松屋がサンタクロース

横を向いて寝転んだとき、下側になった肩が痛くなるのは、私の場合ぜい肉が薄いのと、枕が合ってないからだと思う。

先日、体格の異なる人から聞いた話では、肩にきちんと肉がついていると、肩掛けショルダーバッグを使っても肩が痛くならないとのことだ。つまり肩に肉を蓄えれば、日常的な肩の痛みはすべて解決するかもしれないということである。

贅肉の「贅」は贅沢の『贅』。贅沢してお肉をたくさん食べたら贅沢な肉が私の贅肉となるのだ。だが、あいにく私は肉を調理するのが苦手だし、肉を買ったこともたびたび忘れてしまう。焼肉屋は一度の金額が嵩むから、入ることにも勇気がいる。さて、ではどうやって肉を食べるか。実現できそうにないことで悩むのはナンセンスだ。だから私は、松屋が近所にオープンすることをお祈りすることにした。

以前から、近所の空き店舗を見ては「この場所を松屋さんが今見つけたら、私達はWIN-WINだよ」と脳内の松屋の権力者に微笑んでいた。あらゆるデリバリーや飲食店がなぜかぽっかり圏外の我がエリアに店舗を出せば、もうここは松屋さんの天下である。地域のみんなが一人残らず松屋で育つことになるかもしれない。ソウルフードは松屋。いい。とてもいい。

願いが叶うまでの間、ネットに売っている冷凍30食分の牛飯の具を買おうかな、と思ったけれど、松屋は親切なのでおまけをつけてくれるらしい。すると欲が出た私は、おまけに迷い過ぎて眠くなってしまい買うことができない。おまけを決めて、よし今日こそ買うぞ!と心の準備をしても、冷凍庫に適度な空きがない。そのうちに心に決めたおまけのことを再び迷い始めてしまう。欲深さがすごい。

やっぱり松屋には、なるはやでオープンしてもらいたい。松屋の米は美味しい。松屋のカレーも美味しい。持ち帰り弁当を作ってもらっている間に、私は「創業ビーフカレー牛」を平らげる。松屋が徒歩圏内にできたら、私の肩はぜい肉がつき、肩の痛みは取れ、ぐっすり眠れるようになるだろう。

松屋の肉でうまいうまいと喜んでいる私は、幸せ者なのだ。良いお肉を買って自宅で調理しても、私の欲しい味に決まることは少ない。松屋はいつも「これこれ!」という味を届けてくれる。しかも容器はセパレート式。この容器からは、愛しか見つからない。

まくらを買うより松屋の牛飯、そう思ってしまうほどに松屋の存在は大きい。はたして、まくらが先か松屋が先か。今決断をするべき時である。でも、できることならお願いが叶うのが一番がいいな。

そういえば昨日、秋の夜長に聞こえる「シャンシャンシャンシャン」と鳴く、鈴虫ではない虫の声を再現してくれた人がいて、その声は優しくて穏やかで、むしろ虫の気配は全く感じず、代わりに私は、次のサンタクロースにお願いすることをそろそろ考えなくちゃならないのだと気がついた。

クリスマスの夜、松屋ができてることを想像したらトキメキでワクワクする。そしたら年末年始は松屋三昧だね。バレンタインもお雛様も松屋の人に作ってもらえる。ネバーエンディング松屋。

サンタさんはじめ神様仏様お天道様松屋様、どうか近所の空き店舗に松屋が来るようにしてください。楽しみにしています。

次、松屋に行ったら何を食べよう。
おなかがすいた。

ぜひサポートをお願いします!ふくよかな心とムキッとした身体になるために遣わせていただきます!!