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『人をやる気にさせられる存在でありたい』高校教諭 島村学さん

高校の数学教諭として働く傍ら「ここだけの保護者会」という先生と地域を繋ぐ交流の場を主催している島村学さん。満面の笑顔と親しみやすい人柄は、生徒はもちろん地域の人達からも愛される人気者です。その背景に何があるのか、島村さんの人生ストーリーをご紹介します。

 【プロフィール】
東京都生まれ。大学で建築を学び、民間企業に就職。入社後、とある出来事がきっかけとなり教員へ転職。数学教諭として勤務する傍ら、学校の先生と地域の方々がフラットな立場で教育について対話ができる場『ここだけの保護者会』や様々なワークショップを主催。

学校の先生になった理由とは

記者:どうして学校の先生になろうと思ったのですか?
島村さん:大学卒業後に民間企業に入ったのですが、ずっとこの仕事をやっていくのか疑問で、自分が真剣にやりたい事は何かを考え出したんです。ある日仕事が終わって地元の駅に帰った時に、「先生!」と呼ばれたんですよね。大学時代に塾の講師をやってたんですけど、塾の教え子だったんです。自分のことを“先生”と呼んでいるとは思わなくて振り向かなかったから...、教え子が後ろからタックルしてきたんです。

その後このタックル事件が3回くらい続いたんです!塾の講師はバイトだったし、辞めた自分でも一生『先生』という印象が残るくらいすごい仕事なんだなと思いました。塾の講師は、バイトで先生という意識がなかったから申し訳なかったなと思って、彼らのためにちゃんとやってあげたいなと思いました。何かをちゃんとやろうと思えたのは、人生で初めてでした。

記者:塾の教え子さんとの出会いが、生き方を変えたのですね!
島村さん:働きながら教員免許を取得しようと思ったんですけど、それは難しくて、入社1年目でしたが仕事を辞めて教員免許を取得するために学校に通うことにしました。

“ここだけの保護者会”誕生~先生という枠を越えて

記者:現在はワークッショプデザイナーやまちにわ師という資格を取得し、様々な場を主催していますね。先生の枠を越えて、そのような活動をしているきっかけは何だったのですか?
島村さん:違うことができるようになっていないと、この先は生き残れないと思ったことがきっかけです。進路指導の時、自分の知っている世界で伝えても視野が狭いと思って、外に出ないといけないという問題意識がありました。

記者:地元である東京のひばりが丘で、先生と地域の人たちが フラットに交流する場「ここだけの保護者会」を主催していますね。どのような背景で、主催することになったのですか?
島村さん:地元に貢献するとか、地域の人と触れあうということは全然考えたことなかったんです。でも、大学は建築学科でまちづくりを卒論で書いていたので、意識はありました。ひばりが丘で活動してみて、地域の人達との交流が面白かったんです! なかなか学校の先生が、こういう場にいることが珍しいらしくて、「先生、何かやってくださいよ!」という流れになったんです。そこで、“先生”という肩書を使って、何かやってみようと思って、周りの人達のアドバイスをもらって『ここだけの保護者会』が誕生しました。

“教育”って面白い!

記者:実際に「ここだけの保護者会」を開催してみて、どのような気づきや発見がありましたか?
島村さん:保護者の人から、自分の子どもが通っている学校の先生には本音を言いづらいと聞いたんです。学校の保護者会では、話せないことが沢山あるんだなと思いました。本音で話せるって大事だなと思って、全国でできないかなと思っています。

「ここだけの保護者会」を続ける中で、教育って面白いと思ったんです。みんな熱い想いをもっていることが分かったんですよね!みんなが学校教育を受けて共有して、体感している事は他にはないと思うんです。みんな話し始めると色んな意見が出てくるんです。“教育”って、可能性があると思っています!

記者:活動する上で、大切にしていることは何ですか?
島村さん:周りの人がヒントくれるというのがありますね。みんなといて思った経験が多いですし、色々な人と何かやるのが好きですね。

記者:島村さんの夢、ビジョンが何ですか?
島村さん:今は、授業とかもYoutubeを見ればいいという時代になってきました。でも、人をやる気にさせるのは人だと思っています。“あいつがいるからやろう!”という人をやる気にさせる存在でありたいですね。

記者:島村さん、貴重なお話ありがとうございました!

【編集後記】
記事を担当した田中、内田です。気さくに本音で交流してくださり、終始和やかな雰囲気の中での取材でした!人との出会いを楽しみながら、自分の路を開拓している印象を受けました。先生の枠を越え、ますます外に勢力的にご活躍の幅を広げている島村さん。今後もご活躍を応援しています!貴重なお話、ありがとうございました。

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この記事はリライズ・ニュースマガジン”美しい時代を創る人達”にも掲載されています。

https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36