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たからばこ

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#まちづくり

地元で生きたグランドレベルを見てみたい 〜いきいきとしたまちを求めて【断想】

地元で見たい景色のことが書かれている本に出会った。 2017年に出版された、田中元子さんの『マイパブリックとグランドレベル』(晶文社)だ。 僕もメンバーである SWLAB というプロジェクトで、今度開催するイベントのゲストの一人が田中元子さんに決まり、事前学習のために手にとったのだが、面白いのなんの。 僕自身、これまで地元滋賀で「まちづくり」に少々関わってきたのだが、田中さんのことを知らなかったのが恥ずかしい(もちろん「喫茶ランドリー」の名前くらいは知っていたが、ちゃんと

これからの新しい「デザイン」、そのイメージを掴もう!人の幸福のために「ゼロをつくる」という意味を「喫茶ランドリー」を通して考えてみた.

先日、ある学生の方に田中がインタビューを受けていて、そこでポロッと学生さんが言いました。 「田中さんがされているのは、ゼロをつくる仕事なのですね」 その瞬間、目から鱗で、インタビューが終わった後も、田中とあれは言い言葉だったね、と話したりしていました。ゼロか。確かにゼロなんだよね。 何のために「デザイン」はあるのか?私たちは日々、仕事を通して、ざまざまなことを「デザイン」しています。そして、世間にはさまざまな「デザイン」に関わる仕事をされている人がいます。そして、常に「

「あの浮浪者は明日の私」 私を変えた田中元子の一言

ベンチや公園に関するプロジェクトをしていると、よく浮浪者の話が話題に上ります。 トーキョーベンチプロジェクトで、神田や京橋でベンチ設置の社会実験をさせていただいた際もそうでした。行政や企業の関係者の皆さんは揃って、こう仰いました。 「これでは浮浪者の方が寝るのではないですか?」 その一言が向けられる度に、私たちは瞬間湯沸かし器のように、こう返します笑。 「ベンチが少ないから、浮浪者が寝ていると、自分たちのベンチを取られたように思うのです。それはベンチを設置しない理由に

喫茶ランドリーの憲法|6ヵ条:働くこと、共に生きること、あなたらしくいること、幸せになること、そのために必要なことをギュウっとまとめてみました!

喫茶ランドリーを考えはじめた当初、数多くカフェを運営されている方に何が一番大変ですかと聞いたところ、「それは人間関係ですよ」と答えて下さいました。むろん、そんな答えを聞いても、人一人雇ったことのなかった私たちには、何一つイメージが沸きませんでした笑。 そのような中で、気が付けば独自のお店をづくりをしてきたのだと思います。これまで喫茶ランドリーが、お客さんにとっても、また働くスタッフたちにとっても、他の場・お店にはない居心地を実現してきた背景には、人間らしい圧倒的な信頼関係が

理念のフランチャイズ「喫茶ランドリーグループ」の発足&東京・清澄白河と福岡・六本松にフレンドリーショップオープンのお知らせ!

今回は、喫茶ランドリーのフレンドリーショップが、東京・清澄白河と福岡・六本松にオープンするよ!というお話、と「喫茶ランドリーグループ」発足のお知らせです。 喫茶ランドリー事業とは、理念のフランチャイズ株式会社グランドレベルは、喫茶ランドリー事業の進化と多様性を的確に伝えていくため、2020年6月1日付で、「喫茶ランドリーグループ」(英文表記:Kissa Laundry Group)と表現していくこととしました。 これまで、「喫茶ランドリー」(両国/森下 本店)を理想的な「

マイクロツーリズム?違うでしょう?CPH「観光の終焉」から日本の観光を考える。日本型「観光」は、もう終わらせませんか?

コロナでほとんどすべての業界に歪みを起こしています。少し前まで、日本はオリンピックまであと数ヶ月、どこもインバウンド熱気でいっぱいでした。その反動もあって、最近は「観光」を扱うニュースが多いように思います。 以前、上のようなnoteを書いたことがありました。コロナが起きた今こそここで立ち止まって、完全コンテンツ型の日本の観光も舵を切るべきだ!という確信と共に、そうなる兆しが生まれるといいなと少し希望を持っていました。 ところが、テレビで特集されるのは、地方のお客さんが来な

コロナからのまちづくり03|利他主義とまちづくり|Eテレ超訳ジャック・アタリ(経済学者・思想家)から、田中と大西がグランドレベルの所信表明2020を!

先日、深夜にそれとなくテレビを付けたら、Eテレでジャック・アタリさんという経済学者で思想家の方の緊急インタビューが画面に映っていました。今回はそこから、私と田中元子で会話したことを、今回はそのまんま公開! (´・ω・`) 今、Eテレでジャック・アタリさんて人が、いつも我々が話しているようなことを語っとたよ! 冒頭のタイトルが「altruism・利他主義」。 (´・д・`) !!!でも俺ね、知ってんの。この「利他主義」って言葉、すっごい誤解されるんよね。英語のママが伝える

【後編】オルタナティブな未来〜一人ひとりが本領を発揮して生きていくためには〜

強い同調圧力の中で、しかし、分断が起こっていく。「自粛」と「粛清」のはざまで、ぼくたちのリアルな暮らしは揺れ動く。ひとりの人間としてできることは、それほど多くない。けれど、できる人間が自分の表現をしていかないといけないのではないか、とも思う。なぜなら、表現という行為は、いともたやすく他者や社会から圧殺されてしまうからだ。 自分の中の小さな「灯火」に誠実であること。これのみを大切にして生きていきたい。情報やデータはあくまでも使うものである。その主客が逆転してはいけない。 そ

愛着から安心へ

インターン生の山本和輝と言います。 インターン生と言っても、つい先日に誕生日を迎えた35歳(既婚・医療従事者・大学院生)です。僕は兵庫県丹波市出身です。丹波市は自然が豊かで、歴史やロマンあふれる街並みが今も残るいい感じの町です。転勤族だった両親が定住するために選んだ場所です。僕は、丹波市に4歳から21歳まで過ごしました。専門学校時代は、片道2時間半という時間をかけて丹波から大阪市内まで通いました。 今でも丹波には、親に子供の顔を見せるため月1回程のペースで帰省しています。

胸を張って「生きづらい」と叫ぶ権利は、ぼくにあるのでしょうか

「生きづらい」とか「助けて」って言うことは、勇気がいることだなと思います。それは、自分で自分を「弱い」と言ってしまうようなことだと思うから。だから、とてもこわいなって思うんです。 でも、どうして「弱い」と告白することがこわいんだろう、とも思うんです。弱いと、だれかに狙われるから? いや、それとも、「強くなければいけない」「自分の責任は自分で」という誰かのメッセージを自らのうちに内在化させてしまったから?そのある種の「正しさ」や「規範」から逸脱してしまうことを恐れているから

今すぐになんてやらなくてもいいよ

数年前、ぼくが活動をはじめてまだ間もない頃のこと。それでも小さなイベントはたくさんこなしていて、少ないながらに人は集まっていた。 人が集まるということは、いろいろな想いが集まるということでもある。でもぼくは、そうした想いをうまく受け止められていなかった。 いや、大きな失敗をした訳ではない。けれど、確かにこぼれ落ちていくなにかが、そこにあったように思う。 --- 少し寂(さび)れた、でも活気があった空気は確かに残る商業ビルの中につくった「amare(あまり)」という秘密

「喫茶ランドリー」はどうしてヤバい?市民の能動性を引き上げ、受け入れる。グランドレベルの壮大な実験がはじまりました。

グランドレベルの企画・運営で、昨年2017年12月にプレオープンし、2018年1月5日にグランドオープンした、ちょっとだけ話題となっている「喫茶ランドリー」は、ただのランドリーカフェではありません。そこには、0歳児から高齢者までの、たとえばこんな自由な使い方、過ごし方が展開されています。 代表の田中がグランドレベルという会社を設立したのが、2016年9月。それ以前から会社設立の話は方々にしていたところ、設立前にも関わらず相談ごとを持ってきてくださったのが創造系不動産でした。

知ってます?「サードプレイス」の本当の意味。8つの条件をクリアして、社会的・経済的価値を、より高める。次の時代のカギはココ!

「サードプレイス」って言葉、聞いたことあります? 巷では「家と職場・学校との間の第三の居場所」のような意味合いで、カジュアルに使われるようになっているようです。けど、改めて調べてみたら、実はほとんどの人が、その意味を把握せずに使っていることがわかったんです。というわけで、今回は、一緒に「サードプレイス」とは何かを学び、考えましょう。 なぜ今、サードプレイスを考えたくなったのか?そもそも、どうして今さら「サードプレイス」という言葉が気になったのか。「喫茶ランドリー」をオープン