生きる。

生きるということ

その虚しさに苛まれたことがあった。
決して、怖くはないのだ。でも、

どんな個性的な人生を送っても
どんな幸せな思い出を築いても
どんな素敵な人間関係に恵まれても

最後「死」という大きな扉を開けば最後
全てを僕は失ってしまう。

死ぬということ

それに救いを求めることもあった。
決して死にたい訳ではないのだ。でも、

どんなに誰かから嫌われても
どんな理不尽を目の当たりにしても
どんなに身体の具合が悪くて辛くても

僕たちは「ゼロ」へ還ることができる。
「逃げ」の切り札を、神さまは僕たちに与えてくださっている。
そんな気がしていた。

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「人間は死から目を背けたくなる」……これが常識みたいにあたりまえで、だからこそ
人間は生きることと死ぬことを対極に置きがちだけれど
決してそんなことはないんじゃないかと、最近の僕は思う。
「生きる」ということの堆積によって完成された「あなた」という人間が、最後に歩き着く先が「死」で、そこで全て背負ってきた経験の地層という、とてつもない荷物を降ろして、そっと、僕らはこの世から去っていく。
生と死とは同じ線上で連続性を以て繋がるもので、
親和性が高くて、
その時々で生きたくなったり、死にたくなったりする。

じゃあ僕は、果たして「生きたいのだろうか」?それとも「死にたいのだろうか」?

未だ生を知らず、焉ぞ死を知らん(『論語』先進11-12)

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