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大切にするためにたくさんは持たない

クローゼットの中にメルカリボックスを置いている。
中にはもう着ない服や使わないコスメが入っていて、ひまを見つけてはちょこちょこと出品している。

出品したことがある人ならわかると思うけど、そこそこの手間がかかる。
まずスペックをチェック、写真をあらゆるアングルから撮影し、色味などを調整して、文章を考える。
洋服の場合は写真のためにアイロンをかけたりする。

うつで気力がないと、その労力が壁のように立ちはだかる。わたしはしばらく放置していた。

それが先週、ふと断捨離欲がむくむくと湧いてきて、おもむろに20品ほど出品した。
ありがたいことにすぐに半分弱が売れて、なかなかの売上にもなった。

出品の作業は労力もかかるけど、自分にも向き合うことになる。

大学生のときに初めて買った、ブランドバッグ。
とても大切にしていたけど、好みが変わったので使わなくなっていた。
写真を撮りながら、

あのパーティに持っていったな、パーティ楽しかったな。
あのデートで持っていったな。あの人元気かな。

なんて思い出に浸ったりした。

結局、売りたいような手放したくないような気持ちになってしまい、
相場よりすこし良いお値段で出品してしまった。
誰でもいいから売りたいというより、大切にしてくれる人に譲りたい。

ほかのものも、
もらったものでなければ、全部わたしが選んでこの家に連れてきたものたち。
ひとつひとつに、買った理由やそのときの欲しい気持ちがあったはず。そう思うと、ものは自分を映す鑑だな。


もっと若かったころは、良い服をたくさん買って良い気分になったりしたけど、
特に服というものは年齢によっても似合うものが変わるし、ワンシーズンに着る服の数というのは限られるから、あまりに数を持つことはあまり魅力的なことではないなと思うようになった。

でもそれは若いうちにたくさん持つことを経験したからたどり着いた考えなんだろう。
年代によって、適正な物欲というのもあるのかもしれないな。

最近はもう衝動買いもしないし、
ひとつひとつの買い物にも慎重だ。

そのいちばんの理由は、ひとつひとつを大切にしたいから。

ものを持つということには、手入れする時間や労力がかかる。
服なら洗濯やクリーニング、
靴やアクセサリーなら磨いたり。
ただ置いているだけのものにも、埃がかぶるからそれを拭いてあげないと汚れてしまう。

時間もエネルギーも有限だから、
たくさんものを持つと、ひとつひとつのお手入れが疎かになりがち。


だから、ひとつひとつを大切にするために、たくさんは持たない。



人が管理できる服の限界は100着だと何かで見てから、それを上限にクローゼットの計画をリスト化している。
今なにを持っていて、あとなにがほしくて、今年はなにを買うかを、スマホのメモ帳に入れている。

100着をシーズンやカテゴリごとに分類していくと、そんなにたくさんの種類を持てないことがわかる。
だからクローゼットにエントリーできるのは、少数精鋭のお気に入りアイテムだけだ。

そうやって少しずつ理想を具現化したクローゼットを眺めるのは、とてもしあわせなもの。
より大切にしようという気持ちが強くなって、愛情が深まる良い循環が生まれる気がする。

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