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僕はこの街を一人で歩いて行かなきゃならない

「絶望の朝」って、ある程度大人になったら皆さん経験されているのではないでしょうか?

仕事で大きなミスをした次の日の朝。

なぜか仕事や学校に行きたくない気持ちが強すぎて沈む朝。

怖い上司の顔が浮かんで引きこもりそうになる朝。


私にとっての最初の絶望の朝は、父親が亡くなった次の日の朝でした。

17歳の私には父の急死というのはあまりにも現実味がなく、

次の日の朝になってやっと実感しました。

重くなった家の空気と、突き刺さるような寒さのなか迎える薄暗い朝。

ああ、これから私たちは父なしに生きていかなければいけない。

経済的に困ろうが、頼りたいと泣き喚こうが

死んだものは仕方ないのだ、と。


少ししてから、それは「私」に変わりました。

兄は予定していた留学に行って帰ってこないし

母は精神的に不安定になるし

この母を支えるのは私しかいない。

自分の問題や寂しさは

自分で対処できるようにならねばいけないと知る時期が来たのだと思います。


そんな時にお世話になった、私を唯一そばで変わらず支えてくれたのが

とある音楽スタジオのスタッフのお姉さんでした。

たまたまそのスタジオの横で葬儀を行ったことで

同級生の子たちから事情を聞き、

当時23歳にして私を懸命に支えてくれた人でした。

そんな彼女も大学1年生の時に留学へ行くから

奈良を離れる、と聞いた日。


それが本当の絶望を初めて感じた日でした。

あれだけ支えてくれた人が、これからも一緒にいると思っていた人が

離れることの寂しさ、心細さ。そして絶望感。

「ああ、今こそ本当に一人で歩いていかなければいけない」

そう思った時に書いたのが【絶望の街と朝の光】という曲でした。


この曲の冒頭は次のような歌詞から始まります。

世界が僕を見捨てるから また一人に戻ってしまう
僕が何をしたと言うんだい 答えで潰される夜が明ける

もう26歳になった私は、多少のことでは「世界が僕を見捨てる」だなんて思わない。

だけど、いつも「僕が何をした」のかは、忘れないでいようと思う。


たとえば父親を失ったあと一人だと嘆いていたのは

どうせ両親の揃っている友達にはこの気持ちは分からないと避けていたから。

頼れそうな人を探そうともしなかったことだと思う。

意外と人は自分で自分を追い込んでしまう、というのも大人になった今は分かる。


私が生きる上で今でも大切にしているのはこの部分。

歩け 僕はこの街を一人で歩いていかなきゃならない
歩け 明日はすぐそばに待ってる いつもの苦しい光で


「一人で歩いていかなきゃならない」

死ぬ時は誰だって一人で死んでいく。

一緒に死ぬなんてほぼ無理ですもんね。

だから、生きている時も常に誰かがそばにいてくれると思わないこと。

これって意外と大事だと思う。


誰かのせいにしたり、誰かの力をあてにしたりしない。

受け取れる分の助けだけ受け取る。

受け取れる分の助けとは、もし失っても自分に支障が出ない範囲の助け。


結婚したり、生涯ともにいようと誓う友がいたとしても

相手のことを過剰に頼りすぎないこと。

ベースは一人なんだと理解していないといけないと思う。


だから、どんな辛い現実や目を背けたくなるような事実にも

自分で折り曲げて捉えたり

誰かに責任を押し付けるんじゃなく、

真っ直ぐに考えて向き合うべきだと私は思う。


17歳の私をずっと支えてくれた彼女が言った、

「思考停止だけはするな」

それが私にとっての

「一人で歩いていかなきゃならない」

自分の人生を背負えるのは自分だけだし

誰かのせいにして一生を生きるのは格好悪い。


時には一度休むことだってあってもいいけど

だからといって全て投げやりにしても良いわけではなく

未来の自分のために休む。


私の人生はものすごくちゃらんぽらんに見えると思うけど

ヒモになろうが、無職になろうが、鬱になろうが

なんやかんや自分を見失わず

乗り越えられてきたのはこの考えのおかげだと思う。


自分が自分の人生をどうでもいいって思っていたら

誰があなたの人生大事にしてくれるのよ。

と、あの17歳の私に今は思う。



2024年3月2日(土)昼 @京都 山科 カフヱのちオンガク室
初のミニワンマン?ファンミーティング
【かれんと喋ろう!】
 
開場 13:00
開演 14:00
チケット料金 投げ銭+1プレート(ランチ、またはデザートからお選びいただけます)
出演  田なかかれん/ サポートGt. Ryo
場所 カフヱのちオンガク室(ホームページに飛びます)
ご予約はこちらより!
メールアドレスに飛びます
 
2024年3月2日(土)夜 @京都 山科 カフヱのちオンガク室
タイトルふざけてるけどガチな先輩お二人をお呼びしてのスリーマン
【そうだ インド、行こう】
 
開場 16:30
開演 17:00
チケット料金 3000円+要飲食代
出演  かしもとゆか/ 西山小雨/ 田なかかれん with サポートGt. Ryo
場所 カフヱのちオンガク室(ホームページに飛びます)
ご予約はこちらより!
メールアドレスに飛びます



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