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生きてたから今がある〈15〉

ある女の子の物語
女の子は成人式を迎える
借金があった女の子は 
成人式などに興味はなかったが
『成人式に出席しなさい』と言った姉が
成人式に行けるように
全て段取りしてくれたという
綺麗な着物を着て 
綺麗なメイクをしてもらって
一生に一度の成人式を
楽しむ事ができた女の子は
姉に心から感謝したそうだ

社会人として働くも
借金まみれだった女の子は
給料日になると
消費者金融を数社 
回って帰るという繰り返しだった
何の為に働いているのか…
給料日は虚しくなるだけだった

そんな中でも年下の彼との
同棲は続いていた
女の子はまだ『恋の病』から
抜け出せずにいたのだ
『お金で繋がる事』しかできない
そんな悲しい関係…
女の子はお金を稼ぐため
正社員として働きながら
アルバイトもした
だけどお金だけでは
欲しかった彼の心は
掴む事はできなかった…

ある日を境に
彼の気持ちが女の子から
離れて行く事に気づいていたが
認めたくない女の子は
気づかないフリをした…
だけど
別れは突然やって来たそうだ…
女の子は当時流行っていた
『大人の麻疹』にかかってしまったのだ
熱が下がらない事を
心配して電話をくれた母…
本来ならお酒を飲み
酔っている母が『帰っておいで』と
電話の向こうで泣いていた…
おそらく彼とうまく行ってない事に気づいていたのだろう…
女の子はその電話の後 
同棲していた部屋から
実家に帰ったという
しかしその後すぐに
救急車で運ばれ
そのまま入院となった…

駆けつけた姉が彼に連絡したが
心が離れてしまった彼は
見舞いに来る事はなかったという
そして彼の友人を通して
彼に『彼女』が出来た事を
病室で知らされた… 

心も身体もボロボロになった女の子…
『恋の病』から脱出して
新しい未来を
歩く事ができるのだろうか?
それとも切っても切っても
切れない『腐れ縁』となって
彼と共に腐っていってしまうのか…
女の子の未来はこれから 
どうなっていくのだろう?

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