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都市という生態系

最近地元である福島をフラフラする機会があったのだが、郡山駅から郡山市役所に続く、いわば中心市街地の中核オブ中核の通りの中腹らへんに、突如広大な駐車場を持つショッピングモールのような集約型商業施設が出現し、めっちゃ驚愕してしまった(「えーーーーっ」って声が出た)。

郡山駅から郡山市役所まではおおよそ車で10分なので、駅から車で5分足らずといったところか。
ショッピングモールって、普通は中心市街地から離れたいわゆる郊外の幹線道路沿いにあるものじゃなかったのか…あれ?あれ?

悲しきことに、我が実家のある郡山駅周辺、とりわけ徒歩圏内の街並は、いわゆる「都市のスポンジ化」というやつになっている。
車社会(モータリゼーション)への移行に伴い、居住及び商業機能が郊外に移転し、駅前から人が消え、需要減退により建物なくなり、とりあえずな土地運用としての駐車場が虫食いのように広がる現象のことをいうらしい。

そのような状況で、駅から車5分の近距離にショッピングモールをつくたら、駅周辺の再生はもはや無理ゲー感があるし、交通量増で市街地の環境悪化もあるだろうし、当時どういう経緯があったんだろうか。

とりあえず、コンパクトシティおわた…orz
コンパクトシティ的理念との逆行感が半端ない。
なぜ郡山市長、開発許可下ろしたし。
(用途地域確認したらピンポイントで準工業地域になってたから何か政策的意図があったのか…)

ダサくなりゆく地元への失望と絶望を感じつつ(駐車場ってほんとダサい)、それはそれで適度に見過ごしつつ、こうやって様々な環境や事情に影響されながら変化していく都市の移ろい、何か生態系っぽさを感じるようなものに着目している。

例えば、都市というトピックでよく耳にするワードといえば、コンパクトシティとかスマートシティあたりではないだろうか。
コンパクトシティは、例えば、少子高齢化で過疎った地域のインフラ維持コストが厳しいとか、車からのCO2排出削減のため徒歩や公共交通機関での移動を促すとかのため、都市再生特別措置法の立地適正化計画に伴い、居住や商業施設の立地誘導をするというもので(たぶん)、スマートシティは、テクノロジーを活用して、交通、エネルギー、インフラなど様々な都市構成要素のマネジメントを自動化、効率化、最適化するもの(たぶん)。
つまりは、少子高齢化、地球環境などの社会課題に対するハード的アプローチがコンパクトシティで、ソフト的アプローチがスマートシティといったところ(かな?)。

じゃあ、今までの都市はどんな感じで出来上がってきたのだろうということで、戦後あたりから少しサーベイしてみたところ、当前ながら高度経済成長と政策としての都市計画によって規定されてきたみたいだ。

高度経済成長期、人口の急激な増加とモータリゼーションによる市街地の拡大による都市の景観や環境のようなQOL的価値観をおざなりにした開発が進んだため、それらのコントロールとして都市計画制度が整備されていった。
しかしながら、実は都市計画の規制はゆるゆるだったらしく、それにより地方都市のスポンジ化と最強ナチュラルコンパクトシティ東京への一極集中を招いているのが、ざっくりとした今までの流れ(たぶんアゲイン)。

そして、これまでハード側によって規定された都市だったけど、テクノロジーの発達によってソフトによる生態系への介入が始まっているのが現在というわけか。
業種にでいえば、これまで行政、建設業、不動産業などの範囲だったのが、多くのIT企業などが参入できる分野に変容しているのも当然の流れ。

ということもあり、次にスマートシティに参入している企業を少しサーベイしてみたんだけど、なんとなくな違和感を感じてしまった。
それは、どの企業も口々に、「AI、IoT、ビッグデータ、DX」とかのワードが起点となっている部分なのか。
例えば、「(諸々テクノロジーの活用による)エネルギー消費の最適化」と言われれば、そりゃ地球環境的にいいことだなぁというところまでは理解できる一方で、実際にその都市で生活している市民のメリットってなんだっけ、意識高ければOKなんだっけ、ってなる。
ああ、高度経済成長期の開発需要の氾濫がテクノロジー活用の氾濫に入れ替わっただけか。
そして、誰にも利用されず廃墟化する謎プロダクトの数々…
(とはいえ、違和感の本質がそういうところなのか、まだよくわかってないので、このへんもうちょっと考えたし)

少なくても、都市にテクノロジーが埋め込まれた何某かが実装されたとしても、ユーザーである市民に利用してもらえなければ意味がない。
それによる生活の豊かさが伝わらなければ意味がない。
まずそういった豊かさの定義から入るんじゃないのかな、と個人的には思ったりしている。
ゲームも当然だけど、面白さが伝わらなければすぐ離脱されるわけですし。

これは以前公務員やってたとき少しかじった記憶によるものだけど、都市計画など含めた「まちづくり」分野においては、20世紀終わりぐらいから住民参加の重要性が叫ばれて、都市計画決定プロセスに公聴会とかパブリックコメントの追加とか住民参加の手続きが制度化されたり(実はそういう現場にいたこともある)、NPOの活動が盛んになったりしているけど、まだ一部の人のもの感な印象が強い。

この市民参加の新しいデザインが、新たな都市の生態系デザインの鍵で、ここのアップデートから整えていくのが良いんじゃないのかなって、なんとなく思っている。
(いきなり話が飛んだ感は否めない)

今のところのキーワードは、デジタルによる、フェアネス、専門知識の民主化、祝祭性あたりかなと思っている。

ということで、今回はここまでで、続きはまた後日?

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