したためか、酔っている感じはやや強く感じました。ですがその後のアルコール濃度はあまり変わらないようですね。

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 想像より悪影響ではなさそうですが、よい影響もありません。第一走った後すぐに飲酒を始めると、打ち上げまでに相当量飲酒してしまいます。
 色々加味すると走った直後はぐっと我慢して、水分を摂取したりKanzoなどをしっかり飲んで、打ち上げに向けて準備するのがよいと思います。

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