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メルカリ概要論 第2講 〜メルカリポイントでウハウハ?!〜

こんにちは。
ステキなイベントの写真をもっと紹介したいのですが、2講目はピリリと金勘定の話題を。

メルカリお友達ご招待で300ポイント。
メルペイ登録で1,000ポイント。
いま、付与されます。プラットフォームの利用者の裾野を広げる単純な施策ですが利用者はウハウハなんでしょうか?!

利用者はウハウハです。
が、株主はウハウハじゃありませんねえ。

東証マザーズに上場しているので、発行株にはそれ相応の流動性がありますので、いろいろな株主がいるでしょう。上場は資金を調達する手段ですが、もちろん株主の意向は最優先です。株式会社は株主への還元に営利活動をしていると言っても過言じゃありませんから。

わたしはこの仕組みは嫌いです。
だって株主って、ただ利益還元ばかり求めたらステークホルダーは疲弊しますしね。タダで労働力を調達したいなんてザラですから。

この構造が循環型社会に相反しているのは追って後半の講座で述べますが、目の前のポイント付与施策は株主からは敬遠されます。

なぜか?!

ポイント付与した分、キャッシュを留保しておかないといけないのです。要は、売上から、付与したポイント分はポイント引当金としてさっぴかれ利益は減じます。厳密には失効率も計算されます。

付与すればするほど、裾野は広がりますが利益は減じて、財務諸表上の利益は少なくなるんですよ。つまり、株価は下がる。株主、嬉しくない。

メルカリが倒産したり、ポイント制度を止めたときに利用者のポイントを守るためのストックですから。

ポイント付与は綿密なシミュレーションと損益分岐点の予想にて初めて出来るんです。とりあえず利用者増えましたが、流通額=手数料が増えなければポイント引当金は債務になります。借金です。

ポイント引当金はJ-SOXでも監査対象なので、結構シビアなんですよ。

メルカリはメルペイをはじめたので今年度からポイント引当金を計上してます。東証マザーズ上場のタイミングと同じかはわからないですが。

スタートアップ企業やベンチャー企業は、財務や会計監査が甘いので、うかつにポイント引当金額を決めると後々クビが回らなくなるのです。

試しに単純な計算をしてみると、メルカリのアクティブユーザーが1,700万人として、500万人がお友達ご招待で300✕500万=15億。メルペイ登録が500万人で1,000✕500万=50億。合計65億ですね。

これに、実質手数料タダのポイント還元やキャンペーンのポイント還元やらを合算して単年度の財務諸表を眺めるのです。

メルカリではIR情報を公開しているのでポイント引当金を確認してみましょう。自ずと、どのくらい裾野を広げるポイント還元を想定しているか分かります。

メルカリのポイントは失効期限が短期間なのでうまくやっているなと思いますが、足元の営利や配当はゼロなので今後の戦略に期待しています。

個人的には小売決済に手を出さないほうがスモールスタートで良かったなあと思いますが、そこは企業間買収などありますから。

わたしはリユースや循環型社会を具現化する企業に育って欲しいと願ってます。キャッシュレス決済はクレカとSuicaくらいで十分かと。レッドオーシャンで損耗することはありませんからね…。決済はミスると、もう、目も当てられませんから…。企業、簡単に潰れます。金融機関システム屋が言うので間違いないです。まあ、六本木ヒルズは特有の感覚の企業が多いので何とも言えませんが(笑)

おしまい。

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