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きっとだれよりもコロポックル§4

ーキツネの͡子と巻けないフィルムー

カメラのシャッターが押せないことなんてあまりない。ズバリいうけれどコロポックルのしわざなのだよ。ふたりのことが見つめられないのだ、それほどに。セミの声もレンズにはうつらないし、巨大な大理石の下敷きになったようなほどの感動もうつせない。


「また来るような気がする」と、美術館を去りながら、フィルムがうまく噛んでいなくて何も写っていなかったあの時になぐさめる言葉のように。1本のフィルムをすべて撮りきらずその日を終えていた日のことを思い出す。時の流れがゆっくりだったあの頃ににている。

美唄の栄枯盛衰も知っておこうと我路地区を走ってくれた。グーグルマップの悪戯だろうか上手に地図をあらわさない代わりに、キタキツネの子どもに導いた。この眼は、ここにも、彼女と同じビー玉眼ではないか。

きみも、コロポックルなのか。

ものがたるコッチョリーノ「きっとだれよりもコロポックル3」

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