見出し画像

星野道夫、約束の川

昨夜、星野道夫さんの『約束の川』を読み終えた。

とってもよくて、ああ、この人のように世界に向き合えたら、この人のように言葉が紡げたら、と、とてもうれしくなり、ほかのも読みたい、写真集も眺めまわしたいっとネットで調べていたら、その流れで星野さんの最期を今更ながら知り、とても落ち込んでしまった。

ねこを撫でながら、ぽろぽろ泣いて、なにがかなしいのかうまく伝えられないけれど、とにかくショックで、やるせなくて、なんだよなんだよ、とねこに顔を埋めて、寝不足のまま仕事へ行った。

そして今日帰り道、吸い寄せられるようにして入った本屋で写真集を手に取ってみた。

壮大なアラスカの自然、カリブーの大群、ワタリガラスの巣、クマの親子、エスキモーの人々。
写真からでも伝わってくる、気の遠くなるような広大さに、神秘に、そしてやさしさに圧倒され、やはり泣きそうになった。

あの繊細でやさしい言葉たちを求めているのに、星野さんの本を手にとる勇気はしばらく湧かないだろう。次いつもう一度星野さんの本を手に取れるのかわからないけれど、絶対に絶対に来年の冬にはもう一度読もう、と決めた。

それまでに、すこしずつ、このわからないもやもやと、くやしさと対峙したい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?