BrewGoodという新たなチャレンジ

2018年10月に株式会社BrewGoodを設立する。
ホップやビールで、街や社会や業界に対してSocialGoodな仕掛けをしていく会社。

企画書をつくり、少しずつ提案や説明の場をつくっているが、どういう背景でこの会社をつくろうと思ったかを説明しようと思う。

加速していく「ビールの里構想」

遠野市での「ホップの里からビールの里へ」を合言葉にした挑戦はこの1年で大きく進んだ。

2017年11月に、株式会社遠野醸造が設立。歴史ある上閉伊酒造(ズモナビール)に続き、遠野市第2の醸造所が誕生。遠野醸造は、クラウドファンディングでCAMPFIREのフード部門で歴代2位(当時)の支援金を集め、満を侍して2018年5月に開業。TAPROOMは順調に営業を続けている。

最近では、キリンビールと農林中金が出資した、新農業法人・BEER EXPERIENCE株式会社の設立がニュースとなった。ホップ栽培の高度化を進め、日本のホップ栽培の歴史が塗り替えられていくことだろう。さらに、BEER EXPERIENCE社を中心とした「ビアツーリズム」も、今年多くの参加者を集めている。

4年目となるホップ収穫祭も雨天にも関わらず、多くの方が参加し、来場者数・売り上げともに過去最高記録を出した。

ホップやビールに関わる方々から、「遠野が羨ましい」という声をかけていただくことも増えてきた。みんなで掲げた目標が徐々に達成されていく手応えを感じている。

構想のスタートは危機感から

一方で、今年の春くらいから、危機感も感じていた。このままではダメだ、という想いがふつふつと湧き上がっていた。それが、BrewGoodという新しい役割を遠野につくろうと思ったきっかけだ。

新しい醸造所や、農業生産法人ができることが私たちのゴールではない。本当のゴールは「ビールの里構想」の具現化である。「ビールの里」と呼ばれるためには、まだまだ機能やプレイヤーも足りないし、活動が限定的であると思っている。

私自身も遠野醸造の立ち上げに参加し、オープン前後は本当に忙しかった。他のプレイヤーも、事業の立ち上げに奔走している。気がつくと、計画の進行と共にビールの里構想を掲げて挑戦していたコアなプレイヤーが散らばり、それぞれの事業に集中しはじめていた。持ち場で事業化を進めることは、それが全体の構想に繋がっていくものであり大事なことである。

でも、そのままで進んでいくと、全体の構想を描き、マネジメントしていく人がいなくなるのではないか。気がつくと微妙にズレていくのではないか。関わる人が増えていくとそれぞれの思惑も多様化するように、計画が進むほどに全体マネジメントの必要性が高まっていく。これが危機感の理由だった。

また、2年前に掲げたコミュニティブルワリーをつくる、ホップ栽培を進化させていくというような目標が少しずつ実現しつつある中で、次のステージに向かうための目標を新たに設定していく必要も感じていた。

こういった背景から、BrewGoodという「ビールの里構想」をプロデュースし、継続してマネジメントをしていく役割をつくった上で、もう一度大きな夢を掲げて声をあげようと思う。

3年でビールの里の”要素”をつくる

ビールの里を具現化するための、次なる夢とは何なのか。3年後をゴールとして、下記の7つのビールの里”要素”をつくっていきたいと考えている。個人の意見ではなく、関係者の方々と話してきた「こういうのがあったらいいよね」をまとめ、目標化したもの。これらを実現することが、BrewGoodのミッションでもある。

飲める:
遠野市内には3つめのブルワリーが新しく完成。市内の3つのブルワリーでは遠野産ホップを使ったビールが飲める。
食べる:
地場産物を使った多様なおつまみメニューが生まれる。そういったメニューが自発的に生まれていく仕組みや、食に関するメディアが誕生する。
体験できる:
ビアツーリズムの定期開催、事業化が進む。観光客だけでなく、飲食店・企業・自治体向けの研修型ビアツーリズムの実施がはじまる。
宿泊できる:
ビールの里を体感できるゲストハウスをつくる。シェアハウス機能も併設し、移住希望者のお試し住居や仮住まいとしての機能も果たす。また、既存の宿泊施設にビールの里宿泊プランがつくられていく。
学べる:
博物館やアカデミーなど、ホップやビールについて学ぶことができる場ができる。全国・海外からも学びにくる人が増えていく。
買える:
新しいプロダクトが生まれ、それらを通じて、ビールの里ブランドがPRされる。まちにそれらのグッズや服を身につけた人が増えて賑やかになる。
チャレンジを増やす仕組み:
ファンドの設立、コーディネート機能の拡充など、現在の限定的なプレイヤーだけではなく間口を広げ、新しいプレイヤーを発掘・支援する仕組みをつくる。

BrewGoodが事業主として全てをやるのではない。今のプレイヤー、これから加わっていく新しいプレイヤーが上記のビールの里要素を作っていくのをコーディネートしたり、企画設計したり、制作したり、出資したり、インキュベーションしていくのだ。やりたいという人がいればサポートしたい。やる人がいなければ自分たちでもやる。

例えば第3の醸造所は、普通につくれば、今ある2つの醸造所と小さなマーケットを喰い合うことになるが、そんなことは考えていない。今までとは違う形で、そしてビールの里として全体で相乗効果を産んでいくような醸造所のモデルがつくれないかと検討を始めている。新しい発想で、今までにない仲間を巻き込んで進めていこうと思っている。

今本当にやるべきなのか

そんなに焦って進めなくてもいいのではないか、という悩みもあった。でも、やはり今のスピードと、このタイミングは大事にしたいと決断した。前に進めて成果を出していくことは、今のメンバーで挑戦を続けていくためにも重要なことだと思っている。さらに、ホップ農家の減少だけでなく、人口全体の減少、観光客の減少も待ったなしで進んでいく。アクセルを踏み直すタイミングを逃すと、変わるものも変わらなくなってくる。

私個人としては、この新会社を設立しても、株式会社遠野醸造には引き続きコミットしていくし、今関わっている他地域のプロジェクトも責任をもって進めていく。何かだけに集中するのではなく、パラレルに挑戦することで、パワーアップした自分で社会に価値を返していけると思っているから。今年、BrewGood構想を一緒に進めていくための強力な相棒(彼のことは後日紹介する)もできたので、キャパも緩和されるし、まだまだやれる。

BrewGoodの舞台は遠野だけではない

色々な場で話しているが、遠野だけ良くなればいいとは全然思っていない。この遠野の取り組みは、日本のビール文化をもっと面白くしていく一つの動きとなるといいなと思っている。今、日本各地でビールを軸としたまちづくりの取り組みや、仕掛けが進んでいて、個人的にヒアリングや相談を受けることも多くなってきた。ただ、中には、もっとこうしたら面白くなるのに、広がるのに、という案件もある。そういった案件にBrewGoodとして企画のサポートやアドバイスとして入っていければと考えている。一部だけで盛り上がっていても面白くないし、本質的なビール文化の進化には繋がらないから。

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ビールの里“要素”のそれぞれの狙いや、どのような実現の方法を考えているか、なども書きたいが今回はここまで。動き始めている部分もあるので、少しずつ形にしていく課程も公開していきたい。お楽しみに。

興味を持っていただけた方はこちらまで→(連絡先:info@brewingtono.jp)

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Tamura Junichi

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